![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 本日は、スタイリッシュな新時代のアナログプレーヤー Pro-Ject「Elemental Esprit」をご紹介します!これからアナログを…とお考えのあなたに、ぜひお使いいただきたい製品です。 |
■Pro-Ject社とは![]() Pro-Ject(プロジェクト)社は、創立者 Heinz Lichtenegger(ハインツ・リヒテネガー)氏によって、1991年に設立されたオーストリア ウィーンに拠点を置くオーディオブランドです。 音楽の都に生まれ、その伝統の中で育まれた感性豊かなオーディオ製品を展開しています。設立当初は、アナログレコードプレーヤーやフォノイコライザーアンプなどを中心に、アナログ関連製品を展開していましたが、現在は大きく分けて、「アナログプレーヤー・シリーズ」と、“オーディオで遊ぼう”をテーマにした小型オーディオコンポの「Box Component(ボックスコンポーネント)シリーズ」の2つの製品群を展開しています。 Heinz Lichtenegger氏が常に目指しているのは、社是でもある『リーズナブルで良質な音、そしてエレガントでシンプルである』ということです。その目標が、Pro-Jectのフィロソフィーである『シンプル・イズ・ベスト』として今日まで受け継がれ、それを基に「ハイレベルな音質」を「リーズナブル」な価格で、音楽を愛する多くの人々に提供できるように製品開発をしてきているのです。 結果として、どの製品にも威圧感がなく、世の中にはびこる物量投入型とは無縁の「シンプルな構造」と「精密なフィニッシュ」で仕上げられており、優れた音楽を音楽的で良質なサウンドで再現できる数々のハイクオリティな製品を提供しています。 ■最新のアナログプレーヤー ![]() 今回取り上げるアナログプレーヤー Pro-Ject「Elemental Esprit」のキャッチフレーズは、『Plug and Play ~手軽に楽しめるアナログサウンド~』。これまで、同社が積み上げてきたアナログプレーヤーの数々のノウハウを基に作り上げたプレーヤーです。 本体重量は、なんと3.3kgと軽量。高級機では、徹底的な振動対策を施した筐体や、慣性モーメントを稼ぐための重量級ターンテーブル採用などにより、総重量 数10kgが当たり前で、普及機でも10kgオーバーが珍しくない中、僅か3.3kgとは驚きです。このあたりが、Pro-Ject社の面目躍如といったところでしょう。 プレーヤー本体は、楕円を伸ばしたスケボーのように細長く、角を丸めた常識破りな形状をしており、素材にはローレゾナンス(無共振)MDFボディーを採用しています。土台には重量のある人造石を採用し、接地面から本体に及ぶ振動・共振から逃れるとともに、同社は今回、人造石をターンテーブル中央のベアリング直下に配することが、モーターの振動を吸収するベストポジションであることを発見したのです。これにより、スマートな本体でありながら、非常に効果的に振動対策が行われているのです。 ![]() プラッター(ターンテーブル) プラッター(ターンテーブル)には、精密加工された真円のアクリルを採用。耐振動性に優れています。金属にしなかったのは、駆動モーターからの渦電流の影響を回避したかったのだと思われます。スピンドルは高精度のステンレススチール製で、それをブロンズ製のスピンドルホルダーで受けることで、低摩擦のスムーズな回転を実現できたようです。 ![]() トーンアーム 本体に取り付けられたトーンアームは、スマートかつ最小限の構成となるよう、徹底的にシンプルな超軽量アルミニウム製ストレートアーム「8.6 ultra low mass tonearm」を採用しています。左右両サイドから高精度のニードルベアリングによって支持され、高いトレース精度を実現。ウエイトも最初から取り付けられており、複雑な調整がまったく必要のない使いやすいアームです。 ![]() 付属カートリッジ Ortofon「OM 5E」 付属カートリッジは、Ortofon「OM 5E」を採用。単体では正規に輸入されていません。出力電圧4mV・適正針圧1.75gと使いやすく、しかも、工場出荷時にすでに1.75gに調整されているため、このままの状態ですぐお使いいただけます。一応、別のカートリッジに交換はできますが、あくまで「OM 5E」を基準に設計されているため、余程調整に自信のある方を除き、自重や高さが違うカートリッジのご使用はお控えになる方が無難でしょう。 ■開梱から再生まで ![]() 梱包から本体を取り出すと、すでにアクリルのプラッターは取り付けられています。後は、付属のACアダプターのプラグをモーター側に挿し、ベルトをモータープーリーにかけるだけです。ベルトをプーリーの上段にかけると33回転、下段にかけると45回転になるというシンプルさです。 ![]() 本体から出ているピンケーブル 次に、アームの下の後方から出ているピンケーブルをアンプやフォノイコライザーのフォノ入力に接続します。レコードを載せ、メインボディの左下にある電源スイッチをオンすると、手で手伝ってやらなくても回り出します。そして、使いやすいアームリフターを操作して盤面に針を降ろすと、再生が始まります。 ■既成概念を覆すプレーヤー ![]() 私を含め、長年オーディオをやっているオーディオファイルは、「アナログプレーヤーはとにかく頑丈で重量級であるべき。ターンテーブルは金属製で重量級であるべき。トーンアームはS字型で針圧調整が可能であるべき。」などなど、既成概念がバッチリと染みこんでいます。しかし、それらの既成概念とは真逆に位置するアナログプレーヤーが、この「Elemental Esprit」なのです。 確かに、超重量級の高級プレーヤーの良さは長年の経験からも認めますが、ここまで書いてきたように、かくも華奢な軽量級プレーヤーからどんなサウンドが紡ぎ出されるのか、興味津々で演奏を始めました。 慣れ親しんだレコードから、CDやファイルオーディオとは違う、音の粒子の繋がった有機的なサウンドが聴けたのです。さすがに、部屋を揺るがすような重低音再生には限界を感じますが、それはいかにもレコードの音なのです。しかも、オルトフォンの付属カートリッジが優秀なのもあり、ボーカルが滑らかで、かつウェットでストレスを全く感じませんでした。アナログの良さを十分引き出してくれていると感じました。 肩肘を張らずにアナログレコードを気軽に楽しむことができるプレーヤーで、ハイエンドプレーヤーとある意味対極のサウンドではありますが、そこにはデジタルとはひと味もふた味も違う『これもアナログ!』と十分納得できるサウンドが広がります。音楽を知り尽くし、アナログを知り尽くした、Pro-Ject社ならではのプレーヤーだと思いました。 ■MMフォノイコライザーとA/Dコンバーターを内蔵したモデル ![]() ![]() Elemental Esprit Phono USBのUSB端子 「Elemental Esprit」に、直接アンプに接続できるMMフォノイコライザーと、USBケーブルでPCと接続してアナログ出力をデジタルファイル化・データ保存できるA/Dコンバーターも内蔵した「Elemental Esprit Phono USB」もございます。気軽にPCオーディオやCDへのコピーが楽しめます。 ■最後に ![]() 「Elemental Esprit」と「Elemental Esprit Phono USB」、どちらもキュートなルックスながら、必要十分な機能を搭載したシンプルなプレーヤーです。これからアナログレコードを始めたいというオーディオファンはもちろん、もう一度、昔集めたアナログレコードをのんびり聴きたいとおっしゃるオーディオファイルの要求にも十分応えるターンテーブルです。 ぜひ、ご購入をご検討ください。今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |