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あなたなら、どちらのプレーヤーでオーディオを極めますか? DENON「DCD-2500NE」VS「DNP-2500NE」

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ハイエンドオーディオ担当の "あさやん"です。
今年2月に、DENONから注目の新製品『 2500NEシリーズ 』3機種が発売されました。その中の一つ、プリメインアンプ「PMA-2500NE」については以前取り上げ、新世代のプリメインとして、必ずロングセラーを続けるであろうとレポートいたしました。(詳しくはこちら)

今回は同時に発表された2機種、SACD/CDプレーヤー「DCD-2500NE」と、USB-DAC搭載ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2500NE」について、その実力と使い勝手を検証して参ります。


SACD/CDプレーヤー「DCD-2500NE」のスペック
まずご紹介する「DCD-2500NE」は、あえてUSB-DAC機能を搭載せず、SACD/CD再生に完全に特化したディスクプレーヤーです。

ちなみに、USB-DAC機能は後ほどご紹介します、ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2500NE」に任せた格好になります。

本機は、ベストセラーの前作「DCD-1650RE」の後継機にあたります。しかし、1990年のオリジナルモデル「DCD-1650」以来、25年に亘って継承してきた「1650シリーズ」から、ついに決別。DENONの新たなミドルクラス「2500シリーズ」となって、誕生しました。

内部には、上級機「DSD-SX11」と同一のオリジナルのドライブメカ「Advanced S.V.H.Mechanism」を搭載。

トップパネルは、ステンレスと銅板を組み合わせて、剛性を大幅に強化。トレイには、高級感のあるアルミダイカスト製を採用しています。

ピックアップ制御回路などを新開発。読み取り精度も従来機から、向上を図っています。

また、メカを低重心化にすることで不要な振動を排除。メカを持たないPCオーディオなどのファイルオーディオ再生に比べ、ディスク再生での最大のネックでもあるサーボ系の動作を最小限にとどめることで、無駄な制御や電流の消費を抑え、高精度かつ安定したデジタル信号の読み出しを可能としたといいます。

読み取った音楽データは、DENON独自のアルゴリズムによるアナログ波形再現技術の最新バージョン「Advanced AL32 Processing Plus」で補間処理を行い、デジタル録音時に失われたデータを復元することで、原音に近づけることを目指しています。

クロックにもこだわりを見せており、マスタークロックをD/Aコンバーターの直近に配置する「DACマスター・クロック・デザイン」を採用。余分なジッターの発生を抑え、高精度なD/A変換を実現しています。

また、周波数の変位である位相雑音を大幅に低減したクロック発振器を搭載し、電源回路も大幅に改善しています。音源のサンプリング周波数に合わせるため、44.1kHz系と48kHz系用の2種類のクロックを搭載することで、ジッターも極小化しています。

電源は、デジタル系とアナログ系をトランスから完全に分離した、2トランス構成「デジタル/アナログ独立電源トランス」とすることで、相互干渉とノイズの回り込みを排除しています。アナログオーディオ回路にも安定した専用電源を採用し、エネルギー感と緻密さの両立を目指しています。

本機は、SACD/CDの再生に加えて、DVD±R/RWに記録したDSD(2.8/5.6MHz)、PCMは最大192kHz/24bitまでの音楽ファイルに対応。CD-R/RWでも、48kHzのファイルまで再生可能です。また、デジタル入力は装備されておらず、出力はアナログはRCAのみ。デジタルは同軸とTOSとするなど、音質向上のため、極力簡略化が図られているようです。

「DCD-2500NE」のサウンド
サウンドは、従来機のDENON CDプレーヤーにあった、低重心でドッシリしたピラミッド型のサウンドというイメージとは少し違う、新しいDENONサウンドを感じました。

非常に抜けの良いクリアなサウンドで、従来からの中低域以下の安定感は維持しながら、解像度が高く、フレッシュで従来機より若干若々しく感じました。

S/Nの良さや歪み感のなさ、さらに最新の「Advanced AL32 Processing Plus」の効果もあって、非常にクリアでナチュラルなハイエンドクラスのプレーヤーに肉薄するサウンドと感じました。

また、CDとSACDで音作りに多少違いがあるようで、SACDではDSDファイル音源に通じるしなやかで空間表現が豊かでした。一方CDではPCMファイル音源に通じる低域の量感や輪郭のしっかりしたサウンド傾向が見られました。

USB-DAC搭載ネットワークオーディオプレーヤー「DNP-2500NE」とは

「DNP-2500NE」は、前述の「DCD-2500NE」とは別のアプローチとなる、ファイルオーディオ再生に徹したプレーヤーです。

「DCD-2500NE」と同様に、独自アルゴリズムによる最新版の「Advanced AL32 Processing Plus」を搭載。

「SX1」「SX11」などの上級機シリーズで培われた数々の技術(DACマスター・クロック・デザイン、デジタル/アナログ独立電源トランスなど)が投入された、DENONとしては初の本格的ネットワークプレーヤーです。

USB-B入力では、最大DSD:11.28MHz/1bit、PCM:384kHz/32bitまでの最高のスペックを実現。DLNA 1.5準拠のネットワークプレーヤー部やUSBメモリなどのUSB-A入力でも、DSD:5.64MHz/1bit、PCM:192kHz/24bitまでのハイレゾ音源再生が可能で、iPhone/iPadの再生も可能になっています。

DSDやWAVの他、FLAC、AIFF、ALACファイルなどのギャップレス再生や、AirPlay、インターネットラジオ(MP3、WMA、AACフォーマットで配信されている放送)にも対応しています。

ヘッドホンアンプにもDENONのこだわりを見せており、「PMA-50」「DRA-100」にも採用されているデジタルアンプ「DDFA」を使用したフルデジタル・プロセッシング・ヘッドホンアンプを搭載。入力されるデジタルソースを一度もアナログ変換することなく、「Advanced AL32 Processing Plus」による補間処理からボリューム調整などのすべての処理をデジタルで行うことで、原音再生が実現できたといいます。

使い勝手では、リモコンアプリ「Denon Hi-Fi Remote」に対応し、同一のネットワーク上のiPhone/iPad/iPod touch、Androidスマートフォンなどから本機の操作ができます。

電源のON/OFF、入力の切り替え、ボリューム操作に加え、PCやNAS内の音楽ファイルやインターネットラジオ局の検索も行えます。

本機のネットワーク機能をお使いになるには、別途有線または無線のLAN環境に加え、LANケーブルとオーディオ用のNAS(Network Attached Storage)が必要となります。

「DNP-2500NE」のサウンド

今回は、ネットワークオーディオ再生ではなく、USB-DACとして「DNP-2500NE」を聴きましたが、繊細さや柔らかさの再現性は、同社のハイエンドSACD/CDプレーヤーに通じるものが感じられ、そこにファイル音源の抜けの良さや歯切れの良さ、さらに躍動感が加わり、非常に魅力的なサウンドでした。

特にDSD音源では、ナチュラルで演奏会場の大きさや雰囲気までも再現するリアルさがありました。どこかアナログレコードに通じる、中低域の厚みや充実した倍音の響きも聴くことができました。

最初は「DNP-2500NE」を最高級USB-DACとしてのPC再生や、お持ちのCDプレーヤー用の新たなD/Aコンバーターとしてお使いいただき、使いこなしができてから、NASを使った本格的なネットワークオーディオ再生にチャレンジされるのが理想だと思います。

最後に

プリメインアンプ「PMA-2500NE」を含め、国内のオーディオ市場をリードするDENONの新しい考え方を具現化したコンポーネント群がここに完成したのです。

ディスク再生を極めるなら「DCD-2500NE」、PCオーディオをさらに極め、いずれはネットワークも!とお考えなら「DNP-2500NE」。さあ、貴方ならどちらをお選びになりますか?

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

(あさやん)


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