![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 本日取り上げるのは、DENON初のUSB対応DAC搭載ヘッドホンアンプ「DA-300USB」です。自宅で試聴してみるまでは何かと疑問があった製品ですが、実際に試してみると、よくあるUSB-DACとは一線を画する高性能DACだということを確認しました。わずかな出費で、DENONのハイエンドデジタルプレーヤーに肉薄するサウンドが手に入るのですから、お買い得なUSB-DACといえるでしょう。 |
■フラッグシップ機の技術を取り入れたUSB対応DAC搭載ヘッドホンアンプ![]() DENON DA-300USBは、最新鋭のSACDプレーヤーである「DCD-SX1」で培われた技術を活かして開発された、DENONとしては初のDAC搭載ヘッドホンアンプです。しかし、このヘッドホンアンプが今年2月に登場したことについて、私には少し疑問があります。それは、
簡単にDA-300USBのスペックを説明すると、入力はUSB及び同軸・光が備わっており、USBではDSD5.6MHz、PCMは192kHz/24bitまで対応しています。PCM信号は同社伝統の技術《 Advanced AL32 Processing 》でアップコンバートされ、D/A変換されます。高精度マスタークロック《 DACマスター・クロック・デザイン 》は、2系統のクロック発振器を搭載し、入力信号のサンプリングレートに合わせて、44.1kHz系と48kHz系のクロックを使い分けることにより、理想的なD/A変換を行います。また、《 デジタルアイソレーター 》により音楽データを、同時に信号ラインから流入するPCノイズから守るなど、同社のフラッグシップ機である DCD-SX1 に搭載されたUSB-DACの技術が取り入れられた「USB対応DAC搭載ヘッドホンアンプ」です。 ちなみに、DA-300USBの開発コンセプトが《 デスクトップHi-Fi 》ということから、縦置きでも横置きでも使用でき、フロントの有機ELパネルの表示が自動的に縦・横に対応するのがお洒落です。小さいが故に、見た目より筐体はしっかりしており、本体を叩いても鳴きの少ない構造のようです。また、中味のパーツは拘ったものを採用しており、ぎっしりと凝縮感のある内部構造も、外観を遙かに凌駕した製品と見受けられます。 ■自宅でDA-300USBを試してみました! ![]() ![]() DA-300USBのRCA出力は固定出力(前面のボリュームはヘッドホン用)で、レベルは一般的なものです。音が出た瞬間、非常に滑らかで、密度感が高く、響きの豊かさが印象的でした。おそらく、パソコンからのノイズを電気的に遮断するトランス結合タイプの《 デジタルアイソレーター 》が効いているのではないかと思います。このあたりが、PCオーディオ初期のデジタル技術のみで企画・設計されたパソコンメーカーやパーツメーカーの製品と、オーディオメーカーの設計した製品との大きな違いだと思います。やはり、アナログを知った上での音作りと、そうでない製品との決定的な差であることが、ここに来てハッキリしたといえるのではないでしょうか。 また、筐体から想像するより遙かに低域がしっかりしており、厚みのある、安定感十分なサウンドでした。初期のUSB-DACの、いかにもデジタルを強調するように切れ込みや立ち上がりを重視したものではなく、デジタル特有のささくれ立った(デジタルノイズの影響)感じは微塵も感じさせませんでした。 ハイレゾソースの再生では情報量は多いのですが、いわゆる顕微鏡的なものではなく、まとまりを重視したDENONのSACD/CDプレーヤーに通じる『 安心感ある、いい意味で真面目なサウンド 』でした。CDソフトをリッピングした44.1kHzのソースもアップコンバートされるため、ハイレゾと大きな差は感じず、これこそ、音ではなく音楽を楽しむ《 本来のオーディオ 》の姿だと思います。 ![]() これだけの実力に加えて、さらに上質なヘッドホンアンプを内蔵しているのですから、お買い得と言わざるを得ません。DA-300USBは、お持ちのCDプレーヤーのグレードアップにも最適で、わずかな出費で、DENONのハイエンド・デジタル・プレーヤーに肉薄したサウンドが手に入るのです。今お持ちのプレーヤーが、3年以上お使いのデジタル出力付きのCDプレーヤーなら、明らかにグレードアップ効果が期待できると思います。 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |