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マッキントッシュ製品大幅価格改定敢行!! プリアンプの新製品「C47」「C52」が早くも大幅値下げ!!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
最近の円高の恩恵もあり、2016年11月よりマッキントッシュが製品の大幅価格改定を敢行し、1月に発売されたばかりのプリアンプの新製品「C47」「C52」が早くも大幅値下げされました!

本日は、その「C47」「C52」のコンセプトと魅力をリポートして参ります。


憧れのマッキントッシュが大幅値下げ!

マッキントッシュ(McIntosh)、それはマランツ(marantz)と並び称される米国オーディオ界の2大ブランドの一つであり、オーディオを志した人は、一度はあのフルグラスのイルミネーションパネルに憧れたのではないでしょうか。そして現在もなお、確固とした地位を保ち続けているオーディオメーカーです。

マッキントッシュは、Frank H. McIntoshによって1949年に米国ワシントンに設立されました。その後ニューヨーク州に本拠を置き、著名なGordon J. GowとSidney Cordermanがエンジニアに加わって、現在まで半世紀以上も続く同社の基礎を創り上げたのです。

マッキントッシュの製品作りは、「音楽への愛情」を背景とし、最先端技術を実用的に精錬して、恒久的な信頼性と安定性を得ることにあると言います。

その結果の一つとして、マッキントッシュのアンプは完全性と永続性を求めたデザインを採用しています。それは伝統的なフルグラスのイルミネーションで着飾ったフロントパネルであり、視認性の高いグリーン、ブルー、レッドのインジケーションとブルーのメーター表示は漆黒のグラス面と相まって、非常に美しい差別化されたデザインで、他社の追随を決して許しません。

その憧れのマッキントッシュ製品が11月より大幅な価格改定を敢行し、新製品のプリアンプ「C47」「C52」も大幅値下げされました!

プリアンプ「C47」「C52」とは?

現在、マッキントッシュのプリアンプは、真空管式と半導体式が混在し、実に11機種(2016.10現在)に上ります。今回ご紹介する2機種は同社の中核モデルという位置づけです。

従来の「C48」と「C50」の後継機となります。デザインは同社のアイデンティティでもある前述のフロントパネルを踏襲したものです。

上手くコストダウンに成功した「C47」

「C47」は、前作「C48」から5バンドイコライザーを省略し、音質性能を犠牲にすることなく上手くコストダウンに成功したモデルです。確かに中央のイコライザーのツマミがなくなったため、若干デザイン的に寂しさは感じますが、それ以外の機能は充実したものになっています。

入力系は多彩で、そこはマッキントッシュです。ラインレベルはアンバランス3系統とバランス2系統、フォノ入力はMMとMCが個別に用意されており、負荷インピーダンスや容量も選択できる新設計です。

さらに前作「C48」にはなかった(「C50」には搭載されていた)デジタル入力が、同軸/光/USBの3系統に加え、同社製品(MCT450 SACD/CDトランスポート)専用のデジタルDIN入力を装備し、SACD再生のDSD伝送を可能としているのが画期的です。

DAC素子には、DSD入力に対応するため、従来機 「C50」に搭載されていた「PCM1795」から「ES9016S」に変更されており、USB入力ではDSD256(11.2MHz)の最新フォーマットにも対応しています。

内容的には新規に設計された表面実装を多用したオーディオ基板を、シャーシ内部に巧みに収納することで、一体型のプリアンプでありながら、電源部とデジタル系の回路が巧みに隔離された構造になっています。

ボリュームは従来機を踏襲しており、経年変化が少ない0.5dB単位214ステップのVRV(Variable Rate Volume)電子ボリュームを採用し、音量数値は、フロントパネルの中央に表示されます。

5バンドイコライザーに替わって通常の低音と高音のトンコントロール機能(INPUTノブとVOLUMEのノブで設定)はあり、個々の入力ソース毎に割り当ても可能です。高音質のヘッドホン出力がフロントに装備されており、HXDクロスフィード機能により前方定位も可能です。

充実した内容の「C52」

一方、上級機「C52」も「C50」から抜本的に設計が見直され、入力の種類は「C47」と同様ですが、アンバランンス4系統、バランス3系統、「C47」同様MM/MCが個別に用意されています。

アナログ出力もアンバランス4系統、バランス3系統(メイン出力に加え、オン・オフ操作ができる2系統の出力とプロセッサー出力を装備)と最近のプリアンプとしては珍しい程充実しており、まさに何でもありのプリアンプと言えます。

さらに前作「C50」同様、パワーアンプではお馴染みのブルーアイのレベルメーターや8バンドイコライザーを搭載。

また、イコライザーの調整用のアッテネーターは、従来機より信頼性を向上させたものを採用しているとのことです。電子式のボリュームやD/Aコンバーターは「C47」と同様のものが採用されています。

試聴しました

サウンドは、「C47」は、その構成がシンプルなことから従来のマッキントッシュとは少し違う、新しい方向性の音と感じました。あの我々が思い浮かべるコッテリとしたそれではなく、比較的若々しい、色付けのないサウンドとなっていました。

これはこれで新しいマッキントッシュファンをつかめるのではないかとも感じました。

また「C52」は、期待通りの堂々たる、たっぷりサウンドで、中低域の厚みはマッキントッシュそのもので、これぞマッキン、されどマッキンと言えます。ただ往年のサウンドとは違い、グラマラスになりすぎることはなく、適度な締まりやリアルな音像表現は、やはり新世代のマッキントッシュサウンドでもあると感じました。

8バンドのイコライザーを有効に生かせば、さらに楽しいサウンドも享受できると思います。

そして、D/AコンバーターやUSB-DACを有効にお使いになれば、最新のデジタルソースでありながら、そこにはマッキントッシュのエッセンスが効いたデジタルサウンドという特典も得られるのです。まさに一粒で二度も三度も美味しいサウンドが楽しめると思います。

最後に

これら「C47」「C52」にはやはりマッキントッシュのパワーアンプと行きたい所ですが、そこはセパレートアンプ。プリメインアンプからのグレードアップはもちろん、今お持ちのパワーアンプをお使いになることで、十分なマッキントッシュサウンドが楽しめると思います。
(※パワーアンプに比べ、プリアンプの方が再生音に対する支配力が大きい)

まずはプリアンプから・・・。貴方も憧れのマッキントッシュのオーナーになりませんか?やや円安傾向に振れつつある昨今。価格改定された今こそ、ご決断下さい。

※お願い:今回の値下げにより、マッキントッシュ製品の注文が殺到する可能性がございます。輸入製品のため納品までお待ち頂く場合もございます。予めご了承下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)


DENONの新たな挑戦!上級機のノウハウ・パーツを惜しみなく投入した最新プリメインアンプ「PMA-1600NE」

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
本日は、DENONの人気価格帯プリメインアンプの最新鋭機『 PMA-1600NE 』をご紹介します!
上級機のノウハウ・パーツが惜しみなく投入され、内蔵DACの実力は相当なグレードなので、自信をもって多くの音楽ファンにお勧めしたいと思います。


異例のヒットを続けている「PMA-2500NE」


2016年2月に、賛否両論渦巻く中で発売されたハイレゾ対応USB-DAC搭載プリメインアンプ「PMA-2500NE」。一部では、「何故USB-DACなのか?」「音質に悪影響はないのか?」「DAC部分が将来陳腐化することはないのか?」などなど、否定的な意見もありました。

しかし、蓋を開けてみれば、その心配も杞憂に終わりました。それと言うのも「PMA-2500NE」が、20万円オーバーのプリメインアンプとしては異例のヒットとなり、それは現在進行形なのです。

やはり、USB-DAC一体型の便利さ・扱い易さに加え、デノンが長きに亘って築き上げてきた「シンプル&ストレート」の設計思想による高音質が認められた結果とも言えます。

DENON「PMA-1600NE」とは

今回発売された「PMA-1600NE」も「PMA-2500NE」同様、高度なUSB-DACを搭載した同社の中堅プリメインアンプという位置づけで、前作「PMA-1500RE」の後継機にあたります。

最近は、ネットワークプレーヤーにデジタルアンプを付け加えた一体型のアンプも散見されますが、本機は本格的なアナログアンプで、入力系にアナログ入力のほか、デジタル入力が加わったと考えるのが妥当だと思います。

出力は8Ω負荷で70W+70Wと十分なもので、4Ω(1kHz)では実に倍の140W+140Wを叩き出すことも出来ます。余裕の設計であることが、このことからも判ります。

出力段は、デノンの高級アンプでの常套手段でもあるUHC-MOS(UltraHigh Current MOS)FETをシングルプッシュプルで用いる、ハイゲインパワーアンプによる一段構成のシンプルなものとしています。

素子の数を減らして、信号経路を限りなく短くすることで、微小信号から大電流領域までのリニアリティに優れた回路とし、音の純度を高めているのです。

通常のアンプでは、大電流を得るために多数の素子を並列駆動するのですが、その際に問題になる素子の性能のバラツキによる音の濁りが、これにより解決されるのです。

楽音の繊細な表情までを描ききる表現力を実現するため、DENONは1ペアという最小単位の素子による増幅方式にこだわり続けているのです。
シャーシ内部のコンストラクションは、中級機としては非常に凝ったもので、フォノEQおよび入力部、ボリウムコントロール部、USB-DAC、増幅回路、電源部、コントロール部がセパレートされた6ブロック構成シャーシを採用。

補強を施したシャーシは外部振動から信号回路を守り、また各回路間の干渉も排除しています。

フォノ回路もカートリッジを供給し続けているデノンならではのモノです。MM/MCの両方に対応したハイゲインのイコライザーアンプですが、基板上のパターン上のループによる音質への悪影響を回避するため、MM/MCの切替スイッチをプッシュ式からリレーに変更しています。

これにより信号ループはより小さくなり、繊細なアナログ信号をより純粋に増幅することができ、大幅に音質を向上させることができたと言います。

最大の目玉機能!USB-DAC

そして、本機の最大の目玉機能でもあるUSB-DACですが、将来に亘っても安心な「DSD 11.2MHz」および「PCM 384kHz/32bit」までのハイスペックに対応しています。

DSDの伝送方式はASIOドライバーによるネイティブ再生と、DoP (DSD over PCM Frames )の両方に対応しています。

PC側のクロックを使用せず、本機の超低位相雑音クロックによって生成されるマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードに対応。

マスタークロックはD/Aコンバーターの直近に配置し、余分なジッターの発生を抑えるとともに、周波数も44.1kHz/48kHzを別々に2個のクロック発振器を搭載した「DACマスター・クロック・デザイン」を採用しています。

また、USB接続されたPCや本機のデジタル回路から発生するデジタルノイズの音質への悪影響を排除するために、高速デジタルアイソレーターを搭載。

入力側と出力側を電気的に絶縁し、D/Aコンバーター以降のアナログオーディオ回路へデジタルノイズが紛れ込む心配もなくしています。

さらに、DENONのSACD/CDプレーヤーではお馴染みの、独自のデータ補間アルゴリズムによるアナログ波形再現技術である最新の「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載。

限りなく原音に近い理想的な補間処理で、録音時に失われたデータを精巧に復元することで、原音に忠実な再生を実現したと言います。

そして、多くの方が心配されているデジタル回路のアナログ再生への影響ですが、アナログ再生時には、デジタル入力回路への給電を断つことにより、動作を完全にストップさせる「アナログモード」を採用。

さらに、FLディスプレイの表示までも消灯し、純粋なアナログアンプとして動作させることができます。( ※「アナログモード」に設定中は、USB-B、同軸デジタル、光デジタル入力は使用できません。)

アンプとして、最も重要な電源部も安定度を増すため、従来機に比べトランスを大型化し、コアサイズと容量を大幅にアップしています。

前述の「アナログモード」時にはさらに電源に余裕が生まれ、音質アップに大きく貢献しています。

試聴しました

9月の新製品発表会で試聴しましたので、その印象を述べておきます。同時発売のSACD/CDプレーヤー「DCD-1600NE」でディスクソースを中心に聴きました。

第一印象はスピード感です。しかし、そのスピード感はデジタルアンプのそれではなく、音に厚みがあり、ザワザワ感が皆無の聴いていて安心感・安定感のあるサウンドでした。

特に女性ボーカルはふくよかで、国産アンプによくある清廉潔白でやせぎすな声ではなく、肉質感たっぷりで湿度感を伴ったナチュラルなボーカルが聴けました。これはやはり、純粋なアナログアンプの成せる業と感じました。

クラシックは大編成楽曲でも、通常のお部屋なら大音量再生でも破綻することはなく余裕で鳴らせます。小編成の透明感、静けさはアナログアンプならではでした。

そしてジャズでは本領を発揮し、ベースは厚みがあり、シンバルのスピード感、抑揚のあるエネルギッシュなサウンドは、価格を忘れさせる程でした。

最後に、パソコンをUSB接続して、PCM 192kHz/24bitとDSD 11.2MHzのソフトを聴きました。これまで聴いてきたディスクと違い、情報力は圧倒的で、キメの細かなサウンドは絶品でした。

この「PMA-1600NE」の内蔵DACの実力は相当なグレードと見ました。何より内蔵していることのメリットを十分感じさせたことに、DENONの本機に対する並々ならぬ自信を伺い知ることができました。

最後に

DENON「PMA-1600NE」は、10万円台の中級アンプとはいえ、サウンドは堂々としたもので、数万円の普及タイプのプリメインアンプとは次元の違うサウンドでした。

ハイエンド一歩手前ながらこのサウンドは、自信をもって多くの音楽ファン、リターナー(もう一度オーディオ世代)、そしてヘッドホン卒業生に広くお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

【ゾノトーンの10周年記念モデル】RoyalSpirit1を再びご案内します!

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みなさま、こんにちは!
『年賀状を出すのは久々だし。。。はやめに印刷しよう!』となって印刷しようとした途端プリンタが壊れたとうふです(涙
その場でJoshinWebを開いてポチっとしたのは言うまでもありません。

私のように「いざ印刷!」のその時に「プリンタが故障!?」や「インク切れ!?」が無いように皆様はお早めに動作の確認や消耗品の有無をご確認下さいませ。。。
そんなプリンタや消耗品も豊富でお買い得なJoshin Webをどうぞよろしくお願いいたします。

さて今回ご案内は。。。以前にハイエンドブログでも

ボーダーがレビューしたゾノトーン10周年を記念したモデル「Royal Spirit1」。

このケーブルがなんとオーディオアクセサリー誌の2017年グランプリを受賞したので、メーカーより視聴機をお借りして再度レビューしました!
※記事はオーディオアクセサリー誌163号178ページにあります

今回はJoshin-Webにつくった、試聴環境にてボーダーと一緒にテストしました!


アンプはアキュフェーズのE-370、スピーカーはクリプトンのKX-3P2。
音源はPCで、DACはコルグのDS-DAC-10Rを使用しています。

スピーカーケーブルは以前にボーダーがレビューしていますので、今回はRCAケーブルを主にチェック!

ゾノトーン
RCAケーブル
ROYALSPI-AC-1R

※長さ違いもあります。お好みの長さにてお求めくださいませ。

~感想~

試聴環境のRCAケーブルが同社の7NAC-Granster5000αなので、切り替えて聴いたところ、 今までの音が「薄いレースのカーテン越しで聴いていたように感じる」ほどで、更に見通しの良い、眼前で演奏しているような"気配"までも感じられます。

低域の押し出し感と、高域の伸び、更には楽器とヴォーカルとの距離感も7NAC-Granster5000αから向上し、より奥行き感のある、スケール感の広がった表現が楽しめました。

もちろん、製品グレードの違いはありますが今回の「RoyalSpirit1」のコンセプト、
『ゾノトーンらしいケーブルです。ゾノトーンらしくないケーブルです。』が非常に現れているように感じます。
ゾノトーンのケーブルは(あくまでとうふの印象ですが)真面目で丁寧、機器への自己主張をあまりしない印象でした。。。がこの「RoyalSpirit1」には一音一音がクッキリ、ハッキリとしつつも、真面目だけど真面目過ぎない。時には前にグイグイと押し出してくるようなエネルギー感と、控えめではありますが艶気と色気が感じられ、今までの印象が吹き飛びました。

聴いていて『ゾノトーンだけど、ゾノトーンらしくない』その言葉に大いに納得!です。


そして引き続きスピーカーケーブルも「RoyalSpirit1」に変更して試聴!


※写真がブレてますが、ご容赦を。。。重いんです。

一音目から音の濃密さが違うっ!!
音のアタック感、粒立ちの良さ、丁寧に一音一音を再現する正確さ。そして圧倒的なスケール感。
さらにはいつものゾノトーンの真面目さの中に主張しすぎない、しかし確かな存在を感じるエネルギッシュな表情。

ボーダーと二人しばし音の世界に没入してしまいました。。。

スピーカーケーブル、もしくはインターコネクトケーブル、どちらかの変更でも十分良いですが、両方更新すると相乗効果で更なる広がりで魅せます!
費用的にはかなりの高額にはなりますが、価格以上のご満足をいただけるでしょう!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

アキュフェーズからプリメインアンプ“E-200シリーズ”最新鋭機『E-270』登場!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回はアキュフェーズから、上級機の設計思想を受け継いだ超ハイ・コストパフォーマンスのプリメインアンプ「E-270」をご紹介します。

高級機に肉薄するとされる実力の理由を技術資料と試聴から検証いたします!


アキュフェーズの「E-200」シリーズの歩み

アキュフェーズの「E-200」シリーズには、創業翌年の1974年に発売された「E-202」と言う200番台のプリメインアンプがありますが、この機種は後の“「E-300」シリーズ”の原型とも言えるプリメインアンプでした。

本当の意味での「E-200」シリーズは、1995年発売の「E-210」からになります。当時「E-210」は、ヨーロッパ向けの輸出用モデルとして開発されたと聞いた覚えがあります。

その理由は、国内でのヒットモデルであった「E-305(V)」や「E-306」では、当時の為替相場もあって、ヨーロッパ、特にドイツでは日本国内価格の倍以上の価格になってしまうため、プリメインの廉価版の要望があり、開発に着手したと言われています。

その後、1998年の「E-211」、2001年の「E-212」、2005年の「E-213」、2008年の「E-250」、そして2012年発売の現行機種「E-260」まで20年以上連綿と続いてきました。

そして今回ご紹介します「E-270」が“E-200シリーズ”の最新鋭機という訳です。

上位機種「E-600」と同等の性能を実現!

「E-270」は、メーカー資料によりますと、

『従来機「E-260」をフルモデル・チェンジ。これまで培った高度な設計テクノロジーを結集し、《AAVA方式ボリューム・コントロール》の性能を大幅に向上し、上位機種「E-600」と同等の性能を実現。音楽の持つ個性や優れた潜在能力を引き出す高級インテグレーテッド・アンプとして誕生しました。』とあります。

最大の売り《AAVA方式ボリューム・コントロール》

まず、「E-270」の最大の‘売り’である《AAVA方式ボリューム・コントロール》、アキュフェーズ・ファンにはすでに‘耳タコ’でしょうが、少し触れておきます。

《AAVA方式ボリューム・コントロール》は、可変抵抗体(連続及びステップ式)を使用しない理想のボリューム・コントロール方式です。

通常の可変抵抗を使ったボリュームでは、信号が抵抗体を通ってしまうことでノイズが発生することが多く、また点接触していることによるボリュームガリや歪率の悪化など、信頼性の問題、さらには可変抵抗体自体、回転位置(抵抗値の変化)で性能が異なってしまうことなど、多くの問題を抱えています。

《AAVA》は、音楽信号が抵抗体を通らないため、ノイズの発生が無く、インピーダンス変化の影響も受けないのです。また全てが電子回路で構成されているので、長期に亘る信頼性に優れ、高S/N、低歪率を実現でき、音量による音質変化がほとんどないという理想のボリューム・コントロールと言えます。

従来機同様、パワーアンプ部は《インスツルメンテーション・アンプ》構成によりバランス伝送化し、機器内で発生する雑音除去や低歪率を実現し、パワーアンプとしての安定度・信頼性を実現しています。

さらに大電力オーディオ用パワートランジスターをパラレル・プッシュプルで構成し、大型ヒートシンクによって効率的な放熱処理をすることで、チャンネル当たり120W/4Ω、90W/8Ωの大出力を叩き出します。

従来機「E-260」との大きな6つの違い

【その①】
「E-270」では、《AAVA》のインピーダンスを1/2に下げて低雑音化を図ることで、同社の最上位機である「E-600」と同等の低雑音化(アンバランス入力時)を図っています。

【その②】
アンプ回路やNFB経路等を見直した結果、アンプの出力インピーダンスをさらに小さくしたことで、ダンピング・ファクター(DF)を「E-260」の200から倍の“400 ”に出来たのです。DFはスピーカーの制動力を示しますが、低音の締まりは確実に向上します。

【その③】
保護回路には一般的なリレーを使ったものではなく、無接点《半導体(MOSFET)スイッチ》を搭載しています。産業用のもので、実に0.0019Ωの超低ON抵抗を実現。長期の信頼性はもちろん、音楽信号が接点を通らないため、音質向上が期待できると言います。

【その④】
全エネルギーの供給源である電源部は大電力容量の大型トランスに加え、フィルター用のアルミ電解コンデンサーに、従来機の22,000μFに対して大容量30,000μFに容量をアップしたカスタム仕様品を2個搭載しています。これらの余裕により、より力強い豊かな低音再生が可能になったとのことです。

【その⑤】
フロントパネルにある各種機能の押しボタンが、ストロークのある機械スイッチから、軽快な操作感のタクタルスイッチ(操作したことを反応として実感できる)にアップグレードされており、高級感が向上しています。

【その⑥】
新しくLED照明によるアナログ式ピーク・パワーメーターを装備し、明るく見やすくムラのない表示になっています。

これら6つの大きな違いが、同社に《従来機をフルモデル・チェンジした》と言わしめた理由です。明らかに上級機の設計思想を十分に受け継いだフルモデル・チェンジを果たしたのです。

試聴しました


上段は「DP-560」下段が「E-270」

さて、音質は発売前の11月某日、日本橋1ばん館のリファレンスルームで従来機「E-260」との比較を中心に行いました。

正直「E-260」との差がこれ程大きいとは思いませんでした。B&Wのフロア型をいとも簡単に鳴らしきったのです。ドライブ力はセパレートアンプに匹敵するレベルでした。

過去の同社製品に少し感じた、静的で几帳面なサウンドとは少し異なり、音楽の躍動感がグイグイ伝わってくるダイナミックで音楽的に楽しい生き生きしたものでした。

クラシックのバイオリンが繊細で柔らかく、女性ボーカルが滑らかでナチュラル、ライブ演奏も生々しく熱気が感じられ、立ち上がりもしっかり表現されていました。また、とにかく曲中の音のない‘間’の部分が実に静かで、S/Nの良さを実感させられました。

最後に

これこそ同社の最新のハイエンド機に通じるサウンドであり、空気感が感じられる上質なもので、このクラスのアンプで実現できていることに正直驚かされました。

アキュフェーズのローエンドモデルに当たる本機「E-270」が、これ程の実力を与えられたことに、驚異を覚えますし、競合他社にとっても新たな目標になりそうです。

単にヨーロッパ向けの廉価版から始まった“E-200シリーズ”がここまで来るとは・・・そんな超ハイ・コストパフォーマンスのプリメインアンプ「E-270」が誕生しました。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

【最後のCDプレーヤー!?】HegelのMOHICAN(モヒカン)をご案内します

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みな様こんにちは!

私事も含め、本年は激動の年だったなぁ。。。と既に来年の事を考えつつあるとうふです。

さて年末と言えば大掃除。
皆様は年に一度の大イベントに備えて、清掃用具等の準備は整っているでしょうか?
もしまだの方は。。。年末に近づくと品切れ等で年内に手に入らない等の可能性がありますので...お早めにご検討下さいませ。
※そんな掃除機・クリーナーが豊富でお買い得なJoshin Webの特設コーナーはこちらより。

さて、今回ご案内の製品は...こちら

ヘーゲル
CD専用プレーヤー
MOHICAN

北欧・ノルウェーのオーディオメーカーHEGEL(ヘーゲル)のCDプレーヤー"MOHICAN(モヒカン)"です。
何故ノルウェーのメーカーがアメリカの部族の名前なのか。。。?と思うところはあるのですが、その理由はメーカーも公表の通り、小説「モヒカン族の最後」から命名。
"ヘーゲル社最後のCDプレーヤー"の意思の元、HEGELの今までのCDプレーヤーで培った技術の集大成として発表されたようですね。
『最後』の。
そう、このモヒカンはHEGEL社『最後のCDプレーヤー』なのです。

しかしCDプレーヤーの集大成として発表されただけあり、
CD再生のみに特化。デジタル入力やヘッドホン出力等余計な機能を排除し、CDからの情報を何一つ余すところなく取り出す』や
16bit/44.1kHzのネイティブ解像度でアップサンプリングしない』等なんとも男らしい仕様です。
また、通常デジタル出力と言えば同軸RCA端子やTOS光(角型)端子を採用しているものが多い中、しっかりとしたロック機構のある『BNC端子』だけと言うのもこだわりなのでしょうね。

発表したばかりでまだ実機の確認は出来ていませんが、前作のCDP2Aの発展系と想像するならば。。。
明瞭度の高さと鮮明さ、解像度の高さに空間表現力の広さは磨きがかかり、そこにアナログレコードのような密度感が加わる。。。と言った感じでしょうか?
実機は早い段階で、聴いてみたいところです。

しかし、『最後の』CDプレーヤーですか。。。
私はPCオーディオ(もちろんネットワークオーディオも)も聴きますが、まだまだCD(およびSACD)再生環境が主なので、ハイエンドオーディオメーカーからこうハッキリと"最後のCDプレーヤー"なんて聞いてしまうと少し切なくなってしまいます。
と言っても(伝聞系ですが)海外のオーディオショー等ではCDを再生する事はまず無く、大抵がPC/ネットワークやストリーミング再生、そしてアナログレコードらしく、メーカーも利便性の観点からもCDは敬遠気味なのかもしれません。
ハイエンドオーディオメーカーのLINN社などはかなり速い段階でCDには見切りをつけ、プレーヤーはネットワークプレーヤーとアナログプレーヤーにシフトし、一定の支持を得ている事から今後このような動向は進んでいくのかも知れませんね。。。
※昨今の新興メーカー等はそもそもCD再生を念頭に置いていないメーカーも多々ありますが。

私個人的にはジャケットなどを持つ、"所有感"も重要な要因と考えていますので、音源のみとなる昨今のPC/ネットワークオーディオ環境への完全移行には足踏みしてしまいます。
ジャケットはアルバムイメージとして端末やソフト上で確認できます。。。がやはり実物がないのはやはり物足りないというかなんと言うか、ですが。

しかしこれも時代の流れ、ハイエンドオーディオメーカーであるHEGELが脱・CDプレーヤー宣言を行った事により、今後同様の脱・CDプレーヤー宣言は増えていくのかも知れませんね。

純粋なCDプレーヤーも減りつつある昨今。
「CD再生に特化し、こだわり抜いたCD専用再生機」としてHEGELのMOHICAN(モヒカン)はいかがでしょうか?

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

オルトフォン「SPU#1S #1E 」。それは古くて新しいカートリッジ~アナログのレジェンド“SPU”が現代に甦った!!~

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
本日は、オルトフォンよりカートリッジの往年の銘機“SPU”の最新モデル「SPU#1S / #1E」をご紹介!
アナログファンなら誰もが憧れた最初期モデルのサウンドが現在に蘇ります。


オルトフォンの歴史

ortofon(オルトフォン)はデンマークに本拠を置くオーディオメーカーであり、特にアナログ関連、さらにはMCカートリッジでは右に出るブランドがない程に、世界的にその地位を確立しています。

“オルトフォン”の歴史は、1918年(大正7年)にA.ピーターセンとA.ポールセンが設立した「エレクトリカル・フォノフィルム・カンパーニー」にその源を発します。二人は、この会社から歴史上初となる本格的な音が出る映画システム《SYSTEM PETERSEN OG POULSEN》を発表し、世界中に名を馳せたということです。

“オルトフォン”の名は、ギリシャ語の「真正な」「正統な」を意味する“orto”と、「音」を意味する“fon”を組み合わせた造語で、長きにわたってアナログ再生にこだわり続けてきたメーカーなのです。そして自らが掲げる“ACCURACY IN SOUND(音の精度)”の実現を追求し続けて来たのです。

古くて新しいカートリッジ『SPU#1(ナンバーワン)』

その“オルトフォン”から古くて新しいカートリッジ『SPU#1(ナンバーワン)』がこの夏に発売されました。発売当初から輸入数が少ないこともあり、潤沢に入荷しなかったため、このコーナーでの取り上げを躊躇していました。

しかし、ようやく入荷がコンスタントになったため、数ヶ月遅れにはなりましたが、改めてレポートして参ります。古くからのオーディオファンなら誰もが知っている、またアナログファンなら誰もが一度は使いたいと憧れたカートリッジ。それが“SPU”です。

“SPU”の初代モデルが発売されたのは、ステレオLPが誕生した翌年の1959年(昭和34年)のことです。同社のロバート・グッドマンセンによって開発されました。“SPU”の名前の由来は、「STEREO PICK UP」の略で、まさにステレオ時代到来の申し子のようなネーミングでした。

“SPU”はMCカートリッジの原器とも言われ、これまで数々のバリエーションが世に送り出されてきました。21世紀の今日まで半世紀以上にも亘り、その子孫が増え続けてきたのです。今市場に流通しているMCカートリッジのほとんどが“SPU”の構造をベースにしていることでも、それは明らかです。

“SPU”の従来モデルとの違いとは?

今回ご紹介します『SPU#1』は、その“SPU”シリーズの最新モデルですが、従来と違うのは、新しく開発された素材や技術を投入してワイドレンジを目指して製品化された“ニューSPU”ではなく、シリーズの最初期モデルのサウンドを現在に甦らせることを目的に製品化された“オールドSPU”だと言うことです。

『SPU#1』の開発者は、同社のライフ・ヨハンセン氏で、氏の目指したサウンドは、かつてのオールドサウンドに最大限こだわり、当時を思わせる図太いサウンド、たっぷりと豊かな低域、芯のある中域、きらびやかな高域・・・。それらはまさしく“THE SPUサウンド”とも言えるものです。

この型番の『#1(ナンバーワン)』に込められた二つのメッセージの内、一つ目は昔からのSPUファンに捧げる「マイファーストSPU」。そしてもう一つは、新たにSPUに親しんでもらうオーディオファンに向けた「マイファーストSPU」です。それこそが開発者自身が、この『SPU#1』に自信を持っている証でもあります。

「SPU#1S」と「SPU#1E」の違いとは?

この『SPU#1』には、「SPU#1S」と「SPU#1E」の2機種あり、その違いはスタイラスで、前者が丸針(Spherical)、後者が楕円針(Elliptical)です。それ以外の部分はまったく同一で、カンチレバーがアルミニウム、コイルの線材にはOFCが使われています。内部インピーダンスは2Ω、入力側の負荷インピーダンスは10Ω以下が推奨されています。

そして『SPU#1』が、最も初期のSPUへのこだわりを見せるのがヘッドシェルの材質です。SPU伝統のGタイプのシェルに、なんと木粉と樹脂の複合素材を採用しているのです。あの感覚、初期のSPUをご存知な方は、そのレトロさがまた、たまらないのではないでしょうか。

Gタイプのヘッドシェルは、元々そのずんぐりしたシェル内部に昇圧トランスを内蔵させることを目的に考えられたもので、初期のSPUには超小型の昇圧トランスが内蔵されていました。実際に私自身、今も内蔵型の「SPU-GTE」を使っています。ただ針交換は不可能(針交換でSPU Classic GEになってしまう)で丁寧に使い続けています。

過日、オルトフォンジャパンの某氏に、「トランス付きのSPUが欲しい」と私の希望をぶつけてみたのですが、答えは「現在の技術ではトランスは作れない」とのことでした。それ程に製作が難しく、極小のトランスを作れる熟練工も今はいない(機械では無理)と言うことのようです。

今は外部の昇圧トランスを使うようになったのですが、Gシェルそのものの音の魅力もあって、その形は受け継がれてきました。適正針圧も4g、自重30gと今となっては超重量級ですが、針圧範囲は3~5gと広く、針圧による音質の違いも楽しめます。

今回の『SPU#1』は、時代とともにSPUの特性が良くなり、その結果として洗練されたサウンドとなり過ぎたことや、バリエーションが増え、高価格になり過ぎたことへの反省から企画されたのではないかと想像します。

試聴しました

試聴は、『SPU#1E』を大阪ハイエンドショーの会場で、じっくり時間をかけてジャズを中心に行いました。それまでショーの会場のあちこちで聴いてきたハイレゾやCDはもちろん、アナログレコードをデモに使っていた、どのブースの音より、私には最も心地よく聴けたのです。

このまったく危なっかしさのない安定感はどこから来ているのでしょう。やはり4gという重針圧、音溝にグイッと食い込ませているからだろうことが実感出来ました。

音楽全体のエネルギーバランスは典型的なピラミッド型で、周波数帯域は決して欲張っておらず、情報量も最新のMCカートリッジには及ばないものの、音楽の‘美味しい部分’をすべて拾い出しているようにも感じました。音楽全体の骨格がしっかりしており、中域の厚みは他を寄せ付けない“SPU”ならではの魅力でした。

必要な帯域をしっかり抑えた結果、ザワツキ感やピーキーな部分もなく静かでS/N感も十分でした。また、一般的な金属製ではないGシェルならではの響きの良さ、温もりも感じられました。

そして、私が所有しているビンテージ物のSPUと共通した部分は多いのですが、やはりそこは、多少若々しいエネルギッシュさも感じられました。またボーカルの滑らかさもアップしていると感じました。しかし、誰が何と言おうと“SPU”そのもののサウンドではありました。

アナログのレジェンド“SPU”の復活です。

最後に

何より、この価格で往年の銘機 “SPU”を復活させたオルトフォンに感謝です。私には、この『SPU#1』の発売によって、さらにアナログブームが活性化される予感がします。

ジャズファンにご忠告!“SPU”の世界に一歩足を踏み入れた途端、デジタルとは真逆の魅力的なアナログの世界から抜け出せなくなると思います。ご注意ください。

※なお、『SPU#1』シリーズは自重が30gあるため、市販のほとんどのアナログプレーヤーではそのままではお使い頂けません。適合カートリッジ質量が30g以上のトーンアームや、サブウエイトの装着で適合カートリッジ質量が30g以上のトーンアームが搭載されたプレーヤーに限定されます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

セパレートSACD/CDプレーヤー「DP-950/DC-950」に肉薄するアキュフェーズの一体型SACD/CDプレーヤー『DP-560』登場!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回はアキュフェーズから発売の、一体型SACD/CDプレーヤーの“最高峰”といえる『DP-560』をご紹介します。

日本橋1ばん館で、従来機「DP-550」との比較試聴もしましたので、ブラッシュアップされた内容とともに、そのサウンドもレポートいたします。


アキュフェーズ デジタルプレーヤーの歩み

アキュフェーズのデジタルプレーヤーには、セパレート型と一体型の2ラインがあります。アキュフェーズが自社製CDプレーヤーを初めて世に問うたのはCDが登場してまだ4年足らずの1986年発売のセパレートCDプレーヤー「DP-80/DC-81」でした。

一体型はその翌年の1987年発売の 「DP-70」からで、2001年に発売されたSACD/CDプレーヤー「DP-85」を含め2桁の型番が続きました。

型番が3桁となったのは2006年のCDプレーヤー「DP-500」からで、500番台は2010年発売のCDプレーヤー「DP-510」、そして2008年発売のSACD/CDプレーヤー「DP-600」と統合される形で、2012年SACD/CDプレーヤー「DP-550」となったのでした。

その「DP-550」がメカニズムを含め徹底的にブラッシュアップされ登場したのが、これからご紹介しますSACD/CDプレーヤー『DP-560』なのです。

目指すは「DP-950/DC-950」

アキュフェーズが「DP-560」で目指したのは、今年2016年に持てる技術のすべてを投入し、新時代を切開くべく開発されたセパレート型SACD/CDプレーヤー「DP-950/DC-950」です。

その優れた技術を基に自社開発メカニズムを含め、これまでの高度なノウハウと最新テクノロジーを結集させ、高性能の一体型SACD/CDプレーヤーを目指して製品化されました。その過程では徹底的に試聴を繰り返したとのことです。

従来機「DP-550」をブラッシュアップ!

従来機「DP-550」の性能をさらに極めるために、ブラッシュアップされた注目点は大きくは以下の3箇所です。

その1)新開発のドライブメカニズムを搭載

SACDはデータの記録密度が高いため、従来CDよりかなり高速で読み取りが行われます。このため、回転体から発生する振動はもちろん、外部からの機械振動にも影響を受けてしまうため、それらの影響を回避して安定した信号の読み取り精度を必要とします。

『DP-560』のドライブメカには同社としては初めて国産某社のメカを採用し、そのメカを同社のもつノウハウで徹底的に強化することで、剛性の高い強固なシャーシ構造をとって一体化したのです。さらに、ドライブメカを可能な限り低い位置に配置することで、外部振動の振幅を最小限に抑え、低重心で安定感あるサウンドを目指しています。

メカ全体を包むブリッジは、前作「DP-550」より大型化し、カバー上部を5層構造とすることで遮音性を向上させています。さらにピックアップ部分とメカ部分を高性能なシリコン系のダンパーでフローティングすることで、外部からピックアップへ伝わる振動を低減するとともに、風切り音を気流制御することで、ディスクの回転音を従来メカの1/3に抑えています。

その2)ESSテクノロジー社の高性能D/Aコンバーター《ES9018S》採用

D/Aコンバーターには前作「DP-550」の《ES9008S》に替えて“ハイパーストリームDAC”《ES9018S》が採用されています。この実績のあるデバイスを電源の強化などで最大限使いこなし、片チャンネル当たり4回路のDACを並列駆動させることで、S/Nを「DP-550」より1dBアップの119dB、全高調波歪率を0.0001%アップの0.0006%としています。ごく僅かな差ではありますが、これを保証値としていることに同社の自信の程が伺われます。

その3)USB-DACとしても最新フォーマットに対応

USBからのハイレゾ音源の対応サンプリング周波数は、PCMで384kHz/32bit、DSDで11.2MHz/1bit(11.2MHzはASIOのみ)までの最新スペックを実現しています。これは将来に亘っても安心できるものであり、デジタル音源としてはSACDを含め究極の性能であるとも言え、SACD/CDプレーヤーとしてのみならずUSB-DACとしても自信を持ってお勧めできるデジタルプレーヤーと言えます。

そして今回一部の方にしかそのメリットはありませんが、アキュフェーズ独自のデジタル・オーディオ・インターフェースである“HS-LINK”がバージョンアップされ、“HS-LINK Ver.2”となっています。

データとクロックを分離して伝送ででき、従来のVer.1では受信側にPLL(高周波発振器)が必要でしたが、それが不要となり、送信側のクロック精度を維持したままデータ処理が可能になったのです。もちろんVer.2からPCM:384kHz/32bitとDSD:11.2MHzまでの送受信も可能となっています。

最後にもう一つ、今回の『DP-560』から一新されたドライブメカによる機能面での恩恵があります。それはデータディスクの再生が可能になったことで、DVD-R/RWやDVD+R/+RWに記録したDSD(2.8MHz/5.6MHz)、PCM(192kHz/24bitまで)の音楽ファイル(対応フォーマット:WAV、FLAC、DSD、DSDIFF)の再生に対応したことです。

これによりパソコンを使わず『DP-560』のみでハイレゾ音源を納めたディスクが楽しめ、パソコンを気にせず音楽に集中できることは、音楽ファンにとっては実に有り難いことです。

フロントのディスプレイには再生されている信号のサンプリング周波数とビット数が表示され、付属リモコンは『DP-560』の操作だけではなく、アキュフェーズのプリアンプやプリメインアンプのボリュームコントロールも可能で、アキュフェーズユーザーには便利な機能です。

試聴しました


『DP-560』の試聴は、11月某日、日本橋1ばん館で前作「DP-550」との比較から始めました。

まず「DP-550」でSACDを中心に聴きました。若々しい躍動感のあるサウンドで、キレが良く、良い意味でデジタルらしい、情報量の豊かなサウンドで、これを聴いている限り特別不満を感じることはありませんでした。

しかし、少し聴いていく内に、もう少し中低域の厚みがあっても良いのではとは感じましたが、「DP-550」の完成度は十分高く、新製品『DP-560』で、アキュフェーズがどういう方向のサウンドを目指したのかに興味が沸いてきました。

次に同じシステムで、「DP-560」に繋ぎ替えて同じソフトから試聴を始めました。明らかに中低域の厚みが増して、空間表現も豊かになっていました。

ザワツキ感も全くなく透明度の非常に高いサウンドで、本機のS/Nの良さが十分現れています。ボーカルでは口元が小さくなり、顔の輪郭までクッキリ見える様でした。

さらに、弦楽器の立ち上がりやピアノの瞬発力、制動力など、上質なソースほど前作との差をはっきりと出して来ました。

最後に

『DP-560』はアキュフェーズの中堅SACD/CDプレーヤーとの位置づけではありますが、そのパフォーマンスは「DP-950/DC-950」にも十分に肉薄しており、国内はもとより世界的にも一体型SACD/CDプレーヤーとしては、“最高峰”と十分位置づけられるグレードを有していると思います。将来に亘って安心してお使いいただける多機能デジタルプレーヤーだと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

オンキヨーから久々の“セプター”を冠したスピーカー「SC-3」発売!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、創業70周年を迎えた「オンキヨー」から、15年ぶりに発表された“セプター”の名を冠したスピーカー『SC-3』をご紹介します。

過去のシリーズを単に踏襲したものではなく、若い技術者達が当時の“セプター”の図面を基に最新の手法を使って開発した製品です。


オンキヨーの歴史

このコーナーでオンキヨー製品を取り上げるのは2015年1月のアナログプレーヤ「CP-1050」以来、実に2年ぶりになります。

かつての隆盛を知っている人間にとって、さらには関西人にとっては、オンキヨーからハイエンド製品が発売されないことに一抹の寂しさを覚えていたのではないでしょうか。

ここでオンキヨーの歴史を少し紐解いて参りましょう。

1946年9月 株式会社大阪電気音響社として、大阪市都島区に設立後、翌1947年に 商号が大阪音響株式会社に変更され、1952年に 本社、本社工場を大阪市旭区に移転。

その後、1961年 大阪府寝屋川市に香里工場を新設、1969年 大阪府寝屋川市に日新工場を新設、そして1971年 商号をオンキヨー株式会社に変更しています。

この歴史を見ても分かる通り、オンキヨーは大阪に根ざした関西の数少ないオーディオメーカーと言えます。 
※正式名称は「オンキョー」ではなく「ヨ」が大文字の「オンキヨー」ってご存知でしたか?

そして、オンキヨーは今年2016年9月 めでたく創業70周年を迎えたのです。その間幾多のオーディオメーカーが市場から撤退し、現存しているメーカーも殆どが提携や合併を経て現在に至っています。その中にあって、ブランドがそのまま続いている創業91年の「ラックス(マン)」と「オンキヨー」が奇しくも関西発のブランドであることに、関西人としては誇りさえ感じます。

私事ですが、私が中学生の頃、初めて使ったオーディオ機器は、オンキヨーのモジュラーステレオでしたし、高校ではオンキヨーのマルチチャンネルのセパレートステレオでした。

その後単品コンポの世界に足を踏み入れてからも、ホーンを使った3ウェイスピーカー「E-83AMK3」やインテグラと言われたプリメインアンプを使ったりしています。そしてこの業界に入った切っ掛けでもある大学時代のアルバイトの一つが、オンキヨー製品の店頭販売でした。

私が、オンキヨーのスピーカーの中で最も印象に残っているのは、同社の歴史を語る上では欠かすことの出来ない銘機「Grand Scepter(グラン・セプター) GS-1」です。


1984年 究極のスピーカーを目指して、全く新しい設計・測定の理論によって作られた2ウェイ3スピーカーの大型オールホーンスピーカーシステムで、国内のみならず海外でも高い評価を獲得したスピーカーでした。

このスピーカーの位相管理は徹底しており、GS-1をお持ちのオーナー宅に伺った際に聴かせていただいた繊細で実在感のあるサウンドは今も忘れられません。

オンキヨーが“セプター”と言う名を使い始めたのは1960年代で、当初はホーン型を中心にした高級スピーカーユニット群の名称でした。

それらのコンセプトは、「演奏者の想いまで伝える」で、(1) ソースによる再生音の適不適がない(2) ホーン臭くない音質(3) 疲労感のない素直な音質 と言うもので、“世界に通用する高性能なスピーカー”を自社製造することを目標に研究開発を行っていたのです。

若手技術者が中心となって開発した『SC-3』

そして、今年創業70周年を迎えた「オンキヨー」が“セプター”の名を冠したスピーカー『SC-3』を15年ぶりに発表しました。

オンキヨーによりますと、『SC-3』は1990年代まで続いた“セプター”シリーズを単に踏襲したものではなく、オンキヨーの若い技術者達が当時の“セプター”の図面を基に、CADなどを使って新たに設計し直し、3Dプリンターで試作を繰り返して音質を追求するという最新の手法を使って開発したとのことです。

さらに、すでに引退した当時の技術者のアドバイスも受けつつ若手技術者が中心となって、『SC-3』の性能を追求しついに完成に至ったのです。

それでは久々の“セプター”を冠した『SC-3』への並々ならぬオンキヨーの意気込みをレポートして参ります。

『SC-3』をご紹介

『SC-3』は、前述の大型フロア型の「GS-1」とは違い、近年では珍しい20cmウーファーと大型ホーンによるやや大きめの2ウェイ・ブックシェルフ型スピーカーです。

ドライバーユニットはいずれも完全な自社開発で、ウーファーには世界で初めて開発に成功したバイオマス素材であるCNF(セルロースナノファイバー)使った振動板を採用し、理想的な特性を獲得した同社伝統のノンプレス製法で作られる「ONF(Onkyo Nano Fiber)ウーファー」を搭載しています。

さらにこのコーン紙の表面には、書道で使う墨で有名な奈良の老舗墨店:古梅園の高級墨である「紅花墨」が塗布されており、解像度の向上を図っています。

「ONFウーファー」は、軽量・高剛性でしかも内部損失が大きいという特徴を持っていますが、この「紅花墨」を塗布ことで、さらに振動の伝播速度が速くなり、弾性が高まり、SN比も向上したのです。

これにより力強く低重心でありながら、レスポンス良く立ち上がる低音再生が実現でき、生演奏の迫力、演奏者や会場の空気感を再現できたのです。

また、ツィーター部は、オンキヨー初のリング型の口径2.5cmマグネシウム振動板を使用した新開発コンプレッションドライバーを採用。

“セプター”シリーズの特徴でもあるホーンを組み合わせていますが、今回新たに開発したアルミ合金のスーパー楕円形状のホーンを採用した「コンプレッションドライバー・ホーンツィーター」を搭載しています。

リング型の振動板を採用したことで、e-ONKYOなどで同社お得意のハイレゾ音源を難なく再生し、大型ホーンでは異例な、スペック上は50kHzまでの超高域再生が可能となっています。

リング型振動板は、通常使われるドーム型に比べ20kHz以上での周波数のアバレが少なく滑らかに伸びているとのことで、これにより自然な音の広がりを実現して、明瞭で自然な高域再生を実現できたのです。

キャビネットには板厚42mm(最大)の高剛性MDF材を使用し、サイドバッフルが曲面仕上げされており、音の回折と定在波を抑制するとともに、内部にも彫り構造を施すことによって、内部定在波を低減し、さらに低域を増強する「Resonance Sculpting Control」テクノロジーを採用しています。これにより低域から高域までクリアな音場感を実現します。

2ウェイ故に重要な3kHzでのクロスのネットワークは、電流面を一致させた素子マウント構造を採用したネットワーク回路とし、独Mundorf社製コンデンサーを使用して徹底的に音質にこだわっています。

そして別売の専用スタンド「AS-3」も非常にユニークな構造をとっています。単純な剛性重視の構造ではなく、I字型のポールを適度な弾性を持つS字型の板バネが補助し、スピーカーの動作に伴う不要な振動を、台座のスパイクを介して床に逃がす仕組みだそうです。これによりスタンドの存在を感じさせず、『SC-3』を自由に自然な音色で鳴らすことができるのです。

試聴しました


さて、試聴は11月に行われた「オーディオセッション」のオンキヨーブースで聴きました。まず第1印象は、ホーン臭さの全くないナチュラルで上品なサウンドということです。

しかし、上品というと大人しい穏やかなサウンドと捉えられるかも知れませんが、低域は小気味よく量こそさほど多くないものの解像度が高くコリッとしており、音質的にもホーンツイーターとの繋がりは自然で、形から来るイメージとは全く違っていました。

さらにジャズではホーンならではの押し出し感もあり、音が飛び出てくる感覚はドーム型のツイーターでは味わえない爽快感です。ピアノのアタックは大音量でも破綻することはなく、演奏者の意気込みまで伝わるようなリアル感でした。

ボーカルでも決して口が大きくなることはなく、自然体のボーカルが楽しめました。ハイレゾ音源も聴かせてもらいましたが、これが2ウェイかと我が耳を疑いました。それ程に自然に難なく鳴らし切ったのです。

最後に

オンキヨーが久々に放つ“セプター”。輸入スピーカーに席巻された感のある日本のハイエンドオーディオ市場に、伝統と最新技術を融合させた国産スピーカーが登場したことに、オーディオの新しい時代、国産オーディオの復活を期待したいと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)


パス・ラボラトリーの本格派据置ヘッドホンアンプ「HPA-1」をご案内します。

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みな様、こんにちは。

今年は『年賀状は11月末に作ったから余裕だぜ!』と言いつつ出し忘れていたとうふです。
郵便局の人が困るので、皆様年賀状はお早めにお出し下さいませ。。。

さぁもういくつ寝るとお正月、2017年の近づく足音が聞こえてくるようです。
年末年始の休暇の間に見る、映像ソフトのご用意は大丈夫でしょうか?
※映像ソフトもいつでも安いJoshin Webの特設ページはこちらより

さて、今回ご案内の製品はこちら

パス
A級動作ヘッドホンアンプ
HPA-1

米国のハイエンドオーディオメーカー「パス・ラボラトリー」から現在のヘッドホン環境に対する回答とも言える、ヘッドホンアンプです。

昨今は音源がPC、またはデジタルオーディオプレーヤーからのデジタル接続等の環境が多く、アナログ接続よりもデジタル接続が良く見受けられます。
(時代の流れとも言えるのでしょう。)
しかしこのHPA-1、まるで「デジタル入力は邪魔だ」とも言わんばかりのアナログ入力(×2)という実に男らしい仕様。
更にリモコンすらありません。
まぁヘッドホンアンプなわけですから、「手元で操作出来れば良いだろう」という思考なのかもしれません。
端子もノイトリック社の業務用端子(ロック機構付き)
アンプ回路はフルディスクリート回路で構成のA級のシングルエンドアンプ。
※ちなみに試聴前に暖気のためしばらく通電しましたがそれほど熱くはなりませんでした。

と、言うわけで今回、早速試聴機をお借りすることが出来たのでとうふ視点でのレビューを行います。
なお貸出期間が非常に短かったため今回はプリアンプ機能のチェックまでには至りませんでした。。。

試聴環境は下記の通り
○プレーヤー
Astell&Kern社のデジタルオーディオプレーヤー【AK70】
※ラインアウトにて使用

○ヘッドホン
Sennheiserのヘッドホン【HD-25】

~感想~

楽曲はQueenのWe Will Rock You(グレイテスト・ヒッツより)をチョイス。
冒頭の床を踏み鳴らす音が団子にならず、細やかに力強くズンズン耳に届きます。
未だかつてこの低域をここまでパワフルに、躍動感高く表現してきたヘッドホンアンプは無かったのではないでしょうか。

ヴォーカルも伸びと張りがあり、生々しく迫る表現。
汗臭さを感じさせるような絶妙な距離感が耳にして楽しいです。
パスらしいパワー感と、音キレが良く滑らかに繋がる音で、スピーカーで聴くのとはまた異なる表情を楽しめました。

ヘッドホンアンプとしてはかなり高額な部類となりますが、このHPA-1は
・ヘッドホンユーザーで既存のアンプではもう満足のいかない方
・ヘッドホンを敬遠している据置オーディオマニアの方
にも是非一度は聴いてもらいたい、とうふイチオシのお薦め据置ヘッドホンアンプです。

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

カルダスの新エントリーケーブル「Iridium(イリジウム)」をご紹介します。

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ハイエンドオーディオブログをご覧のみな様、
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、本年2017年は酉年。。。
本年は朝を告げる鶏のように皆様に良い情報をもっとお伝えできるよう、なお一層がんばってまいります。

と言うわけで、今回ご案内の製品はこちら。

カルダス
インターコネクトケーブル
Iridium


米国・カルダス・オーディオ社の新製品エントリークラスケーブルの「Iridium(イリジウム)」シリーズです。

このイリジウムは、エントリーモデルながらもカルダス独自の基礎理論を全て凝縮したハイ・コストパフォーマンスケーブル「300B Microtwin」の後継モデルとなります。
「300B Microtwin」はかなり有名なケーブルなので、「聴かれた」もしくは「お持ち」の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
調べてみると「300B Microtwin」は1993年10月ごろから発売されていた(代理店回答)という20年以上も最前線で売れ続けていた脅威のロングラン・ヒットのケーブル。
それほどの人気を誇ったケーブル、その後継モデルとあっては、気にならないはずがありませんね!

なお、カルダス独自の基礎理論としてあげられるのが
1)黄金比マルチゲージ構造
・カルダスの特許技術で、黄金比(約1.618:1)をマルチゲージの線径に応用し、ケーブル内に発生する共振を有効的に排除する構造です。
・この構造により安定したQ(振動の状態を現す無次元数)を常に一定に保ち、信号電流の速度を周波数に関係なく同一にすることで、位相の整合を実現します。
2)カルダスクロス
・カルダス独自のクロスフィールド構成で、多層構造の各導体を一層毎に90度で交差させる編成です。その効果として、インダクタンス(電磁誘導係数)の内部上昇をさらに縮小させることが可能となります。
などに代表される構造、そして高品位な素材が挙げられます。

カルダスの基礎理論はもちろん、そこに最新の技術と素材が加わり、更なる進化を遂げたケーブル。これは聴くしかないでしょう!
と言うわけで今回はインターコネクトケーブルをメーカーよりお借りし、試聴してみました。

今回は試聴楽曲をジャンルを色々変えて聴いてみました。
①まずは前回同様QueenのWe Will Rock You(グレイテスト・ヒッツより)
音の粒立ちが細やかで、スピード感と音キレが心地よく耳に入ってきます。
コッテリとした表情というよりは、すっきりとやや潤いのある表情で特にヴォーカルの艶気が独特の存在感を放ちます。

②久石譲のSummer~菊次郎の夏~(THE BEST OF CINEMA MUSICより)
音キレが良いので、ピアノの打鍵の強弱が非常に良く現れます。
シンと静まり返る会場の空気感が伝わるような緊張度があります。

③はじめてのチュウ(ラスマス・フェイバー・プレゼンツ・プラチナ・ジャズ~アニメ・スタンダード Vol.2~より)
楽音と声楽の分離が素晴らしく、ヴォーカルと楽器が混じらず適度な距離感で質感高く楽しめました。
潤いのある表現は楽音、声楽共に存在感が増し、音への没入度が増したように感じます。

今まで何種類かカルダスのインターコネクトケーブルは聴いてきましたが、今回のイリジウムは今までに無い"身近な"絶妙の距離感を感じることが出来ました。
以前までのある種"孤高の冷たさ"を感じた表現が緩和され、耳馴染みの良い表情が加わったことにより、より音楽の世界に浸れるでしょう。

特にジャンルを選ぶ傾向ではありませんが、艶気と"音の距離感”から女性のジャズ・ヴォーカルは是非聴いていただきたいですし、音キレ・レスポンスがよいのでメタルが意外と好印象でした。

カルダスのハイエンドモデルのケーブルに通じる音キレと分離感は持ちつつも、耳馴染みよく楽しめるイリジウムは価格以上に"おいしい"ケーブルとしてお薦めです。

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

【シアタースピーカーの力作!】パイオニアのホームシアターシステム『FS-EB70』のご紹介です!

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ボーダー

ブログを書くのは、かなり久しぶり。ボーダーです。こんにちわ。


2017年最初のブログは、パイオニアのシアターバー『FS-EB70』をご紹介します。


パイオニア
ホームシアターシステム
FS-EB70

【商品概要】

『FS-EB70』は、スリムタイプのセンターアンプとバースピーカー、そしてサブウーファーがワンセットになったモデルです。

最近では、当然のように「4K対応」が搭載されていますが、FS-EB70も、もちろん対応。すべてのHDMI端子が、4Kの著作権保護技術「HDCP2.2」に対応しています。


このFS-EB70の最も大きな特徴は、バースピーカー部分に『ドルビーイネーブルドスピーカー』が内蔵されている点です。

これにより、最新のサラウンドフォーマット「Dolby Atmos」と「DTS:X」のコンテンツを最大限に楽しむことを可能にしています。


一般的なシアターバーシステムに、元からドルビーイネーブルドスピーカー。

AVアンプと単品スピーカーを組み合わせて構築する”リアル5.1chシステム”ではドルビーイネーブルドスピーカーは別途追加、、、というのが常ですので、バースピーカーで標準搭載するというのは、かなり画期的ですよね。

もちろん、フロントスピーカー部分とセンタースピーカー部分にプラスして…ということですので、サウンド的には非常に臨場感が生まれることが予想されます。


またホームシアター界隈では、すっかり浸透したその「Dolby Atmos」についても、FS-EB70は少し違う切り口で対応。

Dolby Atmosは、天井からの反射音を利用するため、指向性の高い音は天井からの反射音、指向性の低い音は直接音として聴こえるそうで、それらが位相ずれを発生させ、聴感上違和感に繋がるそうです。

そこで、FS-EB70では『Reflex Optimizer』により、それらのずれを補正し、Dolby AtmosやDTS:Xのサラウンドを最大限楽しめるように調整。

最新のサラウンドフォーマットをばっちり楽しめるように、注力されていますね。


そして、筐体サイズですが、バースピーカー部分は高さが5.3cmと非常に低く設計されています。

センターレシーバー部分も高さ約7cm、奥行き30cmとかなりコンパクトに設計されており、多機能でありながら、サイズはコンパクトにまとめられていることにも注目しないといけませんね。


正直、シアタバーシステムの現在のラインナップで、かなり力の篭ったモデルといっても過言ではないでしょう。

シアターバーをご検討中のお客様は、ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。


この他、ハイエンドオーディオブログでは、さまざまな機種を取り上げ、日々、記事を綴っております。こちらもあわせて、ご一読ください。


アキュフェーズからプリメインアンプ“E-200シリーズ”最新鋭機『E-270』登場!

ハイレゾ時代のスピーカー『 クリプトン KX-1 』登場!

【スクランブルテスト!】アクロリンクのケーブルを聴いてみた。


それでは、いつもお買い得なJoshin webでお待ちしております。

PCオーディオに再チャレンジ!!『音質改善アイテム』で見違える様なサウンドに!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、英国iFIオーディオ製品の『PCオーディオ音質改善アイテム』を中心にご紹介し、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。また、以前取り上げた製品で筆者がすでに手放せなくなっている『音質改善アイテム』も同時にご紹介します。


初心に返って、“PCオーディオ”に!

最近のオーディオの話題は、何と言っても“ブラックディスク”いわゆるアナログレコード再生であり、デジタル音源再生、特に“PCオーディオ”が、話題に上りにくくなっている気がするのは筆者だけではないと思います。

確かにアナログの音は素晴らしいのですが、本当に良い音を出すには、プレーヤーのグレードはもちろん、プレーヤー操作に関するノウハウや経験が必要なのも事実です。

また、プレーヤーなら何でもいいかと言うと決してそんなことはありませんし、現時点で一からアナログ環境を構築するのは、費用の面でも、メンテナンス用のアクセサリー類を含め、選択する製品数の面からも、昔に比べかなりハードルが高いと言わざるを得ません。

一方、CDプレーヤーも次第に選択肢が狭まってきており、ハイエンド・クラスのSACD/CDプレーヤーか、ローコストなCD再生のみの入門機に完全に二極分化してしまっています。

それが証拠にパイオニアは10万円を切ったSACD/CDプレーヤーの生産をついに止めてしまい、ティアックも2万円前後のビギナー層に人気であったCDプレーヤーの生産を中止してしまいました。

さらに、鳴り物入りで今年(2016年)に入って続々と新製品が発売された「ネットワークプレーヤー」も、一部のマニアックには受け入れられているとはいえ、なかなか市場の流れを変える程には至っていません。

それはやはりNASの導入やWiFi環境の構築が必要で、アナログで育ってきた純粋なオーディオファンには、ちょっと荷が重いのではないかとも思います。

筆者を含め、「オーディオを純粋に楽しみたいだけなのに、何で・・・」と言う疑問がついつい湧いてきてしまうのでしょう。

そこでもう一度初心に返って、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。すでにUSB-DACをお持ちなら、僅かな出費、あるいはそれ相応の出費で、見違える様なサウンドを手にすることができます。

恐らく今まで何を聴いていたのか?と疑問になることと思います。今回は、そんな“PCオーディオ”に絞った『音質改善アイテム』をご紹介して参ります。

もちろん“PCオーディオ”の黎明期に購入され、スペック的には決して最先端とは言えないUSB-DACをお持ちでも十分に効果が発揮できます。ご安心下さい。

それは初期の製品ほど、デジタルノイズを盛大に出しっ放しであったり、ノイズ対策がほとんど行われたなかったり、そもそもオーディオ経験の乏しいパソコン関連メーカーの製品などは、デジタルノイズという認識(※)さえ持っていなかったと思います。(※パソコンの世界では、‘できる/できない’、‘早い/遅い’だけが問題で、‘良い音で’という認識は当時ほとんど存在しなかったのではないかと、筆者には思えてなりません。)

そんな今なら笑い話にもなりそうな“PCオーディオ”の世界ですが、スペック競争が一段落した最近になって、デジタルノイズ対策に関するノウハウを注入したオーディオアクセサリーが、『音質改善アイテム』として次々登場してきています。

今回は、英国iFIオーディオの製品を中心に、“PCオーディオ”への再チャレンジをご提案させていただきます。

“PCオーディオ”『音質改善アイテム』をご紹介!

“PCオーディオ”で使われるパソコンから出るノイズは、我々の常識を遙かに超えるレベルであり、それがUSBケーブルを経由してUSB-DACに入力されますが、そのUSB-DACもほとんどがバスパワーであったり、ACアダプターを電源としています。

特にACアダプターには効率優先のスイッチング電源が採用され、そこから出てくるデジタルノイズに常に曝されているのが実情です。今回の『音質改善アイテム』は、これらデジタルノイズの対策アイテムのご紹介です。

まずはUSBケーブル対策です。前述のようにパソコンが発する盛大なノイズがUSBケーブルを通じてUSB-DACに流れ込んでしまうのですが、この問題にiFIオーディオは早くから着目し、数々の対策アイテムを開発しています。

iFIオーディオの基本的な考え方は、ノイズ信号と同一の信号を正反対の位相で発生させることで、あらゆるノイズを積極的に打ち消す「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」、USB信号の再クロック(REclock)と再生成(REgenerate)、そしてDCオフセット(周囲の影響で直流成分が加わり、電気的な中心が0Vからずれてしまう現象)の除去による再バランス化(REbalance)を行うと言うもので、同社の全製品に共通で採用されています。

①iFIオーディオ『iPurifier2TYPEB』『iPurifier2TYPEA』(Purifier=清浄装置)
USB-DACの入力に直接接続し、PCから流れ込むノイズを除去する製品で、一般的な入力はB Typeですが、A Typeも用意されています。USB-DACとUSBケーブルの間に使うことで、非常に効果は大きく、デジタル特有のザワザワ感が払拭され、広々とした空間感が再現されます。

②iFIオーディオ『nano iUSB 3.0』『micro iUSB 3.0
USB経由のノイズ除去に加え、バスパワー(USBから電源供給)方式のUSB-DACに有効な電源の改善も目指した製品で、音声信号とバスパワーのデュアル出力が可能です。上級機の『micro iUSB 3.0』は、2系統のデュアル出力ポートをもち、USB-DAC以外にも音源を保存している外部ハードディスクなどにも使用できます。ノイズの混入が大幅に改善されます。デュアル出力ポートを生かすには同社のUSBケーブル『GEMINI』やアコースティックリバイブの『USB-1.0SP-TripleC』などの信号ラインと電源ラインを分離したUSBケーブルと組み合わせることで、さらなる高品位伝送が可能です。

③iFIオーディオ 『iPurifier DC』『iPower
多くのUSB-DACに使われているACアダプターは、そのほとんどにスイッチング電源が使われていますが、それらは元来オーディオ機器に使用されることを前提としていないため、ノイズ対策は全く行われていません。『iPurifier DC』は、スイッチング電源が使われているACアダプターに接続することで劇的にノイズを減らします。さらに5V/9V/12V/15Vの4種類のDC電圧にそれぞれ対応する4つのバリーエーションがあるACアダプター『iPower』もあります。これらは、「アクティブ・ノイズ・キャンセレーション」を採用することで、同社比で従来のACアダプターより10倍静かになったと言います。各種の端子交換アダプターを同梱し、径の違う端子にも対応しています。

これらiFIオーディオのアクセサリー群は、どれもがその技術に対する裏づけが明確で、確実に音質向上が可能です。しかも比較的リーズナブルで、手軽に導入できるアイテムです。そして、最後に筆者二押しの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』2アイテムもご紹介します。試聴した結果、手放せなくなってしまい購入に至ったアイテムです。

④アコースティックリバイブ/ファインメット・マルチノイズサプレッサー『 FNS-RCA』『 FNS-XLR

機器とケーブル間に挿入して高周波のノイズを除去する信号浄化器です。
オス・メス同士をPC-TripleCの楕円単線のジャンパー線で連結し、そのジャンパー線が信号浄化器であるハイテク磁性材料の「ファインメット」内を通過する構造になっています。USB-DACの出力とラインケーブル(RCA or XLR)の間に挿入します。従来のオーディオアクセサリーの概念を打ち破るような、インパクトのある音質改善を実現します。
参照ブログ: http://blog.joshinweb.jp/hiend/2015/05/post-7ec4.html

⑤ アイテック『Λ(ラムダ)8.24 for Digital
オーディオリスニングにとって最も重要な“静電気や磁界”からの「絶縁対策」を目指した製品で、熟練工が一個一個削り出して製品化しています。ノートパソコンの下が最も効果的で、パソコン内で発生しサウンドを汚していた静電気や電磁波が取り除かれることによってS/Nが良くなり、劇的に静かになり、透明度が向上し、従来ノイズに埋もれていた余韻が再現されます。装着した瞬間、透明度が格段にアップし、低音は弾み出しグッと超低音が伸びます。混濁感が全くなく分解能は大幅にアップして再現されます。
参照ブログ: http://blog.joshinweb.jp/hiend/2016/09/aitec824-for-di-a29d.html

最後に
ご紹介しました“PCオーディオ”『音質改善アイテム』は、いずれか1アイテムでも必ず効果を発揮しますが、さらにアイテム加えて行くことで確実に音質は改善していきます。

これらの“PCオーディオ”『音質改善アイテム』を導入して、PCオーディオのさらなる可能性を目指し、“PCオーディオ”に再チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

※ご注意:ご紹介したオーディオアクセサリーをお使いになることで、音質が悪化することはありませんが、改善度合いには、ご使用機器や環境、お聴きになる方の感覚や要求度によって差がありますので、予めご了承下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

オーディオテクニカがVM型カートリッジのラインナップを一新! 一挙12機種登場!!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、オーディオテクニカが発表したVM型カートリッジの新製品12機種(カートリッジ9機種、シェル付きモデル3機種)の中から、『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

また、“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を試聴することができましたのでレポートして参ります。


VM型カートリッジを一新した2つの理由

今回、オーディオテクニカがVM型カートリッジを一新したのには2つの理由があるようです。

その一つは同社のHPにもあるように、「近年、アナログレコードの人気が世界的に高まり、国際レコード産業連盟発表のデータによれば2014年のアナログレコードの売上は世界で3億4680万ドル(前年比50%増)にまで達しました。日本市場におきましてもアナログレコード売上はアメリカ・ドイツ・イギリスに次ぐ4位と、大きな市場へと成長しつつあります。」ということ。もう一つの理由は、従来同社がカートリッジ・コイルに線材として使用していた「PCOCC」の生産が中止されたことにあるようです。

そして今回の音質上の狙いは、従来機にも増して高い解像度を保ちながらも、中低域のボリューム感をアップさせることを目指したとのことです。

VM型カートリッジはとは


VM型カートリッジは、オーディオテクニカが特許をもつカートリッジ構造で、発電方式は大きな意味でMM(ムービング・マグネット)型に属するのですが、MM型がマグネットが1個なのに対して、VM型では左右チャンネルごとに独立した2本のマグネット振動子をV字状に配置(デュアルマグネット)することで振動系の性能を高め、レコードに音溝を刻み込む際のカッターヘッドと相似の理想的な動作を実現できたのです。また、左右の発電系をセンター・シールドプレートでセパレートにして、電気的なクロストークも(40dB以下に)減らすことができました。

この独自の構造にすることで、シュアー(米)とエラック(旧西独)が持つMM型の特許から逃れられました。その結果、世界中でオーディオテクニカはカートリッジを販売でき、世界最大のカートリッジ・メーカーと言われるまで事業が拡大できたのです。

オーディオテクニカの歴史

それでは、ここでオーディオテクニカの歴史について少し触れてみたいと思います。

株式会社オーディオテクニカの創立は1962年(昭和37年)で、MM型カートリッジAT-1,AT-3を発売、同時に国内音響メーカーへのステレオカートリッジのOEM供給も開始しました。

翌年には高級MM型カートリッジAT-5や軽針圧トーンアームAT-1001を発売し、さらにNHKなどに業務用MC型カートリッジやトーンアームの納品も始めました。1967年には独自の特許VM型カートリッジ AT-35Xを発売し、1969年には有名な「AT-VM3」、翌年「AT-VM35」を発売し、VM型カートリッジとしてスイスに続きカナダ、英国及び米国、そして1974年には西独でも特許が成立したのです。

そして、1975年から76年にかけては、国内のカートリッジ市場を席巻したマグネシウム合金シェル付きカートリッジ AT-15Sa/G、AT-15E/G、AT-14Sa/G、AT14E/G、さらにAT-15Ea/G、AT-14Ea/G、AT-13E/G、AT12E/Gを発売したのでした。

当時、私は日本橋1ばん館のカートリッジ担当をしており、MM型では前述のシュアー、エラック、そしてエンパイア等の外国勢を抑えて、オーディオテクニカ製のVM型カートリッジを数多く販売したのをはっきり記憶しています。

その後、このVM型シリーズは、1979年には3桁ナンバーの“AT-100シリーズ”となり、以後CDがメインソフトとなってからも生産が続けられたのです。

VM型シリーズ新製品が続々登場!

このシリーズには「AT-150EG」系とAT-140,120,100などの「AT-140EG」系があり、これらはカートリッジ本体(交換針以外のボディ部分)が、ダイキャスト・アルミ合金か樹脂製かに大別されていました。

今回発売された12機種の内、「AT-150EG」系が“VM700シリーズ”、「AT-140EG」系が“VM500シリーズ”に当たります。形状はオリジナルと同じですが、今回はモノラル専用(発電部分もモノ専用構造)の“VM600シリーズ”として、「VM610MONO」「VM670SP」も追加されています。

この新製品の中から、今回は『オーディオ銘機賞2017』の銅賞受賞モデル“VM700シリーズ”を取り上げます。

“VM700シリーズ”には、スタイラスにラインコンタクト針を採用した最上級機「VM760SLC」、シバタ針を採用した「VM750SH」、そしてマイクロリニア針採用の「VM740ML」があり、ボディ部分は同一で、交換針にも互換性があります。カンチレバーはいずれも軽量化を図ったアルミニウムテーパーパイプを採用。コイルには6N-OFCが使われています。

「VM750SH」を試聴しました

今回は“VM700シリーズ”の中間に位置する「VM750SH」を聴く機会を得ましたのでレポートして参ります。正直、私は普段DENONやオルトフォンのMCを中心にアナログ・レコードを楽しんでおり、久々のMM(VM)型カートリッジの試聴となりました。

アナログ全盛時代には私も、シュアー「V15Type3」「同Type5」をはじめ、テクニクス「EPC-205C II」「同100C」やエラック「STS-455E」「同555E」そして今回の“VM700シリーズ”のオリジナルでもある「AT-15Ea/G」「AT-150Ea/G」など針交換が可能なことからMM型を中心に使用していました。

当時のMC型、特にオルトフォンタイプの低出力MCをS/Nを確保して鳴らすのは、かなりハードルが高く、どうしてもMM型を選択せざるを得なかったのも事実です。

MM型カートリッジでも、その音質は、それぞれメーカーによる違いは大きかったのですが、MC型の中低域の厚みと温かさに比べ、MM型は少々低域の量感は後退するものの、立ち上がりが良く、クリアな音で、当時主に聴いていたジャズやポップス系では十分再現できていたのですが、正直、密度感やボーカルの滑らかさなどはMC型に一日の長がありました。

そのイメージで「VM750SH」をSME3009トーンアーム付きのトーレンスのプレーヤーに装着し試聴を開始しました。

明らかに過去のMM型とは違う厚みが、低域はもちろん高域にも感じました。情報量も豊かで、細かなニュアンスまで再現できたことには少々驚かされました。

もちろんMM型の特徴でもある立ち上がりが良く、高解像度でキレの良いサウンドは十分維持した上でのことです。さらに本機には従来MM型にしばしば感じた硬質感もなく、大音量でも分解能が低下することはありませんでした。力強くダイナミックなサウンドで、明るく楽しく聴け、アナログの良さである“突き抜ける感じ”を十分味わうことができました。

特筆したいのは左右のセパレーションの良さで、立体感、実在感は従来のアナログの域を超えており、これはVM型のメリットだと思います。この安定したサウンドは、本機が従来機の推奨針圧1.4gに対して、2.0gと設定していることも貢献しているのではないでしょうか。

ひたすら軽針圧を有り難がったアナログ全盛期の反省に立ったものかも知れません。やはりレコードの音溝にグイッと針を食い込ませることで、情報を拾い切れるのではないかと思います。

そして何より、MC型と違って針交換のできるメリットを忘れてはなりません。今回の新製品では、7種類の針と3種類のボディを用意することで、グレードアップやお好みのコンビネーションのカスタマイズが可能となったのです。

最後に

ヘッドホンユーザーが音楽のジャンルやシチュエーションによって製品を使い分けるように、カートリッジユーザーの方にもお好みに合わせて音質の違いを楽しんでいただきたいというカートリッジメーカー、オーディオテクニカならではの想いがあるのでしょう。

ぜひ、もう一度アナログにチャレンジしようとお考えのリターナーの方、久々にMC型とは違うMM型の良さを味わいたいベテランのオーディオファンの方に、ご予算やお好みに応じて9機種のカートリッジの中からご自身のニーズにマッチしたVM型カートリッジをお選び下さい。使い易さやそのパフォーマンス、そしてC/Pの面でも自信を持ってお勧めします。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

JBLより創立70周年を記念して!あのスタジオモニター「4312」がスペシャルエディション『4312SE』として限定発売!!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、JBLより創立70周年を記念して、国内500セット限定で販売されるスタジオモニター『4312SE』をご紹介します。

「4312」シリーズの伝統を継承しつつ、オールマイティな「4312」に進化した、JBLの70年にわたる歴史と真価を存分に堪能できるスペシャルエディションです。


超々ロングセラーの「4300」シリーズ

「4312」と言えば超ロングセラーの3Wayブックシェルフ型スタジオモニターですが、その原型は1971年頃に登場した「4310」です。当時JBLは録音スタジオにおけるモニタースピーカーのシェアが No.1となり、その牽引力となったのが「4300」シリーズでした。

「4300」シリーズには「4310」の他に、2Wayフロア型の「4320」、ツイーターに「2405」を搭載して3Wayとした「4333」、そしてその後、日本でも空前の大ヒットとなった4Way「4343」(※)など、時代が要求する音楽の変化によりその完成度を高め、スタジオのみならず、家庭用としても注目を集めていきました。(※国内累計約20,000セットのセールスを記録)

その後「4310」は1973年頃には「4311」となり、「4311A」(1976年頃)、「4311B」(1979)、そして1982年に後継の「4312」となり、以後「4312A」(1986)、「4312XP」(1990)、「4312MKⅡ」(1996)、「4312BMKⅡ」(1999)、「4312SX」(2000)、「4312D」(2004)、そして現行品である「4312E」(2010)に至るまで、超々ロングセラーを続けています。

日本ではスタジオモニターに対する異常な程の憧れがあって、1970年代、「4311」が超ベストセラーとなりましたが、米国では「4311」の家庭用モデルとなる「L100」が、10年以上にわたり大ヒットを記録したのでした。プロ市場で培われたテクノロジーを家庭用モデルに反映するという現在のJBLの手法は、この時代から行われてきたのです。

私自身も学生時代、大阪 日本橋のとあるオーディオ専門店で聴いた「4311」のデイブ・ブルーベックの「Take Five」の鳴りっぷりの良いサウンドに衝撃を受け、夏休みのアルバイト代をすべてつぎ込んで手に入れました。

その後、当時大阪 日本橋にあった上新電機のオーディオショップ「上新オーディオ南店」で聴いた「4320」にまたもや衝撃を受け(とても学生の分際では手が届きませんでしたが)、それがその後の自分が目指す《目標のサウンド》ともなったのでした。

当時、レコーディングモニターにこの「4320」を使い、東芝EMIからプロユース・シリーズとして発売されていたLPレコードがあり、その録音ミキサーであった行方洋一(なめかたよういち)氏のサウンドにも大いに傾倒したものでした。

「4310」を継承した『4312SE』

さて、話を『4312SE』に戻します。JBLの輸入元であるハーマンインターナショナルは、9月末に開催された東京インターナショナルオーディオショウには出展しなかったため、『4312SE』は参考出展ではありましたが、11月の大阪ハイエンドオーディオショウが初のお披露目となったのでした。

前述のように『4312SE』は、1970年代初期にデビューした「4310」のデザインを継承し、最新スタジオモニタースピーカーとして求められる音響性能を追求したスペシャルエディションとして開発されました。

低域ユニットには、上級機に当たるミドルサイズのスタジオモニターである「4429」に搭載されている、JBL 史上最強の12 インチ(300mm)径ユニットとも言われる「1200FE-8」を採用。

ただし、そこは「4312」シリーズ伝統のホワイトコーン仕様とした専用バージョンとしています。NOMEXデュアルダンパー、アクアプラスを塗布したケブラーコンポジット・パルプコーンによるストレートコーンを、大口径フェライトマグネットと大容量銅スリーブを用いた新SFG磁気回路で強力にドライブしています。大口径ウーファーならではの力強いエネルギー感と高解像度を実現できたと言います。

中域ユニットには、5インチ(125mm)径パルプコーン・ミッドレンジ“105H-1”を採用。コーン紙裏面外周部にダンピングを施し、歪を抑え、軽量パルプコーンを採用することで、音の明瞭度を高め、鮮明でナチュラルなボーカルの再生を可能としたのです。また、軽量なアコーディオン・クロスエッジの採用により、明るく明瞭なJBLモニターサウンドを継承しています。


高域ユニットには、1インチ(25mm)径アルミ・マグネシウム合金ドームツイーター“054AI-Mg”を採用。アルミ・マグネシウム合金ダイアフラムにシルク素材を用いた軽量なハーフロール・クロスエッジを組み合わせることにより、超高域までの音のスムーズな伸びと高い透明感を実現しています。

ボイスコイルには、CCAW(コッパークラッド・アルミワイヤー)ボイスコイルを採用することで振動系を軽量化し、高域特性40kHzを実現し、ハイレゾ・ソフトにも対応したのです。さらに、ネットワーク回路もブラッシュアップされています。「4312」シリーズは伝統的にウーファーをフルレンジ使いしてきました。


今回は敢えてフルレンジ接続をやめ、ウーファーにローパスフィルターを追加した、一般的な3Wayネットワークに変更することで、モニター本来の高純度で粒立ちの良い音質を目指したのです。

ウーファーとミッドレンジとのクロスオーバー周波数は、「4312E」の2kHzと5kHzに対して、本機は640Hzと5kHzとし、低域のクロスを聴感上敏感な周波数帯域より低い帯域にすることで、位相の変化による違和感も低減させたのです。

出力音圧レベルは「4312E」が93dBに対して、本機は90dBと一般的な値になっています。インピーダンスは変わらず6Ωです。外形寸法(362W×597H×298Dmm)は「4312E」と全く同じですが、質量は18.1kgから25.2kgになり、エンクロージャーも強化されているようです

オールマイティな「4312」に進化!

音質については、大阪ハイエンドオーディオショウで本番前の参考出展された製品を少し聴いただけですので、詳しくは書けませんが、その音質にはかなり従来機との違いを感じました。いい意味でのハイエンド機器としての充実したサウンドと感じました。

オーソドックスなネットワークが効いているのか、鳴りっぷりの良いサウンドながら各ユニットのつながりが非常に良く、あたかもフルレンジが鳴っているかのようでした。従来機に比べエンクロージャーの鳴きが少ないためか、非常にS/Nの良いサウンドで、音像は従来機にも増してモニターらしいリアルさで、立ち上がりの素晴らしい活き活きしたものでした。

特に低域はウーファーの違いが大きく効いており、非常に躍動感のある、クリアで解像度の高い生々しさを実現し、特に低音弦楽器はその質感まで十分再現できていました。

また、従来あまり得意だとは言えなかったボーカルや声楽も十分楽しめるオールマイティな「4312」に進化を遂げ、非常に魅力的で鳴らし易い『4312SE』の完成をみたのです。

最後に

「4312」シリーズ伝統のホワイトコーンのデザインを継承しつつ、ウーファーを強力にすることで、さらに表現力を高め、アンプを選ばないドライブのし易さはそのままで、JBLファンはもちろん、まじめで味気ないサウンドのスピーカーにご不満をお持ちの方、さらには、‘いずれはJBL’とお考えだった方にも、自信を持ってお勧めします。

『4312SE』は、JBLの70年にわたる歴史と真価を存分に堪能できるスペシャルエディションです。日本国内では500セットの限定販売となります。お早めにご決断下さい。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

【縁の下の力持ち】ifi-Audio高音質電源アダプタ「iPower」のご案内です。

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みな様こんにちは!

11月ももう、半ばを過ぎて2016年ももうあと1月半、そろそろ『年賀状の準備』という言葉が頭をちらつく”とうふ”です。
プリンター年賀状ソフトのお買い得な、Joshin Webをどうぞよろしくお願いします。

さて今回ご案内の製品は小型で高性能なDAC類を多数発表している、ifi-audioから発表された、 オーディオACアダプタのご案内です!

アイファイ・オーディオ
DC電源アダプター
iPowerシリーズ

※5V,9V,12V,15vとのバリエーションがあります。  ご利用の機器電圧に合わせて、適切な電圧の製品をお選び下さいませ。

昨今アダプタ駆動のオーディオ機器がUSB-DACなどを含めて多数あります。。。
が、電源アダプタまで高音質を謳った製品は少ないように感じます。

そんな中、ifi-Audioから発表された高音質電源アダプタ発表後に続々と注文を頂いており、
既にご利用のユーザー様からお喜びの声も多数頂いております!

私、とうふとしてはDACやアンプだけでなく、ネットワークオーディオを導入されている方には
・NAS
・ハブ(orルーター)
の電源にもオススメです。
特にNASの電源は音質にダイレクトに関わってきますので。。。
コストパフォーマンス高く音質向上をねらうのでしたら是非、ご検討下さいませ!
※くれぐれもご利用の機器の規格を確認してお選び下さい。

今月にあった、大阪ハイエンドオーディオショウで輸入代理店の方にうかがいましたが。。。
近日、PC用のアクセサリが2種類発表予定との事!
これからも目が離せない、ifi-Audioですね!

それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。


DENONのUSB-DAC/ヘッドホンアンプ【DA-310USB】を聴いてみました!

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みな様、こんにちは!

グングン気温が下がって毎日が凍えるような日々が続きますね。
みな様も体調を崩されないようにお気をつけくださいませ。
※年始以降家族が次々と風邪でダウンしていく中1人平常運転だったとうふです。

さて、こうも寒くなると家でお鍋をつつきたくもなりますよね。
小さなお子さんのいらっしゃるご家庭では火を出さない、卓上IH調理器などはいかがでしょうか。
そんな卓上IH調理器も豊富でお買い得なJoshin Webをどうぞよろしくお願いいたします。

と、いうわけで今回ご案内の製品は。。。こちら。

デノン
ハイレゾ対応USB-DAC/ヘッドホンアンプ
DA-310USB

昨年デノンから発売となったUSB-DAC/ヘッドホンアンプのDA-310USBです。
このハイエンドブログでも発表直後にご案内させて頂いておりましたが、予想通りというかなんと言うか、初回入荷分は即・完売となりました。
※ご購入頂きましたみな様にはこの場をお借りして深く御礼申し上げます。
ただ、今回はメーカーも数をかなり用意していたようで、そうお待たせする事無く以降のお届けが可能でしたのは幸いでしたね。

そして待っていました試聴機!
年内は全国行脚で忙しかったようで、やっと実機を確認です。

今回はお借りできる期間が長かったので、じっくりたっぷり試聴できましたので、そのレビューをご案内。
そして今回テストに使用した試聴ソフトはこちら!
①もう定番となりつつあるQueenのWe Will Rock You(グレイテスト・ヒッツより)

②セリーヌ・ディオンのMy Heart Will Go On(レッツ・トーク・アバウト・ラヴより)
映画『タイタニック』でも採用された超・有名曲ですね。

③石川綾子の君の知らない物語(ANIME CLASSIC)より。
有名バイオリニストのCDは数あれど、あえて選んだ石川綾子。
アニメの楽曲をクラシックと融合したりとかなり挑戦的なので、今回はこちらをチョイス。

④菊地成孔のオリジナル・サウンドトラック「機動戦士ガンダム サンダーボルト」
ガンダムアニメとJazzの融合、というガンダム好き、そしてオーディオ好きにはたまらないアニメのサウンド・トラック。
映像と音楽の融合も素晴らしく、世界観も含めまさに「大人のガンダム」。
※映像ソフトもオススメですので是非ご検討下さい。

なお、今回の試聴ではPCリッピング音源でそれぞれを試聴しています。

◎ヘッドホンでの感想
①スピード感と反応の良さは流石!と唸らせられました。
まさに同シリーズのPMA-50をヘッドホンで楽しむようです。
一音一音がハッキリ、クッキリで明朗快活な表情でパンチのあるサウンドでした。

②透明度が高く、全体的にキリッとエッジの効いた表現。
抑揚も良く出て、感情の起伏までも感じるようなライヴな表情です。
音との距離感が近く(ヘッドホンだから耳に近いという意味ではなく)、小口径ウーファーを採用した小型スピーカーで聴くかのようなまとまりの良さを感じました。

③この音源は今回のテストでは失敗だったかもしれません。
弦のキレ、音の分離は非常に良好なのですが、スッキリ、アッサリとしすぎて残響感に乏しい結果となってしまいました。
やはりこれまでの傾向から元気のある楽曲のほうが相性がよいのでしょうか?

④曲を選ばず一通り聴いてみました。
DA-310USBが持つスピード感とエネルギー感、反応の良さが最も良く感じれました。
パワフルで小気味良い、リズム感に富んだ楽曲が多いので、とうふ個人的にも組合せにオススメしたい音源です。
サンダーボルトの世界観に浸れる、「大人なガンダム」のひと時でした。

◎USB-DACとしての感想
①ヘッドホンアンプと同じ傾向かな。。。?と一聴して感じるのは耳に好感度の高いスピード感、反応の良さ。
全体的に音が前に迫ってくるようで、反応の良さと相まって非常に快活で若々しい表情に感じます。
しかし少し気になったのは、ヘッドホンで感じたエネルギーが思った以上に出てこず、低域の力感が少し大人しく感じたことでしょうか。

②透明度の高さと、輪郭のハッキリした表現を楽しめます。ヘッドホンアンプと良く似た傾向です。
抑揚も良く出ており、音の”動き”もしっかりと感じれます。
しかし不思議とヘッドホンに比べると音のスケール感が乏しく、音が”狭く”感じてしまいます。

③ヘッドホンではちょっと。。。とうふ的には不満の残る結果でしたがスピーカーでは如何に?
少し不信感を持ちつつ試聴しましたが、思った以上に悪くはありません。
これまでのテストで感じたような「ヘッドホンの方が良かった」ということはなく、全体的にバランスは取れていたように感じます。
が、やはり次のテストで『DA-310USBの本領はやはり元気のあるサウンドだな』と感じさせられたのであった。。。

④ヘッドホンで感じた感動を更にハイレベルに身体で感じることが出来ました。
今回試聴の中でダントツの高評価です。
スピード感とエネルギー感が両立され、パンチ力のある音が身体全体で楽しめます。


~総評~
全体的にはヘッドホン>USB-DACという表現力に感じました。が、それはあくまでとうふ主観です。
トータルバランスを考えると非常にハイレベルに完成されており、ヘッドホンユースにも据置スピーカーユースにもオススメです!※実際あまりオーディオに興味の無い家人には非常に高評価でした。

特に今回試聴した音源の中では④とは非常に相性が良く、スピーカー/ヘッドホン共に今回の試聴の際に最も長く聴いていました。
ぱっと聴きは昨今のUSB-DACにあるような「解像度が高く、キレのある表現力」のように感じますが、じっくり聴くとこの小さなボディからは思えない、熱いエネルギーとデノンらしい粘り強さを感じる表現を楽しめ、耳にして非常に楽しかったです。



とうふ的DA-310USBの5段階評価
空間表現   :★★★ :少々伸びたらなさを感じますが、濃密で楽しいです。『4点』
エネルギー感:★★★★:このボディーからは驚きの躍動感!文句なしの『5点』
サイズ感   :★★  :設置性の高さは好印象。しかしアダプタが地味に困る『3点』
コスパ     :★★★★:この価格でこの表現力!?と驚きました。モチロン『5点』
総合評価   :★★★★:サイズと表現力のバランスのよさは秀逸!当然『5点』


それではいつもお買い得な「Joshin Web」でお待ちしております。

【Joshin webリファレンスシステムのご紹介!】

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ボーダー


最近、ストレス発散に家族に隠れながら動画サイトを眺めています。ボーダーです。こんにちわ。


ヘッドホンやオーディオで自分の好きな音楽を聴くのもいいですが、なぜか最近はぼんやりと動画を漁ってしまう。

そんなヒマがあるなら人生に役立つ本のひとつでも読め!と諸先輩方に怒られてしまいそうですが、仕方ないですね。楽しいですからね。


それに意外と役立つ情報も得られたリするんですよ。と言っても、正真正銘役立つ情報ではなくて、どちらかというと雑学的な感じですが。

最近の話題とか、人気の食べ物とか、流行の音楽とか。

そう、私は単純に見ているのではなく、情報を常に求めているのです。探求心がハンパないのです!


…はい。


さて今回は、いつもの『商品紹介/レビュー』ではなく、最近完成しましたJoshin webの【オーディオリファレンスシステム】について、書いてみようと思います。

これまで、私ボーダーや、「あさやん」「とうふ」が商品レビューをブログで幾度となく書いてきましたが、それらのほとんどは自宅システムで聴いたものや、ジョーシン日本橋一ばん館で聴いた内容でした。

それらの移動時間や、体力を考えて、いっそのことJoshin web内にオーディオシステムを作ってしまおうと。

そして、どうせならガッチリした、まさに『ハイエンド』なシステムを構築しようということになったのです。

「構築する」というか、其の実、各メーカー様からお借りしているのですが…。



こちらがシステムの全貌です。ちょっとスピーカーがはみだしてしまいましたが…。

『おっ!これは!』とお気付きのお客様もいらっしゃるかもしれません…。

それでは、少しずつご紹介。


【音源】

それでは、まず「音源」について。

音源は「あさやん」「とうふ」、そして私ボーダーが普段リファレンスとする音源を使います。

「あさやん」については、これまでもブログでご紹介してきたリヴィングストン・テイラーの「Ink」をはじめとするCDからのリッピング音源やさまざまなハイレゾ音源、「とうふ」についてはポップスからクラシック、ジャズなど幅広い音源(ハイレゾも含みます)、私ボーダーはディアンジェロの「Voodoo」、手嶌葵の「明日への手紙」などのリッピング音源やハイレゾ音源をメインにしています。

もちろん、音源は適宜追加できますので、これだけでなく例えばアニソンやバキバキのEDMなども試すことができるはずです。(個人的にはとても試したい!)

パソコン本体は、ごく一般的なデスクトップパソコンで、後述するUSB-DACから、アンプ、スピーカー…というシステムですね。


【USB DAC】コルグ DS-DAC-10R

DS-DAC-10Rのブログはコチラ

さて、まずは「USB DAC」です。パソコンからの音源をアンプへ受け渡すためのこの部分には、コルグの「DS-DAC-10R」が用意できました。

あさやんがブログに書いている通り、何といってもDSD 5.6MHzへのアップサンプリング機能がとても魅力的なため、まずは彼に足場を支えてもらいましょう、ということですね。

ボリュームノブのライトがサンプリング周波数を視覚的に教えてくれますし、シンプルな筐体で、またRCA端子のL/Rは離れているので、RCAケーブルの取り回しも非常にやりやすいです。

また、今回のリファレンスシステムにレコードプレーヤーはありませんが、フォノイコライザーは専用ソフト「Audio Gate 4」でかけることができるので、今後レコードプレーヤーを取り入れることができた場合にも、重要な役回りになりそうです。

とても頼りになるUSB-DACと思います。


【プリメインアンプ】アキュフェーズ E-370

E-370のブログはコチラ

続いて、システムの大黒柱、「プリメインアンプ」は、アキュフェーズの「E-370」

いやはや、まさかE-370を使うことができるとは!

日本国内でも指折りのオーディオメーカーである『アキュフェーズ』のアンプをリファレンスとして使えるということで、一層気が引き締まりますね。

私自身、毎回リファレンスシステムを触るたびに、気持ちがワクワクせずにはいられません!

その社名のごとく、Accurate『正確な、的確な』 phase『位相』なサウンド…。

音源の真に深いディテールまでをもれなく拾ってリスナーの耳に届ける、音楽制作者が本当に表現したかった音と気持ちと信念を正確に再現する、という、本当にどこまでも美しいサウンドを楽しむことができます。

E-370はアキュフェーズの最高峰インテグレーテッドアンプ「E-600」や「E-470」譲りの高度な設計に加え、様々な創意工夫が施されています。

また、写真を見ればお分かりと思いますが、前面から覗くことができる「パワーメーター」。これが何ともいえない、男心をくすぐる、自宅に置きたくなる所有欲を掻き立てますよね。

その機器の品質の高さだけでなく、そのサウンドが、表情が心を打ち、精神を豊かにさせてくれます。

E-370の電源を入れるたび、毎回のようにワクワクし、そしてそのサウンドに毎回のように感動しているのです。


【スピーカー】クリプトン KX-3PII

リファレンスシステムの音の最終出口、「スピーカー」については、クリプトンの「KX-3PII」

どこかのブログで書いたかもしれません。私の心に刻まれたオーディオメーカーはいくつかありますが、そのひとつがこの「クリプトン」。

とにかく繊細かつ淡麗なサウンド、密閉型で制動の効いた低音域を再生するスピーカーですが、担当「とうふ」も『クリプトンのスピーカーはマジで本当に一度聞いて欲しい!』といつぞや私に力説していたのを思い出します。

今回、リファレンスシステムとして使うことができ、私がいつも聴いているディアンジェロをはじめとする音源をさまざま試してみましたが…。

本当にとにかく繊細!特に高音域から中音域にかけての生々しさ、現実感、鼓膜に直接圧力をかけるようなピシッとした高音域の感触は、心底、驚嘆したのでした。

このシステムを置いている部屋は、惜しくも音響的な対策はほぼ取れていませんが、それでもそのサウンドはとにかく”気高い”のでした。

また、密閉型であることが幸いし、再生時に低音がボワボワする様子は感じられず、絶妙な加減の締まりが効いています。

以前、あさやんが「KX-1」のブログを書いたことがありますね。参考までにご覧ください。

KX-1のブログはコチラ

(…そういえば、最初にシステム全体の音出しを試みた時、「はぁ~…すごい。」「はぁ~…すごいなぁ…。」と気付くと何回も呟いていたワタシ…。)


【ラインケーブル】ゾノトーン 7NAC-Granster 5000α
【スピーカーケーブル】サエク SPC-350

SPC-350のブログはコチラ

最後はリファレンスシステムの血脈、「ラインケーブル」については、ゾノトーンの「7NAC-Granster 5000α」

音声信号を伝えるケーブルにも抜かりはありません。

ゾノトーンの「7NAC-Granster 5000α」については、超高純度7NクラスCuを中心に、HiFC、PCUHDを含めた4種素材を黄金比でハイブリッドした新導体を採用したケーブルで、4芯ハイブリッド構造2重シールド方式を採用しています。

2016年7月に発売され、Gransterシリーズの最上級という位置付けで、エネルギー感、立体感に加え、音楽性、芸術性が加わったケーブルとのことです。


そして、スピーカーケーブルについてはサエクの「SPC-350」

導体にPC-Triple Cを採用したケーブルで、S/Nが高い、クリアでワイドレンジな特性を実現したケーブルとなっています。

1mあたりの単価も非常にお手頃で、発売から2年経つ現在でも非常に人気の高いケーブルであり、あさやんイチオシのスピーカーケーブルでもあります。


…さて、いかがでしょうか。Joshin webに完成したリファレンスオーディオシステムのご紹介でしたが、その1つ1つの機器はまさにハイエンドと思います。

このシステムを使って、今後ケーブル類の試聴、アンプ、スピーカーの試聴を行い、ブログでご紹介していく予定ですので、お楽しみに。


しかし、先程も書きましたが、毎回毎回、電源を入れるたびに本当にワクワクします。

さて、次は何を聴こうかな…。


ハイエンドオーディオブログでは、さまざまな機種を取り上げ、日々、記事を綴っております。こちらもあわせて、ご一読ください。


SPECをご存知?

『SONY』が日本のスピーカーに革命をもたらすか?!

【4種の素材を黄金比でハイブリッド】ゾノトーンのスピーカーケーブル『6NSP-Granster 2200α』 のご紹介です!


それでは、いつもお買い得なJoshin webでお待ちしております。

PCオーディオに再チャレンジ!! Part.2 PCオーディオのグレードを大幅に高める『 最新鋭USB-DAC 』をご紹介!

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
本日は、前回のテーマ『 PCオーディオに再チャレンジ!!』のPart.2として、「PCオーディオ」の再生環境をさらにグレードアップするためのご提案をさせていただきます。

PCオーディオに再チャレンジ!! Part 2

前回はiFIオーディオ製品を中心に「PCオーディオ」の音質改善アイテムをご紹介いたしましたが、ご覧いただいた方から予想以上の反響をいただきました。

このことからも、私自身「PCオーディオは、まだまだ捨てたものではない。」「一時の爆発的なブームが終わっただけで、オーディオファイルにはしっかり浸透してきている。」「あのブームは、ヘッドホンマニアの数字競争に踊らされただけだった。」との確信を持つに至り、再び『 PCオーディオに再チャレンジ!! 』を提案させていただくことに意を強くしました。

多大な反響にお応えするかたちで、新年第1回目のコラムは、今や重要なリスニング・ソースとなっているPCオーディオの再生環境を、さらに大幅にグレードアップするのに最適な、2世代目あるいは3世代目としてお勧めしたい据置型の『 USB-DAC 』をクローズアップしてまいります。

筆者おすすめの『 USB-DAC 』

① KORG『 DS-DAC-10Rスタッフブログ紹介記事はこちら

言わずと知れたベストセラー機。人気の秘密はそのサウンドの素晴らしさと使い易さです。KORG独自の再生・編集ソフト「AudioGate 4」により、44.1kHzのCDサウンドがいとも簡単に192kHz PCMや5.6MHz DSDに変換でき、おまけにアナログ入力まであり、ライン入力はもちろんフォノ入力まで備え、A/Dコンバーターとして使用できるのです。

そのサウンドには全く癖がなく、DSDに変換した場合の自然さは特筆ものです。また、アナログレコードもDSDにアーカイブでき、そのサウンドは実際にアナログを聴いているのかとの錯覚してしまうほどです。

この『 DS-DAC-10R 』と、他のUSB-DACとの大きな違いは、DAC自体でアップリングしたり、フォノイコライザーを搭載しているのではなく、本機はあくまでシンプルな設計に徹し、前述の「AudioGate 4」がこれらの作業を全てやってくれることだと思います。

唯一の欠点はバスパワー駆動(手軽である反面、電源の質には問題が出る)であることですが、それも前回ご紹介したUSBオーディオ用パワーサプライのiFI『 nano iUSB3.0』や『micro iUSB3.0』と、同社のUSBケーブル『GEMINI』などデュアルヘッド(信号ラインと電源ラインを分離)のUSBケーブルをお使いになることで完全に解決できます。

さらに、iFIのUSB信号純化アダプター『 iPurifier 2』、アコリバのファインメット・マルチノイズサプレッサー『 FNS-RCA』、そして、『 DS-DAC-10R 』の底面にアイテックのインシュレーター『 Λ8.24 for Digital』をお使いになることで更なるグレードアップが可能です。

しかし総額では、かるく本機『 DS-DAC-10R 』の価格を上回ってしまうことから、本末転倒とも言えますが、間違いなく従来のPCオーディオの枠を超えた素晴らしいサウンドが実現できます。


② DENON『 DA-310USBスタッフブログ紹介記事はこちら

人気の「DA-300USB」のグレードアップ版。DSD音源は11.2MHz、PCM音源は32bit/384kHz対応となり、機能強化が図られています。ヘッドホンアンプとしてもフルデジタルアンプ回路「DDFA」を採用し、入力されたデジタル信号は一度もアナログに変換されることなくボリューム調整が行われ、ヘッドホン用のDクラスアンプに送られる設計です。

特にクロックを重視しており、PC側のジッターを多く含んだクロックに依存せず、内蔵の超低位相雑音クロック発信器によって生成されるマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードに対応し、同社の高級SACDプレーヤーに採用された高音質DACを搭載しています。小型USB-DACらしからぬ芯のある本格的サウンドを実現しています。


③ SoundWarrior『 SWD-DA20スタッフブログ紹介記事はこちら

ヒット作となった前作『 SWD-DA10 』からの改善点は、本機だけでDSD 5.6MHzやPCM384kHzへのアップサンプリングが可能となったことです。フロントパネルのボタンを押すことで、周波数の切替が可能です。

お持ちのCDプレーヤーのデジタルアウトを、本機の同軸や光デジタル入力に接続することで、高次のPCMやDSDにアップサンプリングができます。さらに同社のクロックジェネレータ「SWD-CL10(OCX)」の高精細クロックで同期動作させることで、更なるに高品位再生が可能です。


④ LUXMAN『 DA-150スタッフブログ紹介記事はこちら

上位機種『 DA-250』の内容を多く受け継ぎ、デジタル回路をはじめ、USB入力でのPCM 192kHz/32bit、DSD 5.64MHzへ対応。

特に電源部には、このクラスのUSB-DACでは一般的なACアダプターを使用しない本格的内蔵型です。十分な容量を確保して、各回路独立のレギュレーターを設け、音質最優先の電源環境を作り上げています。立ち上がりの良い生々しいサウンドは、デジタル本来の音の良さを狙ったものではないかと思います。


⑤ LUXMAN『 DA-250スタッフブログ紹介記事はこちら

ハイエンドオーディオを知り尽くしたラックスサウンドが魅力のUSB-DACで、オリジナルプレイソフト「LUXMAN Audio Player」を使ってのPCM再生では、非常に滑らかで透明度が高く、自然な空間表現がクラシックを表情豊かに聴かせます。

DSDでは更に自然で上品な、アナログに通じるような有機的なサウンドで、ファイルオーディオであることを忘れさせてくれる程の上質なサウンドを実現します。


⑥ TEAC『 UD-503スタッフブログ紹介記事はこちら

本機の魅力は、TEACや同社のハイエンドブランドESOTERICが特にこだわりを見せるクロックを重視し、44.1kHz系と48kHz系の2基の低位相雑音型を採用していることです。筆者自身「クロックこそデジタルの要」であるとの認識を持っていることから、このTEACのこだわりには大いに拍手を送りたいと思います。

さらに、筆者は「電源こそアナログの要」との認識も持っており、「UD-503」はその電源にも大きくメスを入れています。左右チャンネルに1基ずつ搭載しているトロイダルトランスの大容量化を図っているのです。ハイエンド仕様のUSB-DACとも言えます。


⑦ Mytek Digital『 BROOKLYN DACスタッフブログ紹介記事はこちら

プロの世界で鍛えられたマイテックであることから、こだわりのフェムト・クロック(femto:10のマイナス15乗 秒クラス精度の高精度クロックの総称)を配置。非常に高精度かつ、超低ジッターのクロックで、DACでの高い変換精度と高音質を実現できたのです。

マイテックと、開発者のユーレビッチ氏が、一音楽愛好家の立場での試聴を繰り返しつつ製品化しており、エネルギー感たっぷりで、中域に厚みのある豊潤なサウンドを実現。圧倒的な情報量に、生音のような立ち上がりや響きを再現する、非常に説得力のあるサウンドとなっています。

⑧ EXOGAL『 "Comet Computer DAC" COMET SLスタッフブログ紹介記事はこちら

WADIA DIGITALの黄金期を築いた技術者達が起ち上げたオーディオメーカーで、ハイエンドオーディオの世界を知り尽くした技術者達が、その技術と音楽性の両立を目指し開発したDACです。

国産のUSB-DACには感じられない中低域の厚みは、アメリカ・ハイエンドにも通じる充実感を感じました。クォリティーをさらに高める「Upgraded Power Supply」を組み合わせたセットモデル『 COMET PLUS SL』も追加されています。


⑨ T+A『 DAC 8 DSDスタッフブログ紹介記事はこちら

PCMとDSDに独立したDACを搭載し、出力直前まで別経路で動作するユニークな構成。DSD DACをPCM DACから完全に分離することで、DSDデータの特質を最大限に活かした再生音を堪能できるのです。

PCM信号に対しては4種類フィルターが用意されており、アナログ波形に最も近いと言われるビジェフィルターが搭載されています。サウンド全体が力強く、実に生々しく、非常に抜けの良いもので、まさにアナログそのものでした。


⑩ Accuphase『 DC-37スタッフブログ紹介記事はこちら

まさにハイエンド・オーディオファイルが待ち望んだUSB-DAC。サウンドは、アキュフェーズのデジタルプレーヤーに共通する純度の高さ、滲みのない鮮度感、さらに生き生きとした音楽の生命感が再現されます。

本格的PCオーディオ、そしてハイレゾの真の実力を発揮する「ハイエンドUSB-DAC」の決定版です。


最後に
新しい考え方や手法の最新鋭USB-DACや各種の音質改善アイテムを使うことで、まだまだ素晴らしいサウンドを手に入れられる可能性の大きい「PCオーディオ」の世界です。

今年こそ「PCオーディオ」のグレードアップで、貴方のオーディオライフをさらに豊かなものにしてみませんか。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

まずはオーディオシステムのどこか一箇所の電源ケーブルの交換から始めてみませんか

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、オーディオシステムを最も簡単に、そして確実にグレードアップできる『電源ケーブル(パワーケーブル)』の交換をご提案いたします。

筆者のオーディオ製品に対しての“基本的な考え方”

私は過去に、このコーナーで何度も述べていますように、オーディオ製品に対しての“基本的な考え方(最も重要であるという認識)”を持っています。それとは以下の二つです。

①『クロックの重要性』
デジタルは“クロックの精度が最重要”→デジタル機器のクロック精度を上げれば、必ず音が良くなる。

②『電源の重要性』
アナログは“電源の品質が最重要”→オーディオ機器に供給する電源を良くすれば、必ず音が良くなる。

と言う“一つ覚え”のそれは信念のようなものです。私はこれが、過去においても未来においてもオーディオの世界では普遍であると考えています。

“クロックの精度”が重要

ただ、①の“クロックの精度”に関しては、最近のハイエンドのデジタル機器には、かなりの高精度のクロックが搭載されるようになってきてはいますが、残念ながら中級以下の製品には、安価な汎用のクロックを使用しているケースが多いのが現状です。

かといって外部クロック入力を持った製品は、エソテリックなどのハイエンド製品に限られており、グレードアップが不可能なのも事実です。(※かつては内蔵クロックの交換サービスも一部の店舗で行われていました。)

クロックに関しては、その効果は実際に高精度な外部クロックをお使いになって、比較していただかないと、なかなか改善度合いはイメージしていただき難いと思います。

過去にdCSやエソテリック、サウンドウォーリア(城下工業)、インフラノイズなどの製品で一度でも体験された方はすでにお分かりでしょうが、その差は歴然としたものです。定位の確かさ、情報量の多さ、透明度の高さ、そして何より音楽のリアリティを伝える力は抜群です。

ここで筆者のぼやきを一言・・・。私は過去20年近く『クロックの重要性』をことある毎にメーカーに進言して来ました。しかし、なかなか自社のデジタル機器に外部クロック入力を搭載していただけません。

もちろんクロックと製品の間には(クロック波形など)相性の問題もありますし、オーディオ経験の未熟な方には、クロックによる音の違いをご理解いただけないこともあります。

しかし、ユーザーにクロックの選択を委ねてみることも、今こそ必要なのではないでしょうか。そうすれば、あえてアナログに戻らなくとも、デジタルをさらに極めることも十分可能だと思うのですが・・・。今後に期待したいと思います。

電源ケーブルの重要性

さて、②の『電源の重要性』に関しては、すでに十分に理解されている方が多いとは思いますが、今回は、オーディオ初心者や音楽愛好家の皆様に、オーディオシステムを最も簡単に、そして確実にグレードアップできる『電源ケーブル(パワーケーブル)』の交換をお勧めしたいと思います。(※電源ケーブルが交換できる「3Pインレットタイプ」に限られます。)

初心者の方や音楽愛好家の方のほとんどは、製品に付属している電源ケーブルをそのままお使いだと思います。「それはメーカーがその製品に付けているのだから良いに決まっている」との、ある種の安心感から来ているのだと思います。

しかし一度別のケーブルに替えていただければ、音質に歴然と差があることは十分ご理解いただけると思います。それは特定のハイエンド製品を除いては、メーカーは付属の電源ケーブルに関しては、特に吟味して選択している訳ではないからです。

そのため付属のケーブルでは真価を発揮しきれていない製品が多いのです。その結果として電源ケーブルを交換することには、想像以上の大きなメリットがあるとも言えます。

過去にも電源ケーブルの交換ブームが起き、当時は数万円以上が当たり前で、中には数十万円のケーブルが爆発的に売れた時期もありました。

しかしその後ブームは落ち着きを見せ、導体や素材、構造などにいろいろなアプローチが行われ、最近はローコストながら高性能なケーブルが次々と登場してきています。その結果、比較的安価な製品でもかつての10万円クラスの製品よりも優秀な製品も散見されるようになってきています。

今回ご紹介します5種類の電源ケーブルは、いずれもエントリークラス(実売20,000円以下)のお求め易い製品ですので、お持ちのオーディオシステムのどこか一箇所の電源ケーブルの交換から、まずはお始めになることをお勧めします。

そうすれば、システム全体の音質を左右しかねない程の効果が実感でき、『電源ケーブルの重要性』は十分ご理解いただけると思います。

筆者おすすめ!5種類の電源ケーブル

【1】AudioQuest「NRG-X3/1.8M」
◆取り回ししやすい 3PIN電源ケーブル。モールド一体成型タイプ
◆セミソリッド同軸パッキング導体として長粒状銅(LGC)撚線を採用
導体に使われている伝導率の良いOFHC(無酸素高伝導銅)は、非常に長い結晶構造を持っているのが特徴で、LGC(ロング・グレイン・カッパー)と言われています。その導体を螺旋状に配置することで歪みを抑制。ケーブルは柔らかく、取り回しやすいものです。
★サウンドは、リアルでコントラストのはっきりした、明るく躍動感を伴ったものです。ダンピングの効いた引き締まった低域は解像度が高く、多少タイト過ぎる傾向はありますが、若々しい鮮烈なサウンドは“かったるさ”を払拭します。

【2】ZONOTONE「6NPS-3.0MEISTER-1.5M」
◆高純度6NCu+OFCハイブリッド高品位3芯シールド型電源ケーブル
◆3.0スケア×3芯と特太でパワーを発揮。抜群のC/Pを誇る電源ケーブル
ゾノトーンのエントリーモデルながら抜群のハイC/Pケーブルです。電源プラグとコネクターにはオリジナルの一体成型モールドタイプを採用しており、接点部は高純度ロジウムメッキを施した高級機仕様としています。
★サウンドは、全体的にやや濃いめでコントラストがはっきり出るタイプです。中域は明快で歯切れが良く、低域にかけての分解能は高く、締まりの良い安定感を実現しています。声は滑らかで抜けが良く、音像感や分解能も優秀で躍動感も十分再現できます。

【3】 ACOUSTIC REVIVE「AC-2.0 TripleC」
◆鍛造による世界初のオーディオ専用導体PC-TripleCを導体に採用
◆贅を尽くした素材と構造で電源クオリティを大幅に向上。驚異のハイC/Pを実現
オーディオ専用導体PC-TripleCは、単結晶素材であるPCOCCでも避けられなかった内部空礫も鍛造によって無くし、導体密度は極限まで向上させました。素材や構造に同社が培ってきたノウハウを注入し、超ハイC/Pを実現したのです。
★サウンドは、超ハイスピードで、解像度の高い写実性が魅力。中低域は力強く、低域はダンピングが十分効いたキレの良いエネルギッシュなもので、生命力に溢れています。高域は高密度で繊細、高S/Nも実現しています。正確でバランスの良いハイエンド・サウンドを実現します。

【4】AET「EVO1302F-AC-V2-1.8」
◆すべての音楽愛好家にお薦めする純国産にこだわった電源ケーブル
◆導体にはスペシャルグレードの高純度PVC導体(プレミアムバージン無酸素銅)を採用
ACプラグに新素材を採用し、耐トラッキング性が向上しています。ケーブルは12mmφと太いのですが柔らかく、取り回しはしやすくなっています。純国産にこだわり、最終加工は熟練の精密加工職人が1本1本真心をこめ手作業で行われています。
★サウンドは、透明感の高いヌケの良い柔らかなもの。S/Nが良く適度な湿り気を伴った温かなボーカルが魅力です。メリハリを追求したものではなく、質感を重視したナチュラルなサウンドです。落ち着いた安定感のあるサウンドは高級ケーブルにも通じます。

【5】FURUTECH 「The Astoria」
◆導電性の向上と高品位でリアルな音を再現するため『PC Triple C』導体を採用
◆音質の劣化要因であるノイズと振動対策のため、素材やパーツ、構造、仕組みまで徹底研究
余分な色付けをせず、機器が本来持っている性能を引き出すことを第一に考え、プラグには高伝導素材の純銅の上に、更に銅メッキ処理し二層メッキ加工を施した「FI-11M(Cu)/FI-11(Cu)」を使用しています。ケーブル内部は特殊な隔離構造を採用し、完全に外来ノイズをカットしています。
★サウンドは、高S/N、高解像度でバランスの良いものです。音の鮮度が高くリアル感のある立ち上がりが魅力です。中低域も力強く適度なダンピングを効かせています。一方、高域は繊細で透明度が高く、自然で広い音場の表現力もクラスを超えたものです。

最後に
これらはエントリークラスの電源ケーブルながら、かつての数万円、いやそれ以上の高級機にも匹敵するパフォーマンスをいずれも備えています。

それは話題の新導体や各構成パーツの進化であり、技術的なノウハウの進化に負うところが大きいと思います。さらにはケーブル各社の過当競争も加わった結果、コストパフォーマンスの非常に高い電源ケーブルの登場と相成ったとも考えられます。

今まで何を聴いてきたのかとの“嘆き”も聞こえて来そうです。さあ、2017年、あなたのオーディオシステムの“眠っている実力”をさらに発揮させてみませんか。“電源の品質”を向上させる最短距離とも言える『電源ケーブルの重要性』が十分ご理解いただけると思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

『 電源の重要性 Vol.2 』 ~電源環境を見直そう! ハイエンド編~

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
前回このコラムで『 電源の重要性 』について、エントリークラスの電源ケーブルを取り上げましたが、今回は前回と打って変わって、電源の品質を根本的に見直すべく、ハイエンド機器でのチャレンジです。
もちろん、いずれも高額ですので、おいそれと導入できる製品ではありませんが、電源環境を見直していただくきっかけになればと、あえてレポートしてみました。

クリーン電源で、電源ケーブルからのノイズや歪みの流入を回避!

家庭に供給される交流電源には、さまざまなノイズや歪みが乗ってきており、これがオーディオシステムに接続されることで、電源ケーブルを通じて機器に流入し、増幅されてしまっています。

その流入対策としての電源コンディショナーには、これまでフィルターを使ってノイズを低減させるタイプや、1対1のトランスを使用する「パッシブ型」と、電源電流そのものを再生成する「アクティブ型」のジェネレーター(発電)方式が一般的でした。しかし、これらの手法ではすべてのノイズや歪みを取り去ることは不可能と言われています。

そのノイズや歪みの流入を回避するため、積極的な手法で解決を図った製品が、今回ご紹介します国産ハイエンドブランド「アキュフェーズ」と「ラックスマン」のクリーン電源です。

いずれも効果絶大ですが、その取り組み方法は対照的です。さらに「アコースティックリバイブ」が世に問う、新ジャンルの電源改善アイテムもご紹介します。

アキュフェーズ 交流安定化(クリーン)電源「PS1230」「PS530」


いずれも従来機「PS1220」「PS520」の後継機という位置づけの製品です。アキュフェーズのクリーン電源の歴史は長く、1996年発売の「PS500」に遡ります。それはまだ、今ほど電源の重要性が話題になっていなかった20年も前です。

その後、最大出力500VAの500シリーズは、500V(2000年)、510(2006年)、520(2012年)と続き、最大出力1200VAの1200シリーズは、1200(1997年)、1200V(2000年)、1210(2005年)、1220(2011年)となり、今回の新製品が第5世代機にあたります。

今回も従来同様、アキュフェーズの常套手段であるブラッシュアップが施されています。それは、アキュフェーズがアンプなどでも行っているのと同様に、新たに一から設計をやり直すのではなく、前作の発売以後に得られた数々のノウハウを使って、確実にグレードを上げていくという、最も確実な手法です。

アキュフェーズのクリーン電源は、直流から交流電源を新たに作り出すのではなく、機器の内部で作られた基準波形と、入力された電源の波形を比較することで、綺麗な交流波形(加・減算して補正)にして送り出すというタイプのクリーン電源です。新設計の低歪率基準波形発生回路と、強力な出力段により、歪率を従来の0.1%から0.08%へ20%もの改善が図られています。

この方式のメリットは、主なエネルギー源は入力された交流だけで、損失分としては波形補正用の電力だけとなるため、交流を新たに作り出すタイプの交流定電圧装置に比べて大変効率が良く(無負荷時の消費電力を「PS1230」では従来の60Wから37W、「PS530」は50Wから25Wへと大幅に低減)、発熱も少なくすることができるのです。電源周波数は入力信号そのものですから、内部に発振器の必要もないため、本体内部からの高周波ノイズの発生もないと言います。

「PS1230」は、定格出力電流12Aに対し、瞬時電流供給能力は140Aから160Aへ、「PS530」は5.1Aに対し、70Aから80Aに、いずれも前作より大幅に増強して抜群の電流供給能力を誇っています。

「PS1230」は、ホスピタルグレードの3Pコンセントが、フロントに2口、リアに8口の計10口あり、トータル1200VAの出力が可能で、パワーアンプを含め、システム丸ごとにも十分ご使用いただけます。一方、「PS530」は、リアのみ8口の出力を装備しており、510VAの出力が可能です。こちらは、一般的なプリメインアンプや入力機器用として十分な容量を確保しています。

アキュフェーズならではの、グレードアップ手法による完成度は非常に高く、アナログに徹し、パワーアンプ並の頑丈な構造とした結果、サウンドの安定感や低域の力強さは抜群です。お持ちのシステムのパフォーマンスを最大限発揮させる電源システムです。

ラックスマン クリーン電源システム「ES-1200」

ラックスマンが新たに参入したクリーン電源の第一号モデルです。前述したジェネレーター方式のアクティブ型の電源コンディショナーではなく、電源波形の歪みだけを排除する補正方式を採用しています。本機は、一対一のアンプとも考えられますが、その電源にはスイッチング・レギュレーターを採用しています。

最大の特徴は、プラス側の給電経路に入っているパーツがフューズと電源スイッチだけで、トランスはもちろんアンプも直列に入っていない「ダイレクト・カップリング方式」を採用していることです。そのメリットは、トランスやアンプが入ることでのノイズや歪みの発生が回避できることだと言います。

電源波形は50Hzまたは60Hzの正弦波で、国内では100Vです。しかしその波形は、家庭内の電化製品によって生じる歪みや、外部からのノイズや電磁波の影響で、正弦波がささくれたり、凹凸が生じたり、頭が潰れたりしています。これらはすべて歪みであり、この歪みを補正して正確な正弦波に戻すことが本機の使命なのです。

ラックスマンは、この補正の方法として従来とは別の方法を考え出したのです。「ES-1200」に内蔵させたROMに50kHz・16ビット相当のPCM波形を記憶させ、これをD/A変換(工業用ラダー型DAC)した後、ローパス・フィルターを通した基準正弦波と電源波形を比較し、理想的な正弦波となるように高精度に補正するのです。基準波形を元の電源波形から生成したり、アナログ発振器を使ったりせず、高精度のハイレゾデータとしたことが本機の画期的なところです。

本機の重量は17.5kgで、1200VAのクリーン電源としては軽量です。3Pコンセントにはパナソニックのホスピタルグレードが採用され、8口が用意されています。インシュレーターにもタオック製のグラデーション鋳鉄製を採用しています。

ラックスマンが満を持して投入したクリーン電源。高S/Nで、曖昧であった輪郭が確かになり、音場の見通しも明らかに向上します。立ち上がりが良く、頭を打たない伸びきり感は格別です。オーディオ機器自体の音質を変質させず、持っている性能をすべて引き出す電源システムと言えます。

アコースティックリバイブ 電源コンディショナー「RPC-1」

「RPC-1」はアキュフェーズやラックスマンのクリーン電源とは全く違うアプローチによる画期的な電源改善アイテムです。その使用法は至って簡単で、空いたコンセントに本体から伸びている3Pプラグを差し込むだけです。

「RPC-1」は、赤外線マウスの発明者である故・柴田潤氏のアイデアをHWT(ハイエスト・ワールド・テクノロジー)とアコースティックリバイブの共同研究によって発展、製品化させたものだそうで、内部の特殊コイルの組み合わせによる独自の回路設計により、電源経路に乗る超高周波ノイズの除去だけを行うという製品です。

本機には、コンデンサーや抵抗などのパーツ類は一切使用されていないため、エネルギーのロスが一切ありません。この結果、ノイズフィルターなどの使用時に感じることのある、エネルギー感が後退したり音像が痩せるような副作用がなく、一方でS/N感や透明度が向上するという、通常は相反する要素を両立させたと言います。

筐体は17cm×17cmで高さ8cmで音響特性に優れたヒッコリー材を使用し、ケーブル部分は37cmで、比誘電率に優れたシルクテフロン絶縁を施した究極のオーディオ専用導体「PC-TripleC」を採用しています。

また、本機をクリーン電源の出力コンセントに装着することで、クリーン電源自体の性能をさらに向上させることも可能とのことです。電源経路に乗る超高周波ノイズの低減と均一化を行い、S/N比を劇的に向上させながらエネルギー感や躍動感なども向上させると言います。

今回は、写真にあるように電源タップの空きコンセントに繋いで検証しました。

PCオーディオやCDソフトでは、サウンドに力強さが増し、低域のエネルギー感がたっぷりで立ち上がりがよくなり、ドスンと深く沈む感じが出てくるようになりました。

中高域のまとわりつきがなくなり、音場の透明感が出て見通しが良くなり、立体感もかなりリアルに再現されるようになりました。全体に一本芯が通った音離れの良いサウンドになったのです。よく言われるデジタルサウンドの欠点が、明らかに改善できていたのです。

一方、アナログでも全帯域でスピードアップした、非常に張りのあるサウンドになり、従来にも増して実在感や奥行き感が再現できたのです。私自身、過去に聴いたアナログサウンドでもダントツの素晴らしさと断言します。

これが超高周波ノイズに的を絞った対策の効果だとすると、大変な発見であり、電源関連アクセサリーの新ジャンルの登場と言えると思います。

最後に
今回、ラックスマンがクリーン電源についに参入し、それをアキュフェーズが伝統のPSシリーズの新製品で迎え撃った格好になりました。

そこにまったく新しい発想のパッシブタイプの電源コンディショナーを投入したアコースティックリバイブを含め、国産高級電源アイテムが《 三つ巴 》の様相を呈しています。

確かに、いずれの製品もおいそれと購入できる価格ではありませんし、同じ金額ならコンポーネントのグレードアップを…と、つい考えてしまいます。

しかし、今お使いのオーディオシステムのサウンドが気に入っておられ、そのお気に入りのサウンドを変質させることなく、さらに高みを目指したい方にこそお勧めします。一度体験してしまうと手放せなくなってしまう製品ばかりです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)

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