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いま最も注目に値するD/Aコンバーター「Brooklyn DAC」。最新技術「MQA」に対応して登場!!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
本日は、ハイエンドDACで有名な「Manhattan DAC」の弟機にあたる「Brooklyn DAC」を取り上げます。HiResストリーミング配信の主流となりうる、新しいロスレス圧縮コーデック MQA を採用し、「Manhattan DAC」にも劣らない魅力を持つD/Aコンバーターに仕上がっています。

ハイレゾ・DSDファイル再生の先駆け「Stereo 192 DSD」に始まる、マイテックのD/Aコンバーター
米国マイテック・デジタル社は、1992年に設立された、ニューヨークに本拠地を置く、プロ用レコーディング機器メーカーです。

1993年に開発した、18ビットのA/Dコンバーターが最初の製品で、レコーディング現場からの要望にいち早く応えるとともに、その音質と操作性が、たちまち多くのプロユーザーから厚い信頼を勝ち取ったのでした。

それ以来、数多くのA/DコンバーターやD/Aコンバーターを、マスタリングやその他のプロユース用として開発してきました。

また、DSDフォーマットの確立に際しては、マスターレコーダーのプロトタイプの開発から関わり、SACDの立ち上げにも大いに貢献したのです。

マイテックのD/Aコンバーター「Stereo 192 DSD」(生産終了)は、同社としては初めての民生機でしたが、プロ機での、特にDSDに関する豊富な知識と、同社の設立者であるスタジオエンジニアのミハル・ユーレビッチ氏のオーディオファイルとしての経験から、非常に高い完成度を当初からすでに持っていました。

ミハル・ユーレビッチ氏は、オーディオファイルにプロの現場の音、すなわちスタジオスペックのD/Aコンバーターの音を聴いて欲しいとの願いから、「Stereo 192 DSD」を発売したのでした。

その名のとおり、32bit/192kHz PCMはもちろん、DSD 2.8MHz/5.6MHzにも対応した2チャンネルD/Aコンバーターで、今注目を集めるハイレゾ・DSDファイル再生の先駆けともなった、初のプロ/コンシューマ機器でした。

この「Stereo 192 DSD」は、DSDネイティブ(※)再生のパイオニア的製品としてあまりにも有名ですが、マイテック自体が最近、日本で起こったDSDブームのきっかけを作ったブランドといっても過言ではありません。※DSDは当初、DoP(DSD Audio over PCM Frames)が主流でした。

ちなみに、「Stereo 192 DSD」の機能は、今現在も進化し続けています。ドライバーとファームウェアは、マイテックの手によって常に更新され続けており、しかもユーザー自身の手でもアップデートが可能といいます。

つまり、生産を終了した今後も、トップランクの性能を保ち続ける事が出来るわけです。これは画期的で、実にユーザーフレンドリーなことです。

そして昨年、マイテックはハイエンドDACとしては異例のヒット作となったフルサイズのフラッグシップ機「Manhattan DAC」を発売したのでした。

この「Manhattan DAC」のスーパースペックは、ESS製の32bit/8ch DACを搭載し、USB2.0モードで最大 PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHz(Mac 5.6MHzまで)に対応。さらに、DSDの派生フォーマットである、DXDにも対応させていました。

この度、「Manhattan DAC」の弟分ともいうべき「Brooklyn DAC」が発売されましたので、その魅力に迫ります。

高音質圧縮技術「MQA」に対応した「Brooklyn DAC」

「Brooklyn DAC」のサイズは、前述の「Stereo 192 DSD」と同じハーフサイズ(216mm)に、「Manhattan DAC」で実現した数々の機能を凝縮する形でパッケージングされています。

具体的には、デジタル入力は最大でPCM 32bit/384kHz、DSD 11.2MHz対応のUSB入力、AES/EBU 1系統、RCA同軸2系統、プロ機らしくワードクロック入出力(USB以外に対応)まで装備しています。

今回から、USB Audio Class2.0のドライバをメインに採用したことで、「Manhattan DAC」にあったFireWire(IEEE 1394)端子は省略されています。これにより、MacOSXでのドライバレスが実現。さらに、各種NASへ直接USB接続する場合の親和性も向上したのです。

アナログ入力はRCA1系統(MM/MC対応のフォノ入力との切り換え可能)、アナログ出力はRCA1系統とバランス1系統があり、高性能なボリューム(デジタルボリュームと抵抗ラダー型アナログボリューム選択可能)も搭載していることから、コンパクトなプリアンプとしても使用できます。もちろん、フロントパネルには2系統のヘッドホン出力も装備されています。まさに、至れり尽くせりといった内容です。

プロの世界で鍛えられたマイテックであることから、クロックにはやはりこだわりを見せており、高性能ESSのDACチップの直近には「Manhattan DAC」の音質向上に大いに貢献した、フェムト・クロック(100MHz)を配置しています。これは非常に高精度かつ、超低ジッターのクロックで、DACでの高い変換精度と高音質を実現できたといいます。

そして、「Manhattan DAC」にはない「Brooklyn DAC」ならではの特筆すべきポイントは、《 MQA 》に対応したことです。

MQAは、英国の老舗オーディオメーカーであるメリディアン社が提唱している新しいロスレス圧縮コーデックで、今後のハイレゾによるストリーミング配信の主流となりうるフォーマットとして注目を浴びています。

データ量の多いハイレゾファイルを一旦圧縮変換する、いわゆるFLACに似た可逆圧縮方式のような形式です。

例えば、352.8kHz/24bitのハイレゾファイルを44.1kHz/24bitにまで、実に約1/8にまで圧縮。これにより、大容量ハイレゾファイルのダウンロードにかかる大幅な時間短縮や、HDDなどストレージの節約にもなります。

この高音質圧縮技術「MQA」を、マイテックがメリディアン以外で初めてハイファイ機器で採用したことで、「マイテックといえばDSD」といわれるDSDブームを作り出したマイテックが、今度は「MQAといえばマイテック」といわれるかも知れない可能性も秘めているのです。

常に、デジタル再生の最先端を切り拓いてきたマイテックが、MQAにいち早く目を付けた意味はやはり大きいと思います。

「Brooklyn DAC」には2種類(シルバーとマットブラック)の仕上げがあり、デザインは「Manhattan DAC」同様に、高級なイメージを感じさせるものになっています。

一方、フロント・ディスプレイは一新されており、必要な情報が一元管理でき、見やすくなっています。また、この表示をシンプルなスクリーンセーバーモードにも変更できます。

最後に

これだけの内容で「Manhattan DAC」の半額以下に設定されているのですからお買い得といえます。

今回、試聴機が間に合わず、まだ試聴には至っておりませんが、過去に「Manhattan DAC」を聴いていることから、これだけの内容を盛り込んだ「Brooklyn DAC」が、期待はずれに終わるはずはないと思っています。

プロの世界で鍛え上げられたマイテックと、開発者のユーレビッチ氏が、一音楽愛好家の立場での試聴を繰り返しつつ製品化したということから、「Manhattan DAC」で聴くことができた『 あのエネルギー感たっぷりで、中域に厚みのある豊潤なサウンドや、圧倒的な情報量に、生音のような立ち上がりや響きを再現する、非常に説得力のあるサウンド 』であることは間違いないでしょう。

この「Brooklyn DAC」が、最近の少し話題不足で一服感のある「ハイレゾブーム」を、再び活性化することは確実です。この内容、この価格は、実に魅力的です。

しかも、ファームウェアの書き換えにより、常に最新バージョンにアップデートできる安心感は格別です。

高音質圧縮技術「MQA」の今後を左右する「Brooklyn DAC」こそ、今最も注目に値するD/Aコンバーターと断言します。
(あさやん)


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