![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、これから本格オーディオを目指される方や、オーディオをお休みされていた中高年の「もう一度オーディオ世代」にピッタリの、リーズナブルな価格かつ画期的なプリメインアンプ、マランツ「PM7005」をご紹介いたします。 |
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「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、ティアックのダブルオートリバースカセットデッキ「W-890RMK2」です。 カセットデッキといえば昭和を象徴する音楽を聴くための機器の1つですが、 昨今はCDやネットワーク技術の進化により、業務用を含めても数えるほどしか存在しません。
そんな中、今年の6月にティアックからカセットデッキの新製品が登場しました。
まず、ダブルカセットデッキを簡単に説明すると、カセットテープをコピーするためのものです。 片方の「Type I」で再生をし、もう一方の「Type II」で録音をします。
通常のカセットデッキであれば、A面とB面があり、
A面が終わると手動でカセットテープを取り出して裏返し、B面を表にして入れなおすという作業が必要です。
ですが、「W-890RMK2」はオートリバース機能が搭載されているため、A面の録再が終われば自動的にヘッドが180度回転し、 またテープの回転方向を逆転してB面の録再が始まります。
その他にも半分の時間でダビングする「倍速ダビング機能」や
A/B面の頭をそろえる「シンクロリバースダビング機能」も搭載しています。
また、外部ソースを接続する場合は「パラレル録音機能」というのがあり、「Type I」と「Type II」の両方を使い、
2本のカセットテープへ同時に録音する機能もついています。
再生はハイポジションやメタルテープも可能となっています。
音楽もデジタルになり、利便性は増しました。
カセットテープは頭出しが出来ないですし、ノイズも出ます。 だからこそ、一曲一曲ちゃんと聞くことができ、ノイズの温かみを感じることが出来ます。
ぜひ、ティアックの「W-890RMK2」と共にカセットの魅力を感じてみてください! |
TEAC W-890RMK2-S
![4907034218677" 4907034218677]()
◆高精度な録音/再生オートリバースカセットメカニズムを2台搭載
◆倍速ダビング機能、シンクロリバースダビング機能、2本のテープへ同時に録音するパラレル録音機能、連続録音/連続再生機能
◆ピッチコントロール再生、A-B間リピート再生など、多彩な機能も充実
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September 6, 2014, 2:46 am
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、ゾノトーンの電源ボックス「ZPS-6000」です。 これまでに多くの電源ケーブルを販売してきたゾノトーンから初となる電源ボックスが発表されました。
ケーブルで沢山のユーザーから支持されているゾノトーンだからこそ、電源ボックスにも妥協は許されません。
筐体は制振性に優れ、かつシールド効果にも富んでいるアルミダイキャストを使用しています。 これにより高S/N比を実現しています。
また、内部配線にもこだわり、超高純度6NCu、高機能純銅線HiFC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅の
4種をハイブリッドした3.5スケアの導体を採用しています。
さらに、音質や画質のエネルギー伝送での微細な変化を避けるため、ノイズフィルターやコンデンサー類を搭載せず、 「シンプル・イズ・ザ・ベスト」のコンセプトでクオリティを最優先に設計されています。
コンセント・インレットには24K金メッキを採用し、パーツの1つ1つに至るまで、 すべてにトップエンドとしての矜持と工夫と精緻さを実感していただけます。
ぜひ満を持して登場したゾノトーンの電源ボックス「ZPS-6000」をご検討ください! ※電源ケーブルは別売となっております。 |
Zonotone ZPS-6000
![4580365069004" 4580365069004]()
◆筐体には剛性度が高く、振動に強いアルミダイキャストを採用
◆堅牢でシールド効果にも富んでおり、アルミダイキャストの特性で目覚ましい高S/Nを獲得
◆内部配線には超高純度6NCu、高機能純銅線HiFC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅の4種をハイブリッドした3.5スケアの導体を採用
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September 9, 2014, 2:14 am
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
本日は、SPECのリアルサウンドプロセッサーのニューモデル「RSP-701」を、自宅リファレンスで試聴できましたのでご報告いたします。 |
■新進気鋭の純国内オーディオメーカーSPEC(スペック)
![]() SPECとは、音と光と情報の分野で新しく独自性のある価値を創造し、お客様に感動を提供するという崇高な経営ビジョンを持った、新進気鋭の純国内オーディオ専業メーカーです。創業メンバーは元パイオニア出身者で、一般的な新興オーディオメーカーとは、一線を画する技術、センス、歴史を踏まえた上での製品開発が行われています。
既発売のミドルクラスのPWMデジタルプリメイン「RSA-888」は、オーディオに一過言お持ちの熟練オーディオファイルや、オーディオの本質を追究されている若いオーディオファンを中心に人気機種となっています。
同社のサウンドの魅力は、楽器のように生き生きとした躍動感の再現と、開放感にあふれた豊かな表現力にあります。この「生演奏のリアリティー」の追求こそが、従来の国産アンプにつきものである、静的特性重視の無機的なサウンドのアンプとは、一線を画していると言えます。
それを象徴した出来事が今年(2014年)6月にドイツ ミュンヘンで開催された「Munich High End 2014」で見られました。毎年、同ショウでは「最も音が良かったブース」に対して授与される「BEST SOUND AWORDS」という賞があり、今年はSPECのブースが見事、受賞を果たしたのです。昨年のテレビ東京(TXN)系「日経スペシャル ガイアの夜明け」で、スペック株式会社が紹介されことに次ぐ快挙だと思います。
■リアルサウンドプロセッサー(REAL-SOUND PROCESSOR)とは
![]() 本日ご紹介するのはそのアンプではなく、同社のリアルサウンドプロセッサーです。ペットネームである「ミュージックDD」の「DD」はドキドキ感の「ドキドキ」からネーミングされたとのことです(もっと技術的なものかと…)。
このリアルサウンドプロセッサーとは、スピーカーへ並列に接続することで、逆起電力を吸収して中域から高域にかけてのスピーカーインピーダンス変動を低減させるというものです。
具体的に言いますと、音楽信号が変化することでスピーカーのインピーダンスが変化します。これがアンプにとっては負荷変動となり、特に音楽の倍音成分を多く含んでいる高域においては、そのインピーダンスの乱れが、原音に忠実な音楽再生を妨げると言われています。
さらに、アンプがスピーカーユニットをドライブすることによって、逆にユニットのボイスコイルから、アンプの出力の変化に応じた反作用的な逆起電力が発生してしまいます。それはスピーカーケーブルを通してアンプに戻ってしまい、アンプ内部での位相の遅れを発生させるのです。結果として躍動感の欠如、平面的な音場、薄めの音色となり、リアルで自然な、そして心地よい音楽再生とは程遠いものになってしまうのです。
そこで、リアルサウンドプロセッサーを使用することにより、音質に対し非常に有害なインピーダンス変動を補正し、逆起電力を吸収させます。アンプとスピーカーそれぞれが、互いの影響力から脱することで、アンプがスピーカーを駆動するという本来の姿が実現するのです。
■リアルサウンドプロセッサーのニューモデル「RSP-701」と、その使用方法
![]() 2010年発売のスタンダードモデル「RSP-101」、2011年発売の上級機「RSP-301」では、Arizona Capacitorsのオイル・コンデンサーを搭載することでさらに魅力がアップ。そして新登場となる「RSP-701」はこれらの上位に位置する最高峰モデルになります。
RSP-701には「301」で使用していたオイル・コンデンサーとは別の種類のものを使っており、パーツ類も見直しを図り、音の表現力をさらに向上させることが可能になったとのことです。
それでは「RSP-701」を実際に使用してみましょう。アンプと接続したスピーカーのターミナルに、短いケーブル(別売)で並列接続し、スピーカーの側に設置します。(バイワイヤリングの場合は、中高音用の入力端子に接続します)RSP-701を2セット使用し低音用端子にも接続するとさらに効果的とのことでした。
接続するスピーカーのインピーダンスは10Ω以下、アンプの最大出力は1kW以下を推奨しています。大きさは、100×117×47mm、重さは約260g、外装の木製ケースは、弦楽器の表板やピアノの響板に使われているスプルース材(柔らかくて響きの豊かな材料)を使用。前述のデジタルアンプ「RSA-888」のサイドウッドベースと同じ材料(従来機はウォールナットの単板)とのことで、高級感もアップしています。
■早速自宅のリファレンススピーカーで試聴してみました
![]() まず私の試聴ソフトの定番であるリヴィングストン・テイラー「Ink」(96kHz/24bitFLAC音源)の1曲目から始めました。最初に感じたのは、口笛がいつになく滑らかなのです。また若干ですがいつもより厚みがあり、口笛が中央にピタリと定位し微動だにしないのです。続くボーカルも温かく屈託のない伸び伸びとしたものになりました。
続いてこれも定番ですが、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」(96kHz/24bitFLAC音源)を聴いてみます。こちらはシンバルの透明度が上がり、バックのリズムがハッキリと聞こえてきました。またライブ演奏なので演奏会場にいる人のざわめきや、グラスの触れる音などのバックグランド・ノイズも、従来より多く聞こえるようになりました。明らかにS/Nが改善したことが確認できました。
そして山下達郎の非売品となるライブ演奏のソフトを聴いて、いまだかつて聴いたことのない、会場の豊かな響きが聞こえました。そしてそれはバックミュージシャンの演奏位置までをも確認できる程のものだったのです。
以後は、クラシックから歌謡曲まで次々と聴いていきましたが、明らかに従来より高域の情報量が多くなっており、音場がクリアになって霞が晴れ、ベールが一枚剥がれた感じでした。結果として繊細さがアップし、サウンドが滑らかになったように感じるのですが、それは音の立ち上がりが改善された結果ではないかと思います。
こう書いていくと音色や音調が変わったと受け止められかねないのですが、全くその様なことはありません。サウンドの明瞭度・情報量が向上した結果、実現したもので、やはりアンプの逆起電力による負担が減ったことによる効果がいかに大きいかが分かります。
お使いのスピーカーにご不満をお持ちの方や、今のスピーカーの音色を気に入ってはいるが、さらに良くしたいとお考えの方にお勧めします。ぜひ一度ご検討下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)
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September 13, 2014, 12:26 am
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、10月中旬に発売予定のヤマハのプリメインアンプ「A-S801」です。 ヤマハ伝統の思想である「ToP-ART(Total Purity Audio Reproduction Technology)」に基づく ディスクリート構成パワーアンプなどを内蔵しています。
「ToP-ART」とはシンメトリカル(左右対称コンストラクション)&ダイレクト(信号経路のストレート化・最短化) 音楽信号の流れに忠実であることを目指したヤマハ伝統のピュアオーディオ設計思想の事を指します。
「A-S801」はUSB DACを搭載しており、DACはESSテクノロジー社の「SABRE32(ES9010K2M)」を採用しています。 ヤマハオリジナルのUSBデバイスコントローラー、及び最新オーディオインターフェース規格「ASIO2.3」準拠の スタインバーグ製ドライバーを採用したハイグレードなUSB DACとなっています。
また、音の純度を高めるため、トーン/ラウドネス/バランスの各コントロールと後段バッファーアンプをバイパスし、 全入力で音質の向上を実現する「ピュアダイレクトスイッチ」を搭載しています。 さらに、信号経路上で発生する歪みやノイズをキャンセルして音質を向上させるヤマハ独自の「CDダイレクトアンプ」も採用しています。
光/同軸デジタル入力もついており、CD/DVDプレーヤーのオーディオ機器はもちろん、テレビやゲーム機、パソコンなどの デジタル音声出力を接続すれば様々なソースを手軽に高音質化出来ます。
アナログ音源から最新のハイレゾ音源まで、あらゆるオーディオソースを高純度な音質で楽しめるヤマハの「A-S801」をぜひご検討ください! カラーはシルバーとブラックからお選びいただけます。 |
YAMAHA A-S801S
![4957812573894" 4957812573894]()
YAMAHA A-S801B
![4957812573863" 4957812573863]()
◆DSD5.6MHzネイティブ&PCM384kHz対応のハイグレードUSB DAC機能
◆“ToP-ART”思想に基づく強力なパワーアンプ
◆音の純度を高めるCDダイレクトアンプ&ピュアダイレクトスイッチ
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September 19, 2014, 12:28 am
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 ついにここまで来たか!と思わせる、モンスター級のスペックを持つヘッドホンアンプが登場しました。それは、英国アイファイオーディオの「micro iDSD」です。USB入力での最大サンプリング周波数は、PCMで768kHz/32bit、DSDは22.4MHz/1bitというとんでもない数値で、度肝を抜かれました。
これはこれで素晴らしいスペックですが、果たしてそこまでの数値が本当に必要なのでしょうか?本日は、ハイレゾ音源(PCM・DSD)について、お話していきます。 |
■現在のハイレゾブームについて
![]() サンプリング周波数が96kHz/24bit以上のPCM音源とDSD音源が、ハイレゾ(ハイレゾリューション)音源であると日本オーディオ協会によって定義されたのは、今年6月のことです。製品開発の方が先に進んでしまったため、後追いのような格好での決定と見えてしまったのは否めません。
ところで、ハイレゾがここまで急速に盛り上がったのは何故なのでしょう。当初はパソコンとの親和性から、パソコン関連や楽器関連のメーカーの製品が登場しました。その後、長らく不況にあえいでいたオーディオ業界が海外製品を含め、ここぞとばかり次々と新製品を投入した結果、一大ブームとなったのです。
しかし、それだけではここまで盛り上がることはなかったと思います。やはり、ハイレゾ音源の素晴らしさが大きいのではないかと考えます。
高いサンプリング周波数によって、アナログレコードや生の音に近い豊かな倍音(高調波)成分が再現されるからに他なりません。特に、高域が多く含まれた楽器の再現性は、CDでは味わうことのできなかった高密度の生々しいサウンドで、いわゆる録音現場の音に限りなく近いものに感じられるからだと思います。
■PCM・DSDフォーマットの特徴
![]() ハイレゾブームのはるか前から、デジタルで音を扱うということは、ほぼ全てPCMを意味していました。CDから始まって、MD、DAT、MP3やAACなどの圧縮音源、携帯電話、デジタルテレビの音声など…、デジタル=PCMだったのです。
PCMはサンプリング周波数で扱える上限の周波数が決まり、そのビット数で音の大小、ダイナミックレンジが決まります。それに対し、今注目のDSDは考え方が全く違うのです。
サンプリング周波数が2.8MHzと、そもそも単位(PCMのkHzと、DSDのMHz)が違う上に、PCMのようにある時点での音量を捉えるのではなく、音の波動があるかないかを0と1で表現し、1bitの枠の中での音量の変化を濃淡で記録するのです。
例えば、理論的にPCM 192kHzでの再生周波数限界は、サンプリング周波数の半分である96,000Hz(96kHz)、ダイナミックレンジは量子化ビット数が24bitなら144dBになります。
一方のDSDでは、再生周波数は100kHz(理論的には1.4MHz)を超え、ダイナミックレンジも20Hz~20kHzの間ではPCMを上回る150dB以上となります。明かに、DSDの方がワイドレンジで倍音の再現性が高いことは数字が表しています。しかし、これと音が良いとは全く別の話であるということを後で説明いたします。
ただ、フォーマットの違いによる音質の違いは厳然と存在しており、一般的には以下のようになります。
- PCMは、明瞭で鮮やかな音、音像の輪郭がクリア、音が前に張り出してくる感じ、低音が充実、躍動感あるサウンドといった特徴があり、音楽ジャンルはジャズやポップス系がピッタリ。
- DSDは、透明度が高く繊細、音場には奥行き感や立体感があり、アナログレコードに近い柔らかく滑らかなサウンドが特徴。ジャンルではクラシックやボーカルが得意といわれています。
PCMはCDの延長線上にあり、CDと同質で情報量が大幅に増え、弱音部の再現性も高いことから、PCMの方が優位とも思えますが、最近急速に普及してきたDSDは、そのサウンドが生音やアナログに近いということから多くの音楽ファンに受け入れられているのです。
しかし、これらはあくまで個人の好みの問題ともいえます。また、比較的完成度の高いPCMに対して、DSDはまだまだ発展途上であることも事実で、今後まだまだ音質的には良くなる可能性を秘めているのです。
■USB-DACにおける、PCM・DSDフォーマット
![]() 最近のDSD対応USB-DACに採用されているDACチップは、現在主流となっている1bitΔΣ変調を使った構成(マルチビットDACチップが高価なためハイエンド機にしか使用できない)となっているため、その再生はDSDの方が有利だともいわれています。
その理由はPCM再生時にもΔΣ変調をして一旦1bit化した後、データを補間をする形をとっているためで、1bitのDACチップにDSDフォーマット信号を入力した場合、余計な変換がない分DSDの方が純度が高いといわれています。
しかし、DSD対応のUSB-DACなどにも、メーカーによってはPCM系のハイレゾサウンドを重視し、DSDのメリットである空間表現が少し後退しているケースもあるとのことで、これらはメーカーによる違いというより、開発エンジニアの好みにも大いに左右されているようです。1bitDACチップを使う限り、PCMとDSDの両方を均等に高音質化するのは至難の業でもあるようです。
また、KORGのAudio Gateなどの再生ソフトではPCM信号をDSDに変換したり、逆にDSD信号をPCMに変換して、それぞれの音質の差を楽しむことはできるのですが、この変換には可逆性がないということも知っておいていただきたいと思います。
具体的には、192kHz/24bitのデータを2.8MHzのDSDに変換した後に、元の192kHz/24bitに変換しても同じデータにはならず音が変わってしまうのです。また、PCMをDSDに変換してもDSDらしい繊細さや滑らかさは楽しめても、それは音が良くなったとは決していえません。期待しすぎは禁物です。
■録音現場では、まだまだPCMが優位に!
![]() 録音側でもまだまだ問題は山積しています。 PCM方式はCDで用いられていることからもデジタルオーディオの世界標準であり、30年以上の歴史の中で、編集をはじめとした多くのノウハウが蓄積されており、PCMの優位さは揺るぎないものです。ほとんどのスタジオがPCMベースの環境下にあり、別のスタジオに変わったとしても、そこで編集などの作業が十分可能なのです。
一方DSDは、編集作業やマルチチャンネル録音が事実上不可能であり、PCMのような編集をするには一旦アナログやPCMに変換して処理するしか、現時点では無理なようです。
DSDのレコーダーも基本的にはステレオレコーダーで、それらを同期運転してマルチ録音する研究もされているとのことです。従って、DSDのメリットを最高に生かすソースは、超一流ミュージシャンの演奏の一発録りしかないことに現状ではなります。
PCMにおいても問題がないわけではありません。 よくある質問に、WAVとFLACではどちらが高音質かということがありますが、これはいくら可逆圧縮とはいえ、やはり音の純度ではWAVが有利といわざるを得ません。
しかし、WAVは曲名やアーティスト名などのタグ情報を結びつけるには限界があります。また、FLACで行われるデコード処理が負荷となって音質に影響しているとはいわれつつも、配信サイトでは標準となっていることや、192kHz/24bitのハイレゾ音源の再生はPCやDACへの負担が大きく、不安定化や保存のために容量が必要になることから、実用上は96kHz/24bitで十分との話も専門家の間ではあります。
■ハイレゾ音源(PCM・DSD)を存分に楽しむには?
![]() このようにDSDはPCMと比較して、まだまだ発展途上のフォーマットであり、今後は大いに期待できますが、それを待っていてはPCオーディオやネットワークオーディオの素晴らしさを享受できないのです。とにかく、デジタルは最先端の機器をお選びになるのが大原則ですが、前述のようにいろいろな問題点のあることは一応ご承知おき下さい。
そして、ハイレゾを存分に楽しんでいただくためには、今お使いのアンプのグレードアップをぜひご提案いたします。
それは、今から15~30年位前(具体的には1980年代~90年代)に発売されていたアンプは、CDのスペックの上限である20,000Hz以上の高周波再生を想定していなかったためで、高域のフィルターが不完全でシュワシュワやジュルジュルという感じのノイズが発生して、スピーカーを危険にさらす可能性があります。これは当時、高域特性が素晴らしいと謳っていたハイエンド機の方が起こりやすい現象ともいわれています。
ぜひ、最新のデジタル機器を入手された方は、最新のプリメインアンプへのグレードアップも一度お考えいただければと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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September 20, 2014, 11:31 pm
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、10月上旬発売のクリプトンの小型スピーカーシステム「KS-7HQM」です。 「KS-7HQM」は、同社が展開しているニアフィールド向けスピーカー「HQMシリーズ」の第3弾となります。
従来の「KS-1HQM」「KS-3HQM」はフルレンジユニット1台のみ構成でしたが、 ハイレゾ音源に対応するよう新たに60kHzまで再生可能な30mmリングツイーターを搭載し2Way化しています。 また、低域は60Hzまで再生が可能な84mmウーファーを使用しています。
筐体には8mmのアルミ押し出し材を使用。 曲面で内部の反射を減らすと共に、60Hzの低い共振周波数に対応する為、折り曲げたバスレフダクトを内蔵しています。
フット部分には、ネオフェード・カーボンマトリックス3層材のインシュレーターが付いたモアビ材製スピーカーベースも付属。 これにより、振動を熱に変換することで高い制振効果を発揮することが出来ます。
さらに、アンプ内蔵スピーカーではほとんど見ることのないHDMI入力端子がついています。
BDプレーヤーと接続し、BDオーディオのハイレゾ音源を楽しむことも出来ます。 また、映像をディスプレイに送るためのHDMIスルーアウトも搭載しています。
小さな筐体に世界最高のパフォーマンスを追求したクリプトンの「KS-7HQM」をぜひご検討ください! |
KRIPTON KS-7HQM
![4571144202125" 4571144202125]()
◆最新のデジタル技術を凝縮・結集した新DDC/DSP/フルデジタルアンプ構成
◆ハイレゾ用超高域60kHzが再生可能な新設計30mmリングダイアフラム・ツィーター
◆NEWラウンドフォルムデザイン オールアルミ製高級仕上げ(厚み8mm)のエンクロージャーが迫力ある高音質を再生
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September 27, 2014, 11:36 pm
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、10月中旬発売予定のデノンのプリメインアンプ「PMA-SX1」です。 前フラグシップモデル「PMA-SX」から6年、新たなフラグシップモデルである「PMA-SX1」が登場しました。
昨年発売されたフラグシップSACDプレーヤー「DCD-SX1」と対をなすプリメインアンプです。
「PMA-SX1」はこれまでのフラグシップの系譜である「Sシリーズ」同様に全段バランス構成を採用しています。 バランス構成は筐体のサイズも、必要とされるパーツも大幅に増えますが、 ノイズや回路間の干渉が低減されるため、極めて純度の高い再生が行えます。
また、出力最終段には大電流増幅素子「UHC-MOS FET」を用いたシングルプッシュプル構成によるバランス出力を採用しています。 「PMA-SX1」で採用された「UHC-MOS」は、前モデル「PMA-SX」搭載されたものに比べ、定格・瞬間電流が倍増しています。
さらに、「PMA-SX」ではフォノ入力はMMのみの対応でしたが、「PMA-SX1」はMC/MMの両入力に対応しています。
MC/MMそれぞれに専用入力端子を備えたフォノイコライザーには、
3個並列接続されたデュアルFET差動入力回路のヘッドアンプを備えたCR型イコライザー回路を搭載しています。
これまでデノンのフラグシップアンプには、音質に影響を与える要素を極力排除するという理由でリモコンがありませんでした。 「PMA-SX1」は時代の変化と共にユーザーの要望も変化してきたため、リモコン対応となっています。 一方で、音質の影響を避けるため、アンプ操作をしていないときはマイコンへの電源供給を停止するマイコンストップモードが搭載されています。
デザインは重厚でありながら洗練されたシンプルさを醸し出すデザインとなっています。 極限までシンプルにこだわった「PMA-SX1」は、フロントパネルに電源スイッチとボリューム、入力セレクターのみとなっています。 入力された音楽情報を出来るだけピュアに、色付けすることなく送り出すことを目指し、そのために必要な機能以外はすべて排除しています。
ただただシンプルに「信号を増幅して、スピーカーを駆動する」ことに特化したデノンの「PMA-SX1」をぜひご検討ください! |
DENON PMA-SX1
![4951035054604" 4951035054604]()
◆全段バランスアンプ構成
◆Advanced UHC MOSシングルプッシュプル回路
◆インピーダンス切り替えスイッチ付きMC/MM対応CR型フォノイコライザー
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September 29, 2014, 1:31 am
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、11月下旬発売予定のパイオニアのブルーレイプレーヤー「BDP-LX88」です。 2008年に「BDP-LX91」が登場し早6年、パイオニア史上最高画質・最高音質と謳うブルーレイプレーヤーが登場します。
まず、徹底した高剛性筐体は厚みのある鋼板で強度を稼いでいます。 特に底面は1.6mm厚のシャーシに加え、3.0mmの鋼板を重ねる2重構造となっています。 メイン基盤、電源トランス、ディスクドライブはそれぞれ制振効果の有る黒色塗装を施したシールドケースで覆われ、電磁的ノイズと振動の影響を防いでいます。
また、ディスクドライブは制振黒塗装鋼板ケースによるシールド構造BDドライブを採用し、 シャーシに強固に固定された鋼板ドライブベースへは減衰性の高いラバー素材によるフローティング構造により設置しています。 これにより、ドライブの内外に発生する振動を最小限に抑制します。 さらに、ディスクトレイの剛性を高めるトレイシャフトの採用や、トレイ部にも制振塗装を施すなど、ドライブの動作をより一層安定させる設計を徹底しています。
映像処理回路としてフルHDコンテンツの情報を余すところ無く引き出す「Precise Pixel Driver」を搭載しています。 フルHDコンテンツの高画質化処理を行なうことで、より緻密で美しい映像を堪能できます。
DACはESS製のSABRE 32bit Reference DAC「ES9018」を採用しています。 各チャンネル4回路の並列処理を行うことで、極めて高精度なD/A変換を実現し音のクオリティを存分に引き出します。 また、回路パターンの吟味を重ね最適なチューニングを施すことにより、さらなる高音質化を図っています。
1986年に発売されたLDプレーヤー「LD-S1」から歴史に名を残す名機を世に出してきたパイオニアの集大成を「BDP-LX88」でぜひ感じてみてください! |
Pioneer BDP-LX88
![4988028263538" 4988028263538]()
◆高い剛性と低重心化により、優れた読み取り性能を実現
◆高い制振性を持つ高精度ドライブ「リジッド&クワイエットドライブ」
◆高画質再生を実現する「Precise Pixel Driver」
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September 29, 2014, 7:22 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 以前、限定モデルとして発売されていた、復刻版の真空管式アンプ「C22」「MC75」が、この度レギュラーモデルとして発売されました。本日は、発売間もない両アンプのオリジナルモデルとの違いや、サウンドを探っていきます。 |
■McIntosh(マッキントッシュ)というメーカーについて
![]() McIntoshは、Frank H.McIntoshによって、1949年(昭和24年)に米国ワシントンで創立されました。その後、現在のニューヨーク州に本拠を移し、超有名なGordon J.GowとSindney Cordermanがエンジニアとして加わったことで、今日まで65年にも及ぶ製品開発の基礎を作り上げました。
McIntoshの製品作りの考え方は、「音楽への愛情」を背景とし、その時々の最先端技術を実用的に精錬して、恒久的な信頼性と安全性を得ることあります。そして、McIntoshのアンプは、その完全性と永続性を求めたオリジナリティ溢れたデザインが特徴となって、現在に至っています。
■オリジナルを踏襲しつつ、最新技術を投入
![]() 復刻版 真空管式プリアンプ「C22」とモノラルパワーアンプ「MC75」こそ、McIntoshを代表する製品であり、その無骨さとスタイリッシュさを兼ね備えたデザインは、非常に魅力的です。
ただ、今回の復刻版は単なる懐古趣味な製品ではなく、伝統的な設計思想は継承しつつも、最新技術や高品位パーツが随所に投入されており、ハイレゾを初めとした最新の高音質音源にも十分対応できます。それらに、McIntoshの魅力を加えて再現する、McIntoshならではの最新鋭機ともいえる製品です。
「C22」「MC75」、共に1960年代にリリースされた同社の歴史的銘機です。特に、プリアンプ「C22」はマランツ「#7(Model7)」と共に、真空管プリアンプの代名詞となっており、過去に何度か復刻されました。2012年には、日本でのみ100台限定モデルとして発売され、人気を博しました。それが今回、レギュラーモデルとして再び登場したのは、誠に嬉しいことです。
■真空管式アンプ「C22」
![]()
オリジナルの「C22」がデビューしたのは1962年。当時、既に一般化しつつあった、ステレオLPレコードに対応したモデルでした。復刻モデルは同社の伝統であるフロントパネルのグリーンイルミネーションのデザインや、オリジナルで使用している真空管「12AX7A」を6本使用するなど、可能な限り外見はオリジナルを踏襲しています。
オリジナルとの違いは、バランス入出力が装備されたことに加え、フォノイコライザー部にMM用とヘッドアンプによるMC用を独立に搭載したこと。さらに、現時点では必須のヘッドホン端子まで増設されています。
セレクタースイッチには経年変化が少ないガス入りリレーを採用し、その他の使用部品もオリジナルより高精度なものとして、信頼性と精度を大幅に向上させています。
一方、オリジナルにあった、トップパネルにマウントされている出力レベルツマミや、フロントパネル中央にあったテープ入力切替は省かれています。また、トーンコントロールや電磁式スイッチの操作性や用途も現代風に改善されています。
パネルの照明には視認性に優れ、省電力・長寿命のLEDによるファイバー照明方式を採用したり、端子類が金メッキになったりと、最新技術と伝統のデザインが融合した、使いやすい製品に仕上げられています。
■真空管式モノラルパワーアンプ「MC75」
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オリジナルの「MC75」は「C22」より1年早い1961年に登場しました。当時はまだ、ステレオLP(1958年発売)が普及し始めた時期で、ほとんどの家庭はまだスピーカーが1台の時代でした。そのスピーカーをドライブするのに企画されたのが、モノラルパワーアンプの本機ということです。
復刻モデルの使用真空管はオリジナル同様、入力段は「12AX7」、ドライバー段が「12AT7×2」、出力段がもちろん「KT88×2」の構成で、出力トランスもオリジナル同様のバイファイラー巻きのトランスを復刻して搭載しています。この構成で、当時としては異例な程の大出力75Wを獲得したのがきっかけで、名前も「MC75」になったのです。
「MC75」発売後、ステレオが急速に普及した結果、ステレオ化した「MC275」がリリースされました。「MC275」は現在、「MC275VI(version 6)」として、好評発売中です。
オリジナルとの違いは、バランス入力の追加やオリジナルの簡素なネジ式から、剛性の高い金メッキのスピーカー出力端子に、大幅にグレードアップされています。
出力インピーダンスは現代の実勢に合わせて、2/4/8Ω(オリジナルは4/8/16Ω)に変更されています。さらに、不慮のトラブルで真空管やスピーカーがダメージを受けないように、セントリー・モニター保護回路を搭載しています。ちなみに、2009年に創立60周年モデルとして復刻されたゴールドシャーシの「MC75」とは、回路構成や部品はそのままで、シャーシをオリジナルのイメージを大切したステンレスの鏡面仕上げとしています。
「MC75」発売当時、性能のバラツキが大きく、2台使用してステレオにすると、左右の音色を揃えるのが至難の業だったことを考えると、今回のペアでの販売は、安定度という面では隔世の感があります。
■サウンドは如何に?
![]() やはり、予想通りの血の通ったホットな魅力的なサウンドです。しかし、最近流通しているヴィンテージ物で感じるあのゆる~い・のんびりとした、アンティークなサウンドとは一線を画した、肉付の良いぶ厚いサウンドながらも、真空管式ゆえのスピード感を伴っており、前にせり出してくるような濃密で力強いサウンドは、いかにもMcIntoshサウンドそのものです。
前述のアンティークなサウンドこそ、経年による特性が劣した結果のサウンドであり、オリジナル機はおそらくこういうサウンドではなかったかと想像させられます。
ただ、最新鋭の機器にはない音楽を思いっきり楽しませてくれるそのサウンドは、大変魅力的です。音楽をオーディオ的に細部にこだわって聴くことを、そのサウンドによって全否定されるような説得力のあるものです。神経質ではない、包容力のある滑らかなサウンドは、長時間のリスニングでも疲れを感じさせないと思います。
また、レコードもMM/MCを問わず存分に楽しめることから、「いずれはマッキン!」とお考えのオーディオ経験の長~いファンにこそ、ぜひお使いいただきたい歴史的銘機の復刻版アンプです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)
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October 10, 2014, 11:44 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 D/Aコンバーターを搭載した多機能プリメインアンプ、SOULNOTE『 da3.0 』。同社のプリメインアンプ最高峰として位置付けされる本機、本日はその魅力に迫ります! |
■国産ブランドのSOULNOTE
![]() 『 SOULNOTE=魂を震わす音 』 そんな音を表現したい…、そんな音を刻みたい…、そんな音を受け止めたい…。 このような志のもと、2006年に、現 代表者兼エンジニアである鈴木哲氏によって、SOULNOTEブランドは設立されました。
鈴木哲氏は、日本では数少ない「顔の見えるオーディオエンジニア」として有名な人物です。 創り出すサウンドは、他の国内メーカーの製品とは一線を画するオリジナリティに溢れており、そのサウンドのスピード感や雑味のなさに共感する人が非常に多くいます。創り出すオーディオ機器は抜群の人気を誇り、いずれもヒット作となっています。
■フラッグシップ機として登場した『 da3.0 』
![]() この度、SOULNOTEが満を持して発表したのが、同社のフラッグシップとなるインテグレーテッドアンプ(プリメインアンプ)の『 da3.0 』です。同社には別のハイエンドブランドに「Fundamental」があり、ラインアンプ(プリアンプ)『 LA10 』はすでに存在しますが、本機はプリメインアンプとしては最高峰に位置するモデルとなります。DACとヘッドホン出力を装備した多機能プリメインアンプ、それが『 da3.0 』なのです。
このアンプの到達目標は、アナログ・デジタルの枠を超えて、あらゆるソース(音源)を受けとり、高音質でスピーカーをドライブする最上級のプリメインアンプを創ることです。そのため、低雑音・低歪のインスツルメンテーションアンプ(バランスアンプ構成で入力から出力まで信号経路をバランス伝送化)とし、最新の国産高精度電子ボリュームを搭載したプリアンプ部、最強のPWM(パルス幅変調)パワーアンプユニット、そして、大容量電源トランスをコンパクトで強靱な筐体に凝縮し搭載しています。
■多機能プリメインアンプ『 da3.0 』の独自性と高音質のノウハウをご説明
![]()
- ・豊富な入出力と優れた「DAC部」
- 入力はアナログ3系統とデジタル5系統で、USB入力も装備した、最新のアンプに相応しい仕様です。
D/Aコンバーター部は、同社のフラッグシップD/Aコンバーター『 sd2.0B 』で定評のあるバーブラウン製「PCM1792」DAC-ICを搭載しており、一般的な単体D/Aコンバーターを大きく上回る変換精度を実現しています。 リニアPCM24bit/192kHzまでのハイレゾサウンドを存分に楽しめます。(DSDには非対応)
- ・高音質と使い勝手を両立した「プリアンプ部」
- アナログ入力やD/A変換後のアナログ信号には、高精度・高速のバッファーアンプとして、TI社「INA103」を搭載して万全を期しています。
その後の音質を大きく決定するボリュームには、0.25dBステップでチャンネルセパレーション120dBを誇る、低雑音・低歪の新日本無線社製 電子ボリューム「MUSES7232」を採用。TI社の高速・高精度アンプ「LME49860」を組み合わせることで、さらに高音質を得ています。
- ・あらゆるスピーカーを鳴らしきる「PWMパワーアンプ部」
- スピーカーの能率やインピーダンスの高低に関わらず、現存するさまざまなスピーカーを鳴らすため、同社が現在最強のD級パワーアンプユニットと捉えているIR(インターナショナル・レクティファイアー)社のPWMドライバー「IRS2092」と出力FET「IRFI4019H」の組み合わせを採用しています。これらは同社のパワーアンプ「sa4.0B」やインテグレーテッドアンプ「sa3.0B」で既に実績を積んでいます。
- ・SOULNOTEの面目躍如たる「高速強力電源部」
- 260VAの大容量Rコアトランスと、同社お馴染みの小容量ハイスピードのコンデンサーを多数パラレル接続してハイスピード化。その小さな筐体からは考えられない100W×2(8Ω)、150W×2(4Ω)の大出力を余裕でひねり出し、音楽のダイナミズムを余さず再現します。
- ・ストレスのない筐体と振動アースを具現化
- オールアルミ製で各パネルの接触面を最小にすることと、組立後の応力の発生を最小限にくい止めるストレスレスシャーシにより、伸び伸びとしたサウンドを実現。
最大の振動源である電源トランスを肉厚のアルミ削り出しベースに強固にマウント。付属のスパイクピンをアンプ底板を貫通してこのベースに直接装着することで、トランスをダイレクトに接地することになり、振動をアース(置き台など)に逃がし、クリアで濁りのない音楽表現を可能にしました。
- ・デジアナ相互干渉を回避
- アナログ入力使用時は、デジタル関連回路の電源をシャットダウン。ツマミ操作やリモコン用のシステムマイコンも通信時以外はシャットダウン。ノイズフロアを激減させ、S/Nを大幅に向上させることで、一体型デジタルプリメインアンプとしてのデメリットを払拭しています。また、今や必需となったヘッドホンにも高忠実度アンプを採用して、万全の備えをしています。
■肝心の音質は?
![]() 水を得た魚の如く、スピーカーが持っているポテンシャルを引き出し切るといった表現がピッタリです。今まで自分は、何とチマチマしたオーディオで満足していたのかと考えさせられたりもします。さすがに、超ハイエンド・超ハイパワーでドライブする超大型スピーカーで再現できる超低域とまでは無理ですが、一般家庭でブックシェルフから中型トールボーイスピーカーまでを思いっきり楽しみたい方には打って付けではないでしょうか。
とにかく見通しの良い、吹っ切れたサウンドは爽快であり、その生々しく実在感を伴ったサウンドは格別です。聴いていて自然と体が動いてくるような、あのライブコンサートに行った感覚といえば分かり易いでしょうか。実に楽しい、血の通ったサウンドが目の前に展開するのです。
この『 da3.0 』は、国産アンプによくある、とにかく情報量が多く、生真面目で、ある枠からはみ出さない、優等生タイプのサウンドや、英国製を中心としたヨーロッパ系の中級アンプにある落ち着いた滑らかなサウンドとも違う、どこか海外のハイエンド製品に通じる、決して枠にはまらない、生き生きとした実に楽しいサウンドを聴かせてくれます。
音楽がこんなに楽しく聴けるアンプが国産で手に入るのですから、現在お使いのアンプがお持ちのスピーカーを鳴らしきっていないのでは?とお考えの方に特にお勧めいたします。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん)
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October 12, 2014, 8:36 pm
「担当者のコメント」 by asakura
![Cd5_3 Cd5_3]() 画期的なベルト交換が可能な初めてのベルトドライブメカ搭載CD専用プレーヤー「CD5」がCECより発売されました。しかもDSDなどのハイレゾ音楽ファイルにも対応した高性能USB入力付きと言う、アナログチックな部分と最先端の部分を併せ持つ二刀流のプレーヤーです。
CECは、かねてよりベルトドライブCDメカを使ったCDプレーヤーをリリースし続けており、そのアナログチックなCDサウンドは、音の分かるオーディオファイルの間で愛好されてきています。
特にこの「CD5」は、いつでもベルトの状態を確認できるようメカニズムの構造を一新しており、必要に応じてレコードプレーヤーのように自分でベルトの交換ができるようになったのです。 ここで、何故ベルトドライブCDメカが音質的に有利なのかと申しますと、通常のCDプレーヤーではディスク回転軸=モーター回転軸ですが、ベルトを介することでディスク回転軸からモーターを遠ざけることで、振動はもちろん電磁気的なノイズからの影響が軽減できるのです。 さらに付属の真鍮製のスタビライザーを使用することで生み出される慣性の力で回転がより滑らかで安定し、繊細でまろやかな、どこかアナログサウンドに通じる音楽性豊かなCDサウンドが実現するのです。
そして新製品の「CD5」の目玉機能は、従来のCECのベルトドライブCDプレーヤーになかったUSB入力の装備です。しかも内蔵D/AコンバーターのDACには音の良さで定評があり、ハイエンドDACによく使われるESS社の32bit対応ハイパーストリームDAC《ES9018K2M》通称“SABRE”を採用しているのです。 この結果、USB入力はPCM:32bit/384kHz、DSD:128/5.6MHzのDoP再生に対応しています。もちろんCOAXIALやTOSのSPDIF入力は24bit/192kHzまで対応しています。 しかもアナログ出力は、RCA端子だけではなくXLRバランス端子まで装備しており、さらに高音質を追求できます。 唯一の欠点(と言えるかどうか?)は、SACDソフトに未対応なことです。それはベルトドライブ故の必然なのですが、ここは我慢いただくとして、この価格レンジの製品としては、それ以上のパフォーマンスを実現しています。 真のアナログサウンドをご存知なベテランのオーディオファイルに自信を持ってお勧めします。 |
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October 20, 2014, 10:00 pm
「担当者のコメント」 by.Yokoi |
★本日紹介させていただくのは、11月14日発売予定のオーディオテクニカのMCカートリッジ「AT-33Sa」です。 既に沢山のユーザーから好評をいただいている「AT33シリーズ」の新モデルでシバタ針を採用しています。
シバタ針は日本ビクターが開発したディスクリート4チャンネル方式のCD-4盤を再生するための特殊な針で、 通常のステレオ再生用よりも遥かに小さい曲率半径を持つ針です。 これにより優れた高域再生に加え、豊かで芯の強い中低域の再生が可能となっています。
カンチレバーには従来から採用されているボロン無垢材を使用しています。
コイルキャップ部には、最大エネルギー積、BHmax:50[kJ/m3]のネオジウムマグネットと、 高い飽和磁束密度のパーメンジュールヨークを採用することで磁気エネルギーを強化しています。
コイルにはPCOCCを採用し、よりピュアな伝送を実現しています。
ぜひ、オーディオテクニカ初となるシバタ針を採用した「AT-33Sa」をご検討ください! |
audio-technica AT-33Sa
![4961310128968" 4961310128968]()
◆シバタ針搭載MCカートリッジ
◆改良型ボロン無垢テーパーカンチレバーと振動系の軽量化
◆磁気エネルギーを飛躍的に高めたネオジウムマグネットとパーメンジュールヨーク
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October 22, 2014, 10:34 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今回は、発表直後から大ブレークし、予約が殺到したPIONEERのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「U-05」を取り上げます。人気の理由は、ヘッドホンファンにとっては、最高のスペックであったことにあります。しかも、実売10万円切る価格なのですから当然といえば当然かも知れません。
◎PIONEER「U-05」がブレークした、主な理由 1:バランスヘッドホン端子を2系統(XLR3/XLR4タイプ両方)装備 2:ハイエンド製品に使われるESS製DACチップ「ES9016」を2基搭載 3:DSD5.6MHzネイティブ、ハイレゾPCM384kHz/32bit再生に対応
また、ヘッドホンアンプとしての実力もさることながら、我々オーディオファイル(AudioPhile)としては、USB-DACとしての実力も気になるところです。そこで、自宅のリファレンス機器で、操作性や音質を徹底チェックしましたので、あわせてご覧ください。
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■高級ヘッドホンアンプとして人気が爆発
![]() ヘッドホンアンプとして見た印象は、かなり大型でズシリと重く(6.3kg)、堂々としたアルミの外観で、凝縮感のある小型アンプ(横幅296mm)といったデザインです。造りの良さは、ハイエンドオーディオ機器としても違和感のない仕上がりです。
ヘッドホンアンプとしての音質も、異常なまでのこだわりを見せ、デジ・アナ分離の余裕のある電源部をはじめ、D/A変換からヘッドホン出力に至るまでフルバランス回路を搭載して、外乱ノイズを極限まで抑えています。しかも、ノイトリック製の端子を採用するなど、リケーブル対応型のヘッドホンを最大限生かせる充実の内容で高音質を追求しています。
■「U-05」で何が出来るのか
![]() DACチップとして採用されているES9016は「SABRE DAC」とも呼ばれ、1チップで8chに対応しており「U-05」では2基搭載しています。本来なら1チップで十分なのですが、そこを敢えてモノラル動作で使用し、8chパラレル駆動させることでS/Nを向上させる目的です。従来、ハイエンド機にのみ使われてきた手法ですが、この価格帯のDACで実現できたのは、実に画期的なことであります。
本機専用のASIOドライバーをダウンロードすることで、話題のDSDネイティブ再生に対応しているのも魅力です。まだまだDSD音源はPCMに比べ圧倒的に少ないのが現状ですが、PCにインストールして使用するプレイヤーソフトの中には、PCMファイルをリアルタイムでDSD型式に変換して再生可能なもの(KORG AudioGate3など)も増えてきており、好みによって選べるというメリットもあります。
また「U-05」では、PCM再生・DSD再生のそれぞれに、3つのデジタルフィルターが用意されています。入力信号がPCMの場合は「SHARP」「SLOW」に加えて、PIONEER独自のパラメーターによる「SHORT」を選択できます。入力信号がDSDの際は「MODE1」「MODE2」「MODE3」の順に、可聴帯域外の高域の減衰量を変更でき、これらのデジタルフィルターを切り換えることで音の違いを楽しむことが出来ます。
機能・ポジション別では、Hi-Bit32機能によるビット拡張、Up Sampling機能による最大352.8/384kHzまでのアップサンプリング(LOW/HIGHの2段階)が可能です。もちろん、本来の本機のDSPを経由しない『DIRECT』設定にもボタン一つで戻せます。
入力は、USB(B Type)の他にCOAXIAL(2系統)、OPTICAL(2系統)、AES/EBU(1系統)と非常に豊富で、複数のデジタル機器をお持ちならセレクターとしてもプリアンプとしても使える多機能ぶりです。ヘッドホンの場合は、より細かく音量調整が可能な「FINE ADJUST」があるのも便利で、痒い所に手の届く設計と言えるのではないでしょうか。
■より高音質にこだわりたい人のために
![]() この「U-05」の最もマニア心をくすぐる所をご紹介いたします。
それは、同じジッターのクロック入力でもロックレンジ幅を狭めることで、付帯音を少なくして音質を向上させる「LOCK RANGE ADJUST」機能と名付けられたもので、より音質にこだわりたい方向けの機能です。
ただ、ロックレンジを狭めることで、音質は良くなりますが、その分マージン(余裕)がなくなるため、ノイズが出たり、場合によっては音が出なくなってしまうというリスクもあります。逆にいえば、ロックレンジを広げると、どのような機器を繋いでも安定した動作をするのです。
一般のデジタル機器は、どんな環境でも安定して動作するといった仕様にせざるを得ず、マージンを広くとることで、ある程度妥協された設計となっています。しかし、「U-05」はその調整をユーザーにゆだねた所が高度なマニアック仕様という理由(わけ)です。
■実際に試聴してみました
![]() さて、自宅での試聴結果をご報告いたします。
いつものように、自宅の通常使用しているUSB-DACを外して「U-05」に繋ぎ替え、PIONEERのホームページから専用ドライバーを手順に従ってインストールして準備完了。
まずは、DIRECTポジションでPCMのハイレゾ音源を聴きました。 ※この時点でデジタルフィルターは、PCMのデフォルト「SHARP」が適用されます。
PCM再生時のディスプレイ表示 いかにもPCM、といった力強い低音で輪郭のハッキリしたオーディオ的なサウンドです。これはこれで聴き慣れたサウンドではありますが、ある意味、価格相応といった所でした。
PCMの次はDSD音源です。従来、DSDのもつ繊細で自然なサウンドイメージとは少し違い、先ほどのPCMと大きな差は感じずPCMに似たイメージのサウンドでした。そこで、本機のリモコン機能にある、デジタルフィルター切り換え(DIGI FILTERボタン)をそれまでの「MODE1」から「MODE2」にしてみます。すると、透明感・滑らかさが加わりスッキリした従来のDSDが持つイメージのサウンドになりました。 ※DSD再生でのデジタルフィルターは「MODE 1~3」となります。 入力信号がDSDの場合はこのように表示されます 「MODE3」も試してみると、奥行き感のある優しいサウンドになり、ピアノはさらに滑らかになって、これぞDSDと言える、実にキメの細かいナチュラルサウンドとなったのでした。
PCMハイレゾ音源でも、デジタルフィルター切り換え機能で、音質がどう変わるのか確認してみました。デフォルトの「SHARP」は前述の通りですが、「SLOW」を選択しますと、柔らかで温かいサウンドに変化し、ボーカルが前に出てきて歌い始めました。「SHORT」では、立ち上がりの早いガッツのあるサウンドとなり、特にギターの立ち上がりが出色でした。
個人的には「SLOW」が好みですが、試しに電源ケーブルをAcoustic Revive POWER SENSUALに交換し、デフォルトの「SHARP」状態でプレイしますと、それまで左右のスピーカーの間に並んでいた音像がググッと奥行きを増し、それまでの若干ドンシャリ気味だったサウンドが厚みと安定感のあるものになったのです。
さらに、本機独自の機能である「LOCK RANGE ADJUST」機能を操作してみました。上級者向けの7段階の調整をして、ロックが外れる一つ前の段階が最も透明度が高く、響きが豊かで、奥行きが深くなったのでした。 ※ソフトによっても異なります。
また、ビット拡張であるHi-Bit32機能や、最大352.8/384kHzまでのUp Sampling機能も試しました。確かに、音質は滑らかで立体感もアップしましたが、一部に不自然さを感じる場合もありました。
■私個人の結論として
![]() 良質な電源ケーブル、良質なUSBケーブルが前提となりますが、個人的には、ハイレゾ音源の再生ならばDIRECTポジションで、「LOCK RANGE ADJUST」を音声がとぎれる直前のポジションで聴くのが最高、との結論に達しました。
ヘッドホンアンプとしても超一級品。超多機能で、一粒で5度美味しい PIONEER「U-05」は、マニアックなオーディオファイルに強くお勧めさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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November 1, 2014, 1:46 am
■RCAケーブルの「信号が逆流してしまう」問題
![]() 従来からハイエンド機器では、音が良いという理由からバランス接続が常識のようになっています。 一般的にいわれている「外来ノイズに強い」という理由以外に、XLRバランスケーブルでは、接続端子間でのインピーダンス・マッチングが取られているため、信号の一部が逆流する「反射」という現象が起きないことも、高音質の理由なのです。
一方、RCAケーブルは、ケーブルや端子のインピーダンス・マッチングはこれまで曖昧にされてきました。 電気信号は、インピーダンスが急激に変化する箇所では、信号の一部が逆流(反射)してしまいます。その結果、反射して戻ってきた信号が本来の信号とぶつかり、相互に影響を与えてしまい、本来の信号が変化してしまうのです。具体的には、反射で戻ってきた信号が、位相が遅れた信号として元の信号に重畳された結果、ジッター(位相歪)となって現れるのです。これは、高周波領域で特に顕著で、従来からデジタルケーブルでその影響が大きいといわれてきていました。
この反射は、水面に投石したときのことを頭に浮かべると分かりやすいと思います。 投石によって、水面に波紋が生じます。波紋は減衰しながら衝撃を次々に伝えていきますが、障害物にあたると波紋が反射して戻ってきます。この時、進んでいる波紋と、反射して戻ってきた波紋の、波の山と山が重なれば、より大きな波になり、山と谷が重なれば、打ち消し合います。この波紋で起きていることが、オーディオ信号でも同じように起こっているのです。
■アスカが考えた「信号伝送能力が優れているケーブル」
![]() 実は、可聴帯域のアナログ信号でもこの反射が起こっていたのです。位相の遅れた信号が幾重にも重なり、音像の輪郭をにじませ、フォーカスの甘いサウンドに変形させてしまっていました。RCAケーブルのプラグやオーディオ機器の端子との間で特に大きいにもかかわらず、出来るだけインピーダンスの整合を取るという対策しか取られておらず、この反射をどう押さえるかといった対策は全く手つかず状態でした。
そこでアスカは、この影響の大きい反射を防いでしまう、信号伝送能力が優れているケーブルであれば、良い結果を出せるはずと考えたのです。それが、RCAケーブルフィルター『 RCA-MASTER 』なのです。
RCAケーブルフィルター『 RCA-MASTER 』は、4.0×1.9×1.7cmの金属製の小さな箱で、両端にRCAのオス・メスが付いています。全長11.7cmという簡単な形状ながらも、ズシリとした重さがあります。これを信号を入力する機器に差し込み、さらにお使いのRCAケーブルを差し込みます。ちなみに、アダプターの長さが12cm近くありますので、接続には機器の後方に20cm弱のスペースが必要になりますことを予めご承知おき下さい。
■自宅で『 RCA-MASTER 』を使ってみました
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まず、プリアンプとパワーアンプ間でパワーアンプの入力端子に使用しました。若干厚みが抑えられ締まった感じはありましたが、透明度が大幅にアップし、立ち上がりがスッキリして、音のヌケが非常に良くなり、弾む感じが出てきました。特に、シンバルが爽やかに響き、ピアノのまとわりつきや揺らぎもなくなり、一音一音がクッキリ浮かび上がってきました。これは、信号の反射による位相遅れによって生じたにじみやベールが取れた結果だと考えられます。まさに、水中メガネで綺麗な海底を見たような感覚といえば分かりやすいでしょうか。
次は、さらに上流であるD/Aコンバーターとプリアンプ間でプリアンプの入力端子に使用しました。こちらは、先ほどのプリ・パワー間と比べ、大きく上回る効果が確認できました。立ち上がりやヌケの良さに加え、透明さや見通しの良さを保ちつつ、ふくよかさや温かみが加わり、生々しくまろやかな心地よいサウンドに変貌したのです。これこそ、かつて聴き慣れたレコードによる、アナログサウンドに限りなく近づいたといえるのではないでしょうか。
■リファレンスソフトでご説明いたしましょう
![]() 私のリファレンスソフトである、リヴィングストン・テイラー「Ink」(96kHz/24bit FLAC音源)の1曲目は、口笛のにじみがなくスッキリと伸び、情報量も従来より明らかに増しており、音場の奥行きがかなり深くなっていました。
続いて、これも定番ですが、ビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビー」(96kHz/24bit FLAC音源)は、ピアノにまとわりつくモヤモヤ感がなくなり、引っかかりのない気持ちの良い鳴り方になりました。シンバルの透明度が上がり、消え入る瞬間まで確認できます。また、低音も超低域まで輪郭がハッキリとして、弾力性を伴って正確に再現するようになってきました。
そして最近、私のリファレンスソフトに加わった、森山良子の「この広い野原いっぱい」(192kHz/24bit FLAC音源)では、彼女の若々しくふくよかで、透明度の高い清々しいボーカルが再現されました。時代を越えて、アナログマスターの素晴らしさを実感しました。
■最後に
![]() この後、いろいろなジャンルのソフトを聴きましたが、そのすべてにおいて「デジタル臭さ」(ジッターによるものといわれる)が消え、アナログに極めて近いサウンドが再現されました。立体感や臨場感といった要素は間違いなく向上し、アナログ時代のように、心地よく安らいで音楽が聴けるようになりました。ジッターによる位相ノイズが減ったというよりは、揺らぎ・歪みがなくなったことで、本来の「鮮度の高い音」を再現している、と表現した方が良いかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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November 2, 2014, 8:49 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 本日取り上げるのは、数々のノウハウを詰め込んだ、B&W(Bowers & Wilkins)のスピーカー「新CMシリーズ」です。従来の800シリーズはちょっと…、600シリーズでは何か物足りない…、とお考えのオーディオファイル(Audio Phile)に、自信を持ってお勧めします!中でも、新CMシリーズ唯一の「トゥイーター・オン・トップ」を採用したスタンドマウントスピーカーで、音質・価格ともに大変素晴らしい「CM6 S2」は、今回の目玉と言えるのではないでしょうか。 | ![]() B&W 2ウェイ・ブックシェルフ型 スピーカー『 CM6 S2 』 (スタンドは別売) |
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November 5, 2014, 12:12 am
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 今回は、国産スピーカーとしては久々に、私に使ってみたいと思わせた『 クリプトン KX-1 』を取り上げます。
本機は、「メイド・イン・ジャパン」の銘機作りを目指して開発されており、高級感のある美しいモアビ突き板を採用。音楽性豊かな音質と、美しい木目のエンクロージャーに仕上げられ、音楽を聴くためのスピーカー「ハイレゾ時代のミュージックモニター」という名にふさわしい、完成度の高いスピーカーです! |
■クリプトンの歴史と同社のこだわり
![]() クリプトンは、「蘇るメイド・イン・ジャパン」というポリシーのもと、今から約10年前の2005年にスピーカー事業に参入しました。初代機となるスピーカー「KX-3」は、シリーズ化され「KX-3M」「KX-3P」「KX-3U」「KX-3PII」と、5世代にわたってヒット作を出し続けています。
さらに、ハイレゾ音源対応ブックシェルタイプのフラッグシップとして「KX-5」を、そして堂々たるトールボーイタイプの「KX-1000P」を発売し、陣容を固めています。いずれも、オーディオ誌での評価は高く、各誌主催のアワードも多数受賞しています。
同社のスピーカーの開発者である渡邊 勝氏は、確固たる理論と長年蓄積したノウハウ、そして新たな発想と妥協のない部品を選定することで、当初から全くブレることのない製品開発に徹してこられました。特に、音楽性豊かで躍動感のある、伸びやかな低音再生のため、頑なに密閉型と「メイド・イン・ジャパン」にこだわったスピーカー作りを貫いています。
余談ですが、渡邊氏は元々、ビクター(現JVC)のスピーカー開発者でした。ビクター時代に開発した「SX-3」という、25cmウーファー+ソフトドーム・ツイーターの2ウェイ密閉型ブックシェルフ型スピーカーは、その後の国産スピーカーの流れを変えたといっても過言ではない、大ヒットを記録しています。(私自身も学生時代「SX-3」を使っていました)その後、「SXシリーズ」や「ZEROシリーズ」などのベストセラーを次々と生みだし、ライバルのダイヤトーン(当時の三菱電機のスピーカーブランド)との国産2強の戦いを演じたのでした。
今回、そのクリプトンがラインナップをさらに充実させるため、普及クラスでありながらリファレンスモデルともいえるハイコストパフォーマンス機「KX-1」を完成させたのです。
■主な特徴とその魅力について
![]() クリプトン「KX-1」の特徴とその魅力について、ご説明いたします。
- ◆ 2ウェイ・スピーカーブックシェルフ密閉型
- 同社のハイエンド・ブックシェルフ型スピーカー「KX-5」と、全く同寸法のエンクロージャーと、全く同じユニット構成(170mmウーファー+35mmツイーター)を採用。しかも、同社の所以たる完全密閉型をこのクラスでも採用しています。
- ◆ 砲弾型イコライザー付リングダイアフラム・ツィーター
- ハイレゾ音源を余すことなく再現するため、中高域の透明感の向上と高域周波数レンジ50kHzまでの拡大を目指し、新たに、砲弾型イコライザー付ピュアシルク35mmリングダイアフラム・ツィーターを開発。
- ◆ 伝統のクルトミューラーコーン振動板ウーハー
- 高能率で低歪みを目指したウーハーには、fo(最低域共振周波数)を35Hzとした170mmを採用。低域までのダイナミックレンジ拡大と、反応の良いのびやかで豊かな低音再生のため、タンノイをはじめとした海外の銘機に数多く採用された実績のある、クルトミューラーコーン紙を採用しています。
- ◆ 磁気回路はアルニコではなくフェライトを採用
- ボイスコイルはエッジワイズのロングトラベルボイスコイルを採用、低域のリニアリティを改善しています。また、価格を抑えるために「KX-5」のアルニコマグネットではなく、フェライトマグネットが採用されています。アルニコには、ニッケルやコバルトなどの稀少金属が使われているため価格が高騰しており、スピーカーに最も使われていた頃と比較すると、現在の価格は20倍ほどにもなっているとのことです。
これをフェライトにする事で、コストを大幅に抑えられたそうです。ただ、単純に音を犠牲にしてコストダウンしたのではなく、「フェライトからアルニコの音をなんとか出したい」と工夫した結果、大きなフェライトを使い磁束密度をどんどん高めていくと、アルニコのような音に近づく事が分かり、ユニットの口径からは大きめのマグネットを採用することで上位モデルの音に迫るパフォーマンスを実現したのです。
- ◆ 木目のエンクロージャー
- 自然材モアビ突き板を採用した、6面ポリウレタン塗装仕上げで美しい木目のエンクロージャーは、高級感に溢れ、まるで高級な楽器のようです。
- ◆ 贅沢に高音質を追求した、かしめ方式の高品位デバイディングネットワーク設計
- このこだわりが、優れたスピーカーユニットの音を極限まで引き出します。「KX-5」はバイワイヤ接続対応ですが、「KX-1」はシングルワイヤ接続のみとなっており、非常に実用的です。
- ◆ 厳選された天然ウールの吸音材
- 密閉型では非常に重要な吸音材には、厳選した天然ウールを採用。ウーハーの優れた低域特性と相まってトランジェントの良い豊かで伸びやかな低音再生を実現しています。
これら高級機から踏襲した伝統技術と最新技術を贅沢に融合し、徹底した高音質設計を実現。躍動するスケール感と高品位な再生を可能にしています。
■試聴しました
![]() 先日、ジョーシン日本橋1ばん館で「KX-1」を聴いてきました。音質は従来の「KX-3」シリーズや「KX-5」と同様、密閉型ならではの締まりのある制動された低域を継承していました。マグネットがフェライトに変わったことによる駆動能力でのマイナス面は感じませんでしたし、中高域はソフトドームならではの温かい人肌を再現できており、国産のこのクラスとしては出色のスピーカーです!
また、音像はフォーカスされ透明度の高さは上級機にも劣りません。ブックシェルフならではの空間表現や音像の立体感の再現性は素晴らしく、ニュートラルでどこにも強調感や硬さのないクリプトン・サウンドは、低価格の本機「KX-1」にも十分引き継がれています。本機との組み合わせには、同社のスピーカースタンド「SD-1」をお勧めします。
私自身、久々に自宅で使ってみたいと思わせた国産スピーカー「KX-1」の登場です。ぜひ、ご購入をご検討ください。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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November 10, 2014, 9:54 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 本日取り上げるハイエンドオーディオは、ヘッドホンのために数々のノウハウを惜しげもなく投入した、マランツ初のUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ『 HD-DAC1/FN 』です。シーラスロジック製DACチップ「CS4398」を搭載したり、バランス接続ではなくステレオ標準ジャックが1系統のみの装備など、随所にこだわりを見せています。今回も自宅で試聴しました。試聴結果もあわせて、ご覧ください。 |
■最近のヘッドホンアンプ市場について
![]() ヘッドホンリスニング全盛の昨今ですが、ヘッドホンからより良質なサウンドを得るため、それらをドライブするためのヘッドホンアンプが多数のメーカーから発売されています。当初は、パソコンメーカー製や海外の新興メーカー製が席巻していましたが、数年前から国内オーディオメーカーが次々と参入。さらに、当初のポータブルのみならず、ここ1~2年はデスクトップやオーディオ装置に組み込む目的の据置型のヘッドホンアンプが市場に数多く投入されてきました。
■マランツ初のUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ
![]() マランツ「 HD-DAC1/FN 」は、ヘッドホンアンプとしては少々大型で、横幅25cm・高さ9cm・重さ5kgと堂々とした筐体になっています。同社伝統のシルバーゴールドにサイドウッドを装備しており、ゴージャスに仕上がっています。
HD-DAC1/FN 背面 音声入力端子にはUSB-B入力に加え、同軸 1系統、TOS 2系統の入力を装備し、デジタルプリアンプとしても使える仕様です。フロントにもUSB-Aの入力端子もあり、iPodやUSBメモリーもダイレクトに接続することができます。ポータブルDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)のためのアナログ入力(ミニプラグ)も用意されています。
■シーラスロジック製「CS4398」のDACチップを搭載
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シーラスロジック製「CS4398」 搭載されているDACチップは、同社のSACDプレーヤーにも使われているシーラスロジック製「CS4398」で、PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzにも対応する最先端のスペックです。先に発売されたネットワークプレーヤー「NA8005」で採用された、同社独自技術の8個16回路のデジタルアイソレーションにより、DACの手前で、外部機器からのデジタル(高周波)ノイズの侵入を徹底的に遮断し、より純粋で鮮度の高いハイレゾサウンドの実現を目指しています。 ※シーラスロジック製「CS4398」は、マランツが過去にオランダ フィリップス陣営として開発に加わった「CS4397」の後継チップで、その構成を熟知しているといわれています。
また、デジタル機器で最重要のクロックは、44.1kHz系と48kHz系を独立させ、高精度なものを搭載しています。これにより、D/A変換精度をさらに上げ、ジッターも最小限に抑えています。
■ヘッドホンアンプ部にもこだわっています
![]() ヘッドホンアンプとしての実力は、同社ハイエンドアンプの技術を移植するというこだわりようです。
ヘッドホンアンプ部 具体的には、独自の技術である最新のHDAMを採用し、フルディスクリート構成無帰還(0dB)バッファーアンプを採用することで、ヘッドホンからの逆起電力の影響を排除して、ポータブル型とは次元の違う正確無比な駆動力を獲得しています。その結果、幅広いヘッドホンのインピーダンスにも完璧に対応できたとのことです。
また、ポータブルでは全く考えられないことですが、電源部はシールドケースに入った大型のEIコア型トランスを搭載し、回路ブロックごとにトランスの巻き線を独立させ、相互に干渉しないようにもしています。
■パイオニア USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプ「U-05」と比較して
![]() ヘッドホンアンプとしての仕様は「U-05」とは対照的で、現在大ブレーク中のバランス対応ヘッドホンには全くの非対応で、通常のステレオ標準ジャックが1系統の装備だけです。しかし、ヘッドホンで聴くハイレゾサウンドは、ヘッドホンのバランス駆動が本当に必要なのかと改めて考えされられるサウンドでした。
ヘッドホンのために、同社のハイエンドアンプのノウハウを惜しげもなく投入しており、贅沢(ぜいたく)な回路を搭載したヘッドホンアンプならではのサウンドともいえます。ワイドレンジでしっかりしたグリップ力のあるサウンド。広がり感があり、ヘッドホンを感じさせない澄み切った空間感を味わうことができました。この高密度なサウンドは、スピーカーリスニングとは別次元のハイエンドサウンドといえます。
■気になるUSB-DACは?
![]() 次は、USB-DACとしての実力を探ってみましょう。
パイオニア「U-05」とは、機能的にも全く対照的です。ビット拡張・ハイサンプリング・デジタルフィルターの切り換え、そして、ロックレンジアジャストなどのデジタル音源を少しでもハイレゾ化しようとする試みが一切ないことです。それは取りも直さず、オリジナル音源を忠実に色付けなく再現することを最優先にした設計だからでもあります。これは従来からのマランツの信念といえるものなのです。
USB-DAC部は、同社のネットワークプレーヤー「NA8005」に準じた構成になっています。しかし、LANのネットワーク回路を省略できたことで、電源部に余裕が生まれ、ノイズに対しても優位となり、前述のデジタル・アイソレーターをマイコン系の回路にまで挿入しているとのことで、ノイズ対策の面では更に進化を遂げています。
■試聴してみました
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約半日間、電源を入れたままの状態でヒートアップした後、自宅で聴いた第一印象は、非常にしっかりとした低域で、押し出し感のある重低音でした。高域の立ち上がりも素晴らしく、アクティブ系のサウンドのようです。CDからリッピングした44.1kHzでも、DSDでも共通の印象で、どこかアナログサウンドに通じる、血の通ったものを感じました。
DSDは、意外にも力強い低域との印象を受けました。それは、DSDの少々ナヨナヨした低音をイメージして聴いたからですが、ここまで地に足のついた低音をDSDで聴いたのは、このクラスのDACでは初めてかも知れません。中高域は、DSDならではの滑らかさと抜けの良さが印象的でした。また、シンバルの鮮度の高さは、本機のノイズ対策の効果ではないかと考えます。
PCMでは、輪郭がさらに鮮明になり、立ち上がりもダイナミックで、グイグイと前に迫ってきました。ただそれがオーバー気味になるのではなく、節度を持って制動された、しっかり鳴るという印象でした。良い意味でのドンシャリ、躍動感に溢れた有機的なサウンドといえるのではないでしょうか。そこには、どこかアナログサウンドに通じる、老舗オーディオメーカーならではの「こだわりのサウンド」を感じました。
ここまでの試聴は、「 HD-DAC1/FN 」に付属の電源ケーブルで行ってきました。このケーブルには極性表示がなく、極性をテスター(電位差の低い方が同相)と試聴で一応は決めましたが、やはり極性表示は欲しいと感じました。
最後は、Acoustic Reviveの電源ケーブルに交換して試聴してみました。すると、音数が圧倒的に増え、中低域の厚みが増し、奥行き感がアップし、さらに音楽性も加わってきました。やはり、本機も電源ケーブルを替えなければ、実力が80%程度しか発揮してないのではないかと感じたのでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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November 9, 2014, 7:07 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 本日は、完全バランス対応の入力部を備えたMCカートリッジ用昇圧トランス フェーズメーション『 T-500 』を取り上げます。私自身、アナログを極めつつあると思っていましたが、「T-500」の存在を知ったことで、アナログを極めるにはまだまだやることがあったと痛感させられました。 |
■私自身「目からうろこ」だったこと
![]() 今回のフェーズメーション『 T-500 』を取り上げるにあたり、私自身、「目からうろこ」だったことが2つありました。
- ◆ ステレオレコードのL/Rは、逆相で記録されている
- ステレオレコードの規格として、当初、ステレオフォニック信号を溝の深さを変えて記録する「高低変調記録方式」と、左右方向に変調させた「横波変調記録方式」を組み合わせた英デッカが提唱する「VL方式」と、米RCAが主導するレコード盤への記録角度を45度傾け、L/R逆相にして記録する「45/45方式」が検討されました。しかし、左右の音質バランスが揃っていることと、モノラル再生との互換性にも優れていることから、結局「45/45方式」が採用されたのでした。
L/Rを逆相にした理由は、斜め45度の方向の振幅のため、大振幅時に針が飛んでしまうということが起きます。これを避けるために、LchとRchを逆相にして音溝をカッティングすることで、この針飛びを解決したのです。この逆相状態を補正するため、ステレオカートリッジの出力部分は、LchとRchが逆相になっているのです。その副作用として、モノラル盤をステレオカートリッジで再生した場合、信号の打ち消し合いが発生して、音が痩せて聴こえてしまうことが往々にしてあり、モノラル盤はモノラル用カートリッジで聴いた方が力強く聴こえるのはそのためだったのです。
- ◆ MCカートリッジの出力はバランス信号である
- MCカートリッジは、内蔵コイルによって発電されるため、コイルの両端にはプッシュプルの信号が発生し、それはバランス信号となっています。本来、MCカートリッジの出力のような微弱なバランス信号はバランス伝送するのが理想なのですが、アンプのフォノ入力はRCA端子によるアンバランス受けになっているため、バランス伝送のフォノケーブルがほとんど存在しないのが現状です。
また、本来フォノイコライザーは、MMカートリッジでゲインを得られるように設計されているため、MCカートリッジではゲインが不足し、ヘッドアンプや昇圧トランスを介するのが一般的でした。その昇圧トランスの一次側(入力側)を『 バランス入力で受けることに目を付けた 』のが、フェーズメーションなのです。 ■フェーズメーション『 T-500 』とは
![]() 前述のように、MCカートリッジはコイルによって発電するため、コイルの巻き始めと巻き終わりでプッシュプルで動作するバランス動作をしています。その特徴を最大限に活かすべく、完全バランス対応の入力部を備え、高音質を目指したMC昇圧トランスが「T-500」です。
![]() T-500 背面 本来、バランス動作しているコイルからの出力を、従来から我々は何の疑問も持たずにアンバランス接続(RCA→RCAピンケーブル)で伝送していました。その結果、MCカートリッジの微弱信号をバランス伝送することのメリットを大きく損なってしまうだけでなく、外部ノイズにさらされることで直接音質にも影響してしまっていました。
そこで「T-500」では、バランス型のフォノケーブル(同社のCC-1000D/CC-1000R)を使用することで、カートリッジのコイル部と「T-500」の内蔵トランスのコイル部までがプッシュプルの平衡型で伝送され、それをシールドが包む形となることで、誘導ノイズ等の外部ノイズをほぼ完全にシャットアウトできたのです。また、トランス入力部の中点と出力部のマイナス側を接続することで、カートリッジから見ると完全バランス接続(2番HOT)になるのです。
さらに、従来ハンドメイドでなければ難しいとされていた特殊分割巻き線構造のトランスの量産化を自社で実現し、広帯域かつ優れた位相特性を獲得したのです。この結果、可聴帯域内の位相歪みが激減し、非常に音像定位が明確になったのです。
内部のトランス部は、外部振動が伝播しないように発泡ポリエチレンフォームで支持され、高S/Nを実現しています。またシャーシ中央に左右分割のシールド板を追加することで、聴感上のセパレーションを大幅に向上させたのです。
もちろん、従来のアンバランス型フォノケーブルでも高音質を実現できますが、別売のバランス型フォノケーブルを使用することで、更なる高音質が実現します。結果、「T-500」とバランス型フォノケーブルを使って、お持ちのプリメインアンプやプリアンプのMMのフォノ入力で受けることで、アンプのMC入力で直接受けるより、遙かに高音質のアナログサウンドが実現するのです。
このバランス型フォノケーブルとの組み合わせこそ、「アナログもまだまだ極め尽くされていない!」というフェーズメーションの主張を実感しました。「T-500」をご購入の際は、バランス型フォノケーブルの同時購入を絶対にお勧めします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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November 17, 2014, 5:59 pm
![]() | こんにちは、ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。 今回は、デノンから満を持して発売となったハイエンドプリメインアンプ『 PMA-SX1 』を取り上げます。増幅素子の大型化、CR型フォノイコライザーの採用、他回路への影響を最小限にする「シンプル&ストレート思想」など、幾多のノウハウを詰め込んだ新モデルの魅力に迫ります。試聴結果もあわせて、ご覧ください。 |
■アキュフェーズ・ラックスマンだけが、国産ハイエンドではない!
![]() デノンのハイエンドSACD/CDプレーヤー「DCD-SX1」が発売されて約一年。この度、ペアとなるべきアンプ「PMA-SX1」が、遂に登場しました。本来なら同時発売が慣例ですが、この一年、練りに練った結果、技術者が納得するパフォーマンスに達するまで発売を遅らせたのではないでしょうか。それほどに内容が充実しており、国産プリメインアンプの最高峰として、満を持しての登場となりました。前モデル「PMA-SX」が発売されたのが、2008年11月(税別価格は750,000円)でした。それから、6年の間に得られた幾多のノウハウの結晶が、今回取り上げる「PMA-SX1」です。
つまり、この6年間は決して無駄ではなかったのです。またそれは、アキュフェーズやラックスマンだけが国産ハイエンドではないということでもあるのです。
■プリメインアンプ「PMA-SX1」の進化した点
![]() 外観的には、前モデルにあった「サイドウッド」「ボリュームつまみのウッドリング」がなくなりました。パネル面からはつまみ類が4個なくなり、パワースイッチとセレクター、前モデルより一回り大きくなったボリューム(70φ)だけとなり、かなりシンプルなデザインになっています。しかし、フロントパネルは独特のカーブを持たせて、最厚部は実に15mmにも及び、振動対策にも音質的にも有利で、シンプルながらゴージャスなデザインに仕上がっています。また、今回よりリモコンが付属され、ボリュームコントロールも可能になりました。
中味では、同社のアンプの最大のウリであり、パワーアンプ「POA-S1」(1993年発売)以来、同社の高級アンプの最終段には必ず搭載されている増幅素子である《 UHC-MOS(Ultra High Current MOS)FET(※) 》が大型化されたことです。定格の電流容量が30Aから60Aに、瞬間最大電流も従来の120Aから240Aに倍増しています。もちろん従来通り、シングルプッシュプル回路であり、微小電流領域から大電流領域にわたって、極めて高いリニアリティを実現しています。これは「1ペア」という最小単位の素子による増幅によって、高次元での繊細さと力強さの両立が実現する、デノン伝統の独自手法でもあります。 ※多数の増幅素子を並列駆動して大電流を得る手法では、素子の性能のバラツキが問題なります。選別には多額のコストが伴います。
PMA-SX1 内部 また、全段バランスアンプ構成でBTL接続によって出力を得ています。これにより、スピーカーのプラス・マイナスの両端子を直接パワーアンプの出力段で駆動することになります。ドライブ能力が高まるとともに、グラウンド回路から切り離される結果、ノイズや回路間の干渉が減り、より忠実な増幅が行われるとのことです。リアルさや躍動感といった音楽性の豊かな再現性に繋がります。
■最大の注目点は内蔵のフォノイコライザー
![]() このハイレゾ時代にあって、「今さら何故、フォノイコライザー?」と思われるかも知れませんが、そこが国産老舗ブランド「デノン」の意地でもあり、私は「こだわり」と見ました。
具体的には、知る人ぞ知るデノンのプリアンプの銘機「PRA-2000」(1979年発売)で採用され、音質的には当時最高とされたプリに搭載されていた「CR型フォノイコライザー」の採用です。当時私も、レコード試聴時のリファレンスとして使用していました。
MC/MMは専用の入力を持っており、イコライザーアンプは別基板で対応するというこだわりようです。それは取りも直さず、デノンブランドの元祖ともいうべきMCカートリッジ「DL-103」を最高に鳴らすためのイコライザーとも呼べるものです。もちろん、入力インピーダンスの切り換えも可能で、オルトフォンタイプの低インピーダンス型MCカートリッジにも十分対応しています。ちなみに、前モデル「PMA-SX」はMMにのみ対応でした。
■他回路への影響を最小限にする「シンプル&ストレート思想」
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PMA-SX1 背面 この「PMA-SX1」のシンプル&ストレート思想の徹底度合いは、プリアウト、トーンコントロール、バランスコントロール、ヘッドホン出力を全部なくしてしまったことです。さらに、フォノイコライザー回路はPHONO入力を選んだ時のみ電源が入り、他のソースの演奏時は電源OFFになり、他回路への影響を最小限にしています。もちろん、リモコンにおいても、操作時以外はアンプ内のマイコンへの電源供給をストップし、音質への影響を避けています。
そして、前モデルから引き継いだ物量投入型のクリーンで強力な電源部や完璧な振動対策は、さらにバージョンアップしています。 これで、「なぜ、税別価格で170,000円もダウンしたのか?」と疑問は沸いてきますが、実際に音を聴いて、さらにその疑問が膨らんできました。
■試聴しました
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先日、ジョーシン 日本橋1ばん館4Fのリファレンスルームで試聴してきました。 今回は、前モデル「PMA-SX」と交互に切り換えながら、試聴を繰り返しました。ちなみに、スピーカーは国産代表としてクリプトン「KX-5」、海外製代表としてB&W「805SD」を使用しました。
まず、前モデル「PMA-SX」で聴き慣れた私自身のリファレンスCDソフトを聴いてみると、価格相応の厚みのあるニュートラルなハイエンドサウンドと感じました。多少、高域にアクセントを持たせ、解像度の高さは際だっており、低域には制動力もあり、電源の充実度を実感させるサウンドでした。クリプトン「KX-5」のスピーカーでは少し明るめで、女性ボーカルは細身に感じました。B&W「805SD」では多少にじみはあるものの、柔らかでマイルドさも出てきました。さすが、国産最高峰の物量投入型アンプ代表といったサウンドでした。
次に、新モデル「PMA-SX1」に切り換えた瞬間、サウンドが激変しました。それ以降、セレクターの番号を見なくても、どちらのアンプが鳴っているか(もちろんボリュームは同じ)判かってしまう程の違いがありました。
サウンド全体がまろやかでしなやかになり、従来からデノンアンプに持っていた、質実剛健のイメージとは明らかに違うものでした。最低域も前モデルよりさらに厚く、より深く沈むようになり、ボーカルもセンターにモノラルのソフトであるかのようにピタリと決まりました。透明で音場感も豊かになり、奥行きも見通し良くなり、空間の表現が明らかに広く深くなっています。全体に情報量が多いのに、決してこれ見よがしではなく、落ち着いた大人のサウンドと言った印象でした。
今回は残念ながら、アナログプレーヤーでの試聴はできませんでした。かつて私自身常用していた「PRA-2000」に匹敵するフォノイコライザーを搭載しているのですから、プアなサウンドであるはずはありません。デノンが、ここまでターゲットを「アナログのヘビーユーザー」や「ハイエンド・オーディオファイル」に絞った、最高級プリメインアンプを完成させたことは、国内いや、世界のオーディオメーカーにも一石を投じたことになるのではないでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。(あさやん) |
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